2023/8/28 更新 グローバルリーダー達はどのように育ったのか P&Gが描く成長戦略とは

P&Gジャパンのプロダクトリサーチャーが語る仕事の魅力
「マーケティング視点を持つR&D職として、消費者ニーズを技術で実現する」

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現場で活躍する若手社員が本音で語る、P&Gジャパンの仕事と環境。今回は高度な技術を応用してイノベーション創出を目指すR&D(研究開発)部門でプロダクトリサーチャーとして活躍する鈴木麻佑さんにインタビューを行った。

仕事の醍醐味から成長のチャンス、働きやすさまで、キャリアを築く場としてのP&Gの魅力に迫る。

P&Gジャパン合同会社
R&D(研究開発)プロダクトリサーチャー
鈴木麻佑氏

大学でバイオサイエンスを専攻。修士課程修了後、2020年、P&Gジャパンに入社。R&D(研究開発)部門に所属し、プロダクトリサーチャーとして、洗濯洗剤『アリエール除菌プラス』『アリエール ダニよけプラス』などを担当。23年4月から東南アジアで発売されている柔軟剤『Downy』を日本にいながら担当

※社名、所属部署名、および役職名については取材当時のものです。


身近な製品の開発に欠かせない消費者テストを自らの裁量権で設計する

——現在R&D(研究開発)部門で活躍されていますが、学生時代の専攻は何でしたか?

鈴木:もともと生物が好きで、大学ではバイオサイエンス学科を選びました。大学院では機能性分子解析学研究室に所属し、特に人工甘味料への応用を目指し、高分子タンパク質の結晶構造の解析をしていました。

研究中心の学生生活を送りながらも、海外にも興味があったので、海外の提携校と毎年行う国際フォーラムの運営に携わったほか、学部時代には1年間アメリカに留学をしました。

留学中はボランティアに参加したり、現地の治験会社で3カ月インターンを経験したりもしましたね。

——修士課程修了後の進路については、当時どのように考えていたのでしょうか。

鈴木:私のいた研究室からは製薬会社や治験会社、研究所などに就職する人が多かったのですが、私は消費財や化粧品、食品メーカーを中心に考えていました。

アメリカの治験会社でインターンを経験したときに、開発に携わった薬がどのように使われているのかが、日常生活では見えにくいと感じたため、日常的に触れることができる製品の開発に携われる仕事がしたいと感じたのです。

——P&Gを知ったきっかけを教えてください。

鈴木:修士1年の時に参加した就活フォーラムに、P&Gが出展していました。R&Dのインターンを募集していたので、教授とも相談の上、応募したことがきっかけです。

——インターンシップはどうでしたか?

鈴木:インターンシップは5人ほどの学生が参加しており、個別に与えられた課題に約3週間取り組むという内容でした。

そこで私に与えられた課題が、まさに今のプロダクトリサーチャー(Product Researcher、以下PR)の仕事。

当時のP&Gでは洗剤の新製品を開発していたのですが、その製品が消費者にどう受け入れられるのか、どのように使われるのかを検証するための消費者テストを組み立てるのが私のミッションでした。インターンの私が、社員の方が実際に行っている設計を任せてもらえることに驚きを感じましたが、P&Gが一人一人に裁量権のある仕事を任せる、と常に発信していることに納得した瞬間でした。

鈴木:消費者テストのやり方はまったく分からなかったのですが、各学生に担当として付いてくださっていたスーパーバイザーの方に製品の背景をヒアリングしたり、他のブランドを担当している社員の方に話を聞きに行ったりしながら、楽しく取り組めましたね。

一般的なR&Dというと製品開発のイメージがあったので、それとは違いましたが、マーケティング的な視点を入れつつ科学的知識を生かせる仕事があると知り、とても興味を持ちました。

——最終的な入社の決め手は何だったのでしょう?

鈴木:一番は、自分の分析や発想が直接的に商品開発や消費者に還元される、やりがいのある仕事ができるという実感が湧いたことです。就活中は他社もいろいろ回りましたが、PRのような職種が確立されている会社にはあまり出会うことができませんでした。

身近な製品の開発に関われる上に、常に消費者の方を向いて、裁量権を持って開発に携わっていけるので、自分が成長できる機会も多いのではないかと考えました。

インターンシップで人や職場の雰囲気も体感していたので、安心して入社を決めることができましたね。一人一人の裁量は大きくありながらも、フレンドリーな人が多く、チームワークを重んじる社風であることが分かりました。

東南アジアの消費者が求める「香り」を探求し、それを技術で実現する

——PRの仕事について教えてください。

鈴木:例えば、一口に布製品の洗い上がりの「柔らかさ」といっても、ふわふわの肌触りだったり、さらりとした滑らかさだったりと、消費者の求めるものはさまざまです。どういう柔らかさを実現するかによって、製品に付加する機能も変わってきます。

製品を開発する際に、そういった「柔らかさ」が具体的にどのような柔らかさなのかを調査し、それを技術的に実現するのがPRの仕事です。

——今はどのような製品を担当しているのでしょうか。

鈴木:現在は東南アジアで発売されている柔軟剤『Downy』を日本にいながら担当しています。

日本とは異なる文化や生活習慣、東南アジアの消費者を理解した上で製品を開発し、最適な伝え方とともに製品を消費者に届ける方法を日々模索しています。

例えば、東南アジアは熱帯気候で汗をかくことが多いため、日本よりも強い香りが求められる傾向にあります。

ただ、香りは消費者の好みに大きく左右される要素であり、現地で好まれる香りを理解し、実現するのはなかなか難しい。

だからこそ、理想の香りを製品に反映して世の中に送り出すことにやりがいを感じますし、実際に使って喜んでもらっている姿が見られるのは本当にうれしいですね。

鈴木:以前は日本国内で洗濯洗剤『アリエール除菌プラス』『アリエール ダニよけプラス』を担当していたので、市場も製品もがらりと変わって当初はキャッチアップするのに必死でした。

でも、もともと海外の仕事をやりたいと思っていたので、すごく充実しています。チームメンバーはタイやフィリピン、シンガポールなど、ほとんどは海外にいるため、オンラインツールでコミュニケーションを取ることが多く、市場・製品だけではなくチームの在り方もがらりと変わったので、日本にいながらもダイバーシティな環境に身を置けていると思います。

自分らしく働きながら、PRのスペシャリストを目指したい

——海外とのやり取りには時差も影響します。現在はどのような働き方をしているのでしょうか。

鈴木:時差はありますが、フレックスタイムなどの制度が整っていますし、P&Gではそれぞれがオーナーシップを持って自分の仕事に取り組むので、オンとオフのバランスも基本的には自分で調整することができます。

仕事と子育てを両立している先輩社員も多いですし、しっかり働きながらバケーションを取ったり、趣味に本格的に取り組んだりといった人もたくさんいますね。

いろいろな人たちがいて、それぞれの多様性を受け入れながら、働くことができるので、良い意味で刺激的な環境だと感じます。私も“個人”として受けいれられているという安心感があり自分らしく働けているなと思いますね。

——この先のキャリアについてはどのように考えていますか?

鈴木:PRの仕事がとても楽しいので、長く続けていきたいですね。製品の幅を広げたり、さまざまな市場の経験を積んだりしながら、スペシャリストとして成長していきたいと考えています。

——最後に就活生の皆さんにメッセージをお願いします。

鈴木:自分が携わった製品を家族や友人が実際に使って「良かったよ」など声を掛けてくれるときは、本当にうれしい気持ちになります。

自分の技術力や知見がどのように生かされ、世の中で使われているのか、日々の生活の中で実感できるのは大きな魅力です。

P&GにはR&D部門内にもさまざまな職種がありますし、海外で活躍できる機会も多いので、いろいろな成長のチャンスを求めている人にとって最適な環境だと思いますね。


取材・文/瀬戸友子 撮影/佐々木ゆり 編集/天野夏海

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