毎年、多くの就活生は、選考が上手くいかなくて傷付いています。また、同じように企業の採用担当者も傷付いていることを忘れてはいけません。売り手市場(学生優位)となり、学生の選考途中の辞退や内定辞退が続出しているからです。「目を輝かせて、御社が第一志望です。」という学生を信じて内定を出しても、ことごとく辞退されてしまい、人間不信に陥っているのです。実は、この採用担当者の苦しみを理解することが、就活の成功に繋がります。今回は、採用担当者の心理を理解してみましょう。
さて、採用担当者は会社でどのように選ばれるのでしょうか。基本的には、人事部の方から選出されて、専任ではなく、他の業務も兼任しながら採用活動を行うというケースが多いです。そして、ほとんどの方は、自ら希望して採用担当になったわけではありません。会社の指示により仕方なくという受け身の方が多いでしょう。同じように、面接官の選出についても、選考の前半は現場社員、後半は管理職が主に担当しますが、こちらも会社の指示です。そのため、「忙しい通常の業務があるのに、採用活動なんてやりたくない!」と感じている採用担当者や面接官も少なくないのが現実です。就活生の視点から言えば、自分の人生を左右するかもしれない採用担当者や面接官です。しっかり面接をしてくれなければ困りますよね?ただ、採用担当者や面接官の視点から言えば、面接は辛い大変な仕事ではあります。例えば、評価の高い学生の内定辞退の責任は、採用担当者が受けるケースが多いです。その学生の最終面接をした役員に「あなたの学生に対するフォローが足りないから、辞退されたんじゃないの?」と言われることもあるでしょう。また、現場社員である1次面接官が合格させた学生をその上司の2次面接官が面接したとします。ただ、2次面接官がその学生の評価が悪いと感じたら、「君は見る目がないね!」と1次面接が評価されてしまうこともあります。つまり、採用活動に携わる採用担当者や面接官は、自分の意志ではなく、会社の指示で動いており、その対応の良し悪しによって、社内評価のリスクもあるということです。もちろん、信念を持って採用活動を行っている方もいます。ただ、その割合は非常に残念ながら少ないのではないでしょうか。
さて、上記をふまえて、一度、自分の就活を振り返ってみてください。例えば、あなたは面接の冒頭や終わりに、心を込めて挨拶しているでしょうか。採用担当者や面接官に対し、「本日は、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。」と言っているでしょうか。あなたも面接に出向いてはおりますが、あなたも面接官の忙しい時間をもらっているという気持ちを忘れてはいけません。もしかしたら、就職活動が上手くいかずに、「面接に合格できなかったのは、あの面接官のせいだ!」と面接官を敵に思ってしまうかもしれません。ただし、お互い人なのです。どちらかが嫌な気持ちを持ったら、面接が上手くいくはずもありません。面接官に「仕事が忙しくて、面接をしている時間も本当は無いのに、礼儀もない学生なんて最悪!」と思われたら、どうでしょうか。せめて、「私(面接官)を気遣ってくれる挨拶だな。よし、話をきこう!」と思わせる礼儀を意識してください。きっと、採用担当者や面接官をあなたが見る視点も変わるでしょう。すると、あなたの就職活動の振舞い方が良い方向に変わるはずです。何故なら、横柄な態度を取ることもある自分に気付くからです。
【20卒、19卒向け】就職活動やインターンイベント、セミナーに簡単登録 →新規会員登録・エントリーはこちらから
文:丸山 智士(就活系Twitter:就活生に知られたくないっ!※フォロワー9万以上)
著書:不安を自信に変える!就活面接【正しい】答えかた/秀和システム