面接で自分のことを伝える際に、一つ安心して欲しいことがあります。それは、学生時代に自慢できる経験をしてなくても、しっかり面接官にアピールできるということです。
よく就活生の中に、面接で自慢できるようなことを学生時代に経験してこなかったと嘆く人がいます。そして、自分をよく見せようと面接で話を誇張しすぎて、面接官に突っ込まれて撃沈を繰り返す人も多いのではないでしょうか。
面接は自分のことを自慢する場ではなく、面接官に「この学生は入社後にしっかりと働いてくれそうだ」とイメージさせる場であるということを意識してください。
仮に学生時代に自慢できることがあったとしても、たまたま上手くいったことだったり、周りとの協調性がそこに見えなければ、面接官に評価されないこともあります。逆に学生時代に自慢できることがなかったとしても、あなた自身がまわりの誰かに対して、意味のある行動や工夫をしていれば、面接で評価されることもあるのです。
それでは面接官は、どのような就活生を良い評価にしたいと思うのでしょうか。面接官も一人の人間です。極端ではありますが、一緒に働くことで自分にメリットが感じられる部下を採用したいと思うのではないでしょうか。自分やまわりの仕事を楽にしてくれそうな人材が欲しいのです。サッカーやテニスがどんなに上手い人材よりも、周りのメンバーのことを考えて効果的な練習メニューを作れる人材のほうが、面接で評価されることも多々あるのです。何故なら、効果的な練習メニューを作れる人材は、自分の部署の計画作成にも貢献できる人材じゃないかと期待できるからです。また、練習メニューを作った経験の中で、メンバーの強みや弱味も見極めていたと面接官が聞いたらどう思うでしょうか。入社後の配属先でも同僚の強みを引き出し、弱みをフォローできる人材に成長できるとさらに評価されるかもしれません。
このように、面接では自分の自慢をするのではなく、あなた自身の過去の行動事例を話すことで、面接官に「この学生は入社後にしっかりと働いてくれそうだ」とイメージを持ってもらうことがポイントになります。学生時代に自慢できるような経験が無いと嘆き、諦める必要は全くありません。例えば、学生時代の目標に対して工夫したことや困難を克服した経験の中で、仕事に繋がりそうな行動事例を今一度振り返ってみましょう。小さなことでもなんでも構いません。あなたが見過ごしているだけで、仕事に繋がるアピールポイントは必ずあると思います。その延長線上にあなたの働く姿が面接官に見えるはずです。
就職活動は、まだまだこれからです。あなたの今までの行動事例が活かせる会社に出会えることを心から応援しております。
(文:丸山 智士 著書:不安を自信に変える!就活面接【正しい】答えかた/秀和システム)