いい会社って何だ?
顧客の成長と自社の成長が
矛盾なくイコールで結べる会社
カスタマーサクセス統括本部
本部長
1985年に日本アイ・ビー・エムに入社。その後、2007年にデル・テクノロジーズでフィールドサービス統括本部長、14年にAmazonでカスタマーサービス統括本部長に就任。名だたる企業でキャリアを重ねる。15年セールスフォース・ドットコム(当時)に入社。17年から現職
企業の存在意義は
顧客の成功と関係する全ての人々を幸せにすることにある
いい会社の定義は、企業や個人によってさまざまです。それを前提に私自身の考えをお伝えすると、お客さまの成功と自社の成功が密接につながっており、取引先はもちろん、共に働く人々やその家族、協業するビジネスパートナーやエンドユーザーを含む全ての人々にとっていい影響を与えているかどうかが、見極めるポイントになると思います。
Salesforceが提供しているソフトウエア製品は、売り切り型ではありません。もしお客さまが、当社の製品や対応、導入効果に満足しなければ、契約満了と共に解約されてしまう可能性があるサブスクリプションモデル(定額課金制)で提供されています。その上、当社の製品は導入するだけですぐに売り上げが伸びたり、消費者とのエンゲージメントが強まったりする〝強力な即効性〟はありません。ビジネスに目覚ましい効果をもたらすならば、お客さまご自身が変革のトレイルブレイザー(先駆者)となり、慣れ親しんだ業務プロセスや組織風土を継続的に変えなければならないからです。だからこそ私たちは、お客さまの成功、つまりカスタマーサクセスの実現にこだわります。製品の導入によりお客さまのビジネスが成功すれば、Salesforceの価値に魅力を感じていただいた上で契約更新となり、結果Salesforceのビジネスが拡大する。まさに、お客さまの成長無くしてわれわれの成長はありません。この事実を全社員が理解しているからこそ、一人一人が顧客満足度の向上に心血を注いでいるのです。
もう一つ、私たちのスタンスを示す象徴的なキーワードをご紹介しましょう。それは当社の行動規範を示すと同時に、社会に対してSalesforceがどうありたいかを言語化した「信頼」、「カスタマーサクセス」、「イノベーション」、「平等」、「サスティナビリティ」の五つで構成されるコアバリューです。
例えばこのコアバリューに基づいて、Salesforceでは「1-1-1モデル」と呼ぶビジネスと統合した社会貢献を創業時より継続しています。これは製品、株式、就業時間の各1%を活用し、コミュニティーに貢献するというシンプルな社会貢献モデルです。事実、Salesforceが創業以来、製品提供を通じて支援した非営利団体の数は、世界で2万7000団体以上、助成金は総額1億ドルを超え、社員がボランティア活動に費やした時間は延べ110万時間以上にのぼります。
私たちは、1円でも多くの売り上げを出すことよりも、製品やソリューションによってお客さまが変革を成し遂げ、同時に関わる人、組織、業界の成長、ひいては社会の発展を促進することの方が大切だと考えています。だからこそ、これからも「ビジネスは社会を変える最良のプラットフォームである」と信じ、優れたソリューションをお客さまにお届けすると同時に、教育や環境、貧困や人権など、広い視野でさまざまな社会課題と向き合い続けます。
社員に共通するのは、五つのコアバリューへの共感
社会貢献への関心、そして成長意欲の高さ
世界各国に広がるSalesforceの仲間たちは、あらゆる企業への価値提供を通じ、日々それぞれの立場からカスタマーサクセスの実現に尽力しています。いずれも高度な知識が求められる仕事であるため、必要とされる専門性やバックグラウンドはさまざまです。しかしこうした多様性の中にも、確かな共通項があります。それは先に挙げたコアバリューへの共感と社会貢献への関心、そして成長意欲の高さです。
特に、成長意欲の高さについては、ビジネスパーソンとしての成長だけにとどまりません。社会を構成する生活者としての成長も含んでいるのが大きな特徴です。そのためSalesforceでは、キャリア形成や業務スキル向上に役立つ専門教育だけでなく、社会貢献につながるボランティア活動や、コミュニティー活動などを通じたさまざまな成長の機会を提供しています。そこから何を学び、自らの人生にどう活かすかはメンバー自身の考えに委ねています。
創業者であり会長兼共同CEOを務めるマーク・ベニオフを筆頭に、世界中で活躍するメンバーの一人一人が同じ価値観の基で働いている。だからこそ、自分自身も組織の不条理に悩まされたり、会社の価値観と自己の価値観の乖離にさいなまれたりすることなく、正しい道を進むことができます。誇り高い人生を歩みたいと思われるなら、普遍的な価値を追求できる組織を選ぶべきです。Salesforceには確かにそれがある。私はそう信じています。
お客さまへの貢献と社会貢献を両立し圧倒的に成長できる