2022/6/17 更新 セールスフォース・ジャパンが実現する、ソリューション・エンジニアの多様なキャリア

Salesforceのワーキングマザー&ファザーの働き方「子育てを仕事の予定に組み込むのは当たり前」

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将来結婚し、子どもを持ったときに、家庭を大事にしながら仕事を続けたい。共働きが当たり前になる中、そう考える人は男女問わず増えている。

ただ、日本の男性育休取得率は12.65%と低水準。女性の中にも、産休・育休復帰後に思うような仕事ができず、ジレンマを感じている人もいる。

そんな中、子育てをしながら仕事も充実させているのが、Salesforceのソリューション・エンジニアの二人。子育てと仕事を両立し、イキイキ仕事ができている理由に迫る。

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ソリューション・エンジニアリング統括本部
コマーシャルソリューション本部
ディレクター
藤本 幸祐氏【写真左】

ソリューション・エンジニアリング統括本部
公共・金融ソリューション本部
保険ソリューション第二部
プリンシパルソリューションエンジニア
王 小芬氏【写真右】

リモートワークだったから、つかまり立ちの瞬間に立ち会えた

ーーお二人とも小さいお子さんの子育て中と聞いています。まずは自己紹介をお願いできますか?

藤本:2013年に中途でSalesforceに入社し、ずっとソリューション・エンジニアとして仕事をしています。中堅企業のお客さまを担当する部署で、現在はマネジャーです。2021年夏に第一子が産まれ、妻と子どもが退院した日から1カ月間、育休を取得しました。

王:私も2015年にソリューション・エンジニアとして、転職しました。以来ずっと大手生損保企業を担当しています。

子どもは2歳で、2019年に出産予定日の1カ月半前から産休に入り、育休を8カ月間取得しました。復帰の時期は保育園との兼ね合いで決めたので、お休みの期間は少し短めですね。

ーー現在はどのような働き方をしているのでしょう?

藤本:9時から仕事を始め、18時に終えるのが基本です。家では朝の当番が私なので、5時半頃に強制的に子どもに起こされるところから1日がスタートします(笑)。離乳食をあげたり遊んだりしてから仕事を始める流れで、寝かしつけは私がやったり妻がやったりという感じです。

思っていた以上に子育てに携われている理由は、リモートワークができ、時間の融通が利く点が大きいですね。実は昨日、子どもが初めてつかまり立ちをした瞬間に立ち会えたのですが、子どもと一緒にいる時間が長いからこそ立ち会えた瞬間だったと感じています。

王:我が家は夫婦共働きで、かつフルタイム。お互いが家事と仕事の割合を半分にし、子どもがママに依存しないよう工夫しながらやっています。

私は夕方の当番なので、朝は夫が子どもを保育園に送り、その後二人とも在宅で仕事をスタート。17時頃まで仕事をし、お迎えは私が行き、片方が子どもと遊んでいる間にもう片方が夕飯を用意して、寝かしつけはお互い半々ぐらい。夕方は二人とも極力ミーティングを入れないように調整していますね。

その後、子どもが寝てから仕事を再開することも多いです。マネジャーのサポートやチームメンバーの理解のおかげで、成り立っていますね。

ーー出社の頻度は各自の裁量に任されているのでしょうか?

藤本:現段階では、そうですね。会社から「出社をしなさい」と言われたことはないですし、私もメンバーに出社をするよう伝えたことはありません。

私の場合はあくまで自分の判断で、現在は週に1回ぐらい出社しています。その方が仕事がスムーズだと思ってのことです。コロナ禍は完全在宅勤務だったので、社員同士で久しぶりに会えるのが楽しみで会社に来ている面も大きいですね(笑)

子育て中でも変わらず、チャレンジを応援するカルチャーがある

ーー王さんは復帰後、仕事面で変化はありましたか?

王:私の場合、仕事の内容に変化はありません。というのも、Salesforceでは産休・育休に入る前に、戻ってきたらどのロールに就きたいか相談することができるのです。私は同じロールに戻りたいと伝え、実際に復帰後は復帰前と同じ仕事をしています。

とはいえ、育休中は宇宙人とずっと一緒にいる感じなので、社会人としてのマインドが全て飛んでしまって(笑)。復帰後は慣れるための助走期間を設けていただき、担当企業の調整など、周りからのたくさんのサポートと配慮をしていただきながら、徐々に自分のペースを取り戻していきました。

幸いなことに、以前担当していた企業をまた担当することとなり、お客さまと仕事上で再会ができたことも仕事が楽しい!と思える理由かも知れません、

ーー休みに入る前に復帰後のことを相談できるのは安心ですね。王さんの場合は同じところに戻る選択をしていますが、新しい仕事にチャレンジすることもできるのでしょうか。

王:会社の状況もあるので必ずできるとはいえませんが、希望を伝えること自体は全く問題ありません。私の場合はマネジメントに興味があり、今年から新たに、メンターとして人を育成することにチャレンジしています。

もちろん自分の頑張りや周囲の理解、調整は必要ですが、子どもがいるからチャレンジできない感覚は全くありません。週に一度1on1(マネジャーと部下が1対1で行う、定期的な面談)があるのですが、そこで日々の業務やキャリアの相談ができ、今後の希望も随時確認をしてもらっています。

子育て中であろうと、自分がやりたい仕事をやるための応援をしてくれるカルチャーであることは間違いないと思いますね。

ーー日本の男性の育休取得率は1割強と、まだまだ世の中に事例が少ないです。藤本さんは1カ月間の育休を取るにあたって、不安はなかったですか?

藤本:実は、ソリューション・エンジニアの男性マネジャー職として育休を取得したのは、私が初めてでした。正直、最初はメンバーへの申し訳なさや、「長く抜けることでお客さまに迷惑をかけてしまうのではないか」というバイアスもあったと思います。

ただ、実際はメンバーもお客さまも「おめでとうございます!」と好意的な反応で。むしろメンバーからは「ぜひ育休を取ってください。マネジャーが取ってくれると自分たちも取りやすくなります」と言ってもらえて、ありがたかったですね。

出産予定日の4カ月ほど前から育休を取りたいと相談をしていましたが、「いいんじゃない?」と、上司もあっさりでした(笑)。少し考えすぎていたなと思います。

ーー実際に1カ月間お休みして、いかがでした?

藤本:3カ月前から引き継ぎを進めていたこともあり、育休中もチームは問題なく回っていました。「もっと長く育休を取ればよかった」と、戻ってきてから思いましたね。

というのも、育児をしていると1カ月はあっという間なんです。育休前は「寝かしつけをしながら仕事しよう」くらいに思っていたのですが、全然無理でした(笑)

うちの場合はコロナ禍で里帰り出産ができず、最初から夫婦二人で育てたので、育休を取っていなかったらとんでもないことになっていたなと思います。家族のことを考えると育休は2〜3カ月取った方がいいと実感しましたね。

引き継ぎをきちんとしていれば数カ月休んでも問題ないことも分かったので、今後はもっと男性も積極的に育休を取るよう、周囲に勧めていきたいです。

王:私のチームメンバーの男性社員は、マネジャーから「育休取る?」と声掛けがあり、1カ月の育休を取っていました。「子どもとの時間が持てたことが本当にうれしかった」と話していたのが印象に残っています。

お迎えなど子育ての対応をしている男性はすでにたくさんいますし、藤本さんのような事例も出てきていますから、男性の育休所得者はこれからどんどん増えるのではと思いますね。

カレンダーに子どもの予定が入っていても、違和感はゼロ

ーーお二人が子育てをしながら、育休前と同じように仕事ができているのはなぜだと思いますか?

王:制度が整っていることは大きいですね。管理職未満の社員にはフレックスタイム制が適応されており、「1日8時間×営業日(月)」の時間分働けば、あとは個人の裁量に任されています。

コアタイムの取り扱いは部署ごとに定められておりますが、私の所属する部署はコアタイムがないので、その日の都合によって働き方は変わります(※)。

※新卒社員の場合、入社時や配属後の研修中など、上司やチームからのサポートが必要な段階では9:00-18:00を基本として業務を行う

私の場合、子どもが2週間に1回のペースで熱を出していた時期があったのですが、柔軟に働き方を調整できたことで救われました。もちろん、周りの皆さんの温かい配慮があってのことですが、制度上守られている安心感は大きかったです。

ーーフルタイムから時短勤務に切り替えることは考えなかったのでしょうか?

王:制度として用意はされていますが、復帰後に時短勤務に切り替える人は少数ですね。好きな時間帯で仕事ができ、在宅勤務もできるので、フルタイムでも無理なく仕事ができているからだと感じます。

藤本:制度はもちろんですが、周りの理解も大きいですよね。社内のカレンダーを見ても、お迎えの時間をブロックしている人はたくさんいます。性別に関係なく、子どもの予定を仕事のスケジュールに組み込むことに違和感がありません。

王:子どもの予定に限らず、日中の時間帯に「ブロック」と書いて予定を押さえる人は多いですよね。詳しい内容までは分からないですが、通院や役所に行く人も多い印象です。

藤本:私は集中できないときに1時間予定をブロックして、マッサージに行ったことがあります。各自の事情に対して、誰も何も言わない環境は非常に楽ですね。

ーー仕事のパフォーマンスを上げるために、日中の時間を気分転換に使うこともできるんですね。

王:スケジュールを厳しく管理されることはなく、「自分の仕事を期限内にやれれば、時間の使い方は自由であり、細かいところまでは見ない」という感じですね。

子どもの世話をしながら在宅勤務をしている時、場合によっては子どもの相手をしながら耳だけ会議に参加するようなこともありますが、それでもやるべきことができていれば問題はないというか。

藤本:メンバーに「昨日のスケジュールのこの時間は何をしてた?」といったことを聞いたことは一切ないですし、気にしたこともないですね。みんな大人ですし、やるべきことはやっていると信じています。

みんなが公平に、自分の裁量で働き方を決めているからこそ、子育て中の人が変に特別な存在になることがないのかもしれませんね。

急な休みでも業務に支障なし。スムーズな対応が製品アピールにもつながる

ーー働きやすさについて、ソリューション・エンジニアという職種ならではの特徴はありますか?

王:営業がお客さまの一次窓口として対応をしてくれるのは大きいですね。お客さまからのお電話は営業宛が基本ですし、ミーティングもソリューション・エンジニアが毎回同席しなければいけないわけではありません。

藤本:お客さまから直接連絡が来ないのは、働きやすさの大きな要因ですよね。私は前職で営業をやっていたので、お客さまと直接やり取りをする大変さはよく分かります。営業を介してお客さまとコミュニケーションを取ることがほとんどなのは、ありがたいですね。

王:一般的な製品紹介など、内容によっては他のソリューション・エンジニアや製品担当者でも対応ができることがあるので、突然の事態へのフォローもしやすいですよね。お客さまと接する仕事の割に、柔軟さがあるなと思います。

藤本:突発的な事態に寛大なのは、基本的に社内のドキュメントツールで作業し、情報を残していることも大きいですね。急に休む場合であっても「このドキュメントの内容でお願いします」と共有するだけで対応ができる。普段の業務内容をそのまま他の人に渡せるのがポイントです。

先日もチームメンバーのお子さんがコロナの濃厚接触者になり、急きょお客さまのところに行けなくなってしまったのですが、ドキュメントツールに情報が一通り残っていたので代理の対応もスムーズにいきました。

また、そうやって代打でお客さま先に伺った際に、「『Salesforce』で情報を共有しているから簡単に状況の把握ができて、こうやって急な事態にも対応できるんです」とご説明をすること自体が製品アピールにもなっています。

ソリューション・エンジニアは、若いうちから「仕事の貯金」がつくれる

ーー性別に関係なく、将来は仕事も家庭もどちらも大切にしたいと考える学生は増えています。そういう学生に対して、会社や仕事選びをする上でアドバイスはありますか?

藤本:若いうちは仕事に集中し、成果を追い求められる環境に入った方がいいと思います。私が子育て中でも何とかやれているのは、若い頃に頑張ってきた貯金があるから。最初に仕事で成果を積み上げることによって、キャリアの道は多く開けると思います。

そういう意味で、Salesforceはちょうど良いバランスで働ける環境です。成果を追い求めつつ、健康的に働くことができますから。

王:同感です。出産後も仕事を続けることを考えたら、日頃からある程度仕事の成果、周囲からの信頼など、“仕事の貯金”があった方がいいと思います。働きやすい制度やカルチャーがあることも大切ですが、周りの協力や配慮を得るには、「この人のためなら」と周りに思ってもらえる人であることも必要です。

ーー自分の努力や頑張り、周りからの信頼があって、本当の意味で良い環境を享受できるのですね。

藤本:Salesforceが新卒採用を始めて今年で8年目になりますが、ソリューション・エンジニアの人数も増えて、今はさまざまなキャリアの事例がたまりつつあるタイミングです。

私たちのように子育て中の人もいれば、前回の記事の渡辺さんのように、入社4年目でトップパフォーマーとして表彰された女性もいます。

新卒の評価方法など制度面も固まってきていますし、地ならしがある程度されている状態ですから、今のSalesforceは入社するのにとても良いタイミングだと思いますね。

王:当社にご応募いただく学生の皆さんからは営業が人気と聞いていますが、ソリューション・エンジニアもいいですよ。営業は現場に出るまで2〜3年かかりますが、ソリューション・エンジニアは1年でお客さまの前に立つことができる。圧倒的に成長が早く、若いうちに仕事の貯金も作りやすいと思いますので、ぜひチャレンジいただきたいです。


企画・取材・文・編集/天野夏海 撮影/野村雄治

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