2026/9/18 更新

AI時代、人事は学生の何を見ている?

新卒採用「変わったこと」「変わらないこと」

売り手市場に陰りが見え始めている今、選考の現場では、学生を見極める視点にどのような変化が生まれているのだろう。

その答えを求めて、採用現場を熟知する人事担当者に「新卒採用の変わったこと・変わらないこと」を聞いた。変化の時代でも活躍する人と伸び悩む人の違いは何か。そんな比較も交えながら企業が選考で重視するポイントを探ろう。

新卒採用何が変わった
自己理解を深める対話は変わらず
正解よりもその場で考える力を重視
  • ジェイ エイ シー リクルートメント
  • キャリア
  • ビジネス
  • 人事
ジェイ エイ シー リクルートメント
経営課題の解決に直結するハイクラス・ミドルクラス人材を対象とした人材紹介ビジネスをグローバルに展開する人材紹介会社。企業と求職者の双方を一人のコンサルタントが担当するコンサルティング型が強み。高度な折衝力と深いコンサルティングで双方の本質的なニーズを引き出す。変化する人材市場のニーズに応え、持続的な事業成長を続ける
New Grad TAディビジョン
New Grad Westチーム マネージャー
西尾好加
選考で重視するポイント
変わったこと

面接用に準備した回答よりも
その場での思考の柔軟性を評価

AI技術の進化により自己PRを容易に作成できる時代になりました。そのためジェイ エイ シー リクルートメント(以下、JAC)では事前に準備された回答をそのまま話せるような定型質問を廃止しました。AIが作った文章から本来の姿やコミュニケーション能力を測ることはできないからです。現在重視しているのは、本人のキャラクターや物事への向き合い方。「なぜそれに取り組んだのか」「モチベーションの源泉は何か」を深掘りし、過去から現在までの価値観の変遷を自分の言葉で語れるか。また、想定外の質問に対する切り返しなどその場での対応力です。人材紹介ビジネスでは相手とのリアルタイムな対話の中で価値観を引き出し、柔軟に提案を行う力が求められます。だからこそ自分自身を客観視し、想定外の事態でも臨機応変に思考を巡らせることができる本質的なコミュニケーション能力を持つ人材を求めているのです。

変わらないこと

自分自身を深く掘り下げる面接
理念への表面的な共感は不要

一方で、相手を深く理解するために面談のような形式を取るスタンスは昔から変わりません。最前線で活躍するコンサルタントが面接官を務め、学生の過去を深く掘り下げます。これはJACが日々お客さまである求職者のキャリアを一緒に棚卸しするプロセスそのもの。JACの選考は単なる見極めではなく、高度なコンサルティングの疑似体験の場であり、学生自身が入社後、自分がどんな社会人に成長できるのかをイメージするための機会でもあります。加えて、JACでは企業理念への表面的な共感は求めていません。私たちが重視するのは、「自分に矢印を向けられているか」です。自分の言葉で過去を振り返り、キャリアの軸を明確にした上で、なぜJACを選ぶのかを言語化してほしいと考えています。その力はどの業界・職種でも通用する普遍的なものであり、選考をその第一歩として捉えてほしいと思います。

市場が変化しても活躍できる人って?

正解のないビジネスの現場で
考えながら走れる人

コンサルタントの仕事には、「この人なら絶対に内定を獲得できる」「必ず入社を承諾してくれる」といった明確な正解というものは一切存在しません。実際に企業へ求職者をご紹介した後、面接でのフィードバックをもとに双方の認識を粘り強くすり合わせる必要があります。だからこそ、失敗を恐れることなく自ら果敢に提案し、その過程で柔軟に軌道修正を図る力が求められます。また、ただマニュアル通りにこなすのではなく、「自分自身はこの企業や求職者とどう深く向き合いたいのか」という意思を持ち続けることも重要です。自分の考えを大切にしながら、現場で試行錯誤を積み重ねて前に進める人こそが、変化の激しい人材マーケットでも力強く成長し続けられます。

変化に適応できずに伸び悩む人って?

正解を求めすぎて
最初の一歩を踏み出せない人

「十分な情報が集まるまで行動をためらってしまう人」や「完璧な正解が分からないと踏み出せない人」です。JACの仕事は、動いてみて初めて企業や求職者の本音が見え、そこから軌道修正をしていくことの連続です。考えすぎて行動が止まってしまえば、生きた情報が得られず、プロとしての価値を発揮できません。まずは仮説を持って打席に立ち、失敗から学ぼうとするスタンスが大切です。ただし、壁にぶつかった際に一人で抱え込む必要はありません。JACには入社前から配属後まで一貫してサポートする専門部署があり、加えて現場ではマネージャーや先輩社員が伴走します。困ったときに自ら発信する素直さと、周囲を巻き込む行動力があれば壁を乗り越えられる環境です。

採用数はどう変わった?
高まるニーズに対応するため、今後も採用を増やす方針です。事業環境の変化、働き方の多様化、求めるスキルの高度化などにより、企業の採用課題はますます複雑化しています。こうした中、企業と求職者双方と向き合い、採用課題の解決を支援するJACのコンサルティング型の転職支援が、これまで以上に求められています
学生が勘違いしがちなことは?
用意したエピソードを無理に回答へひも付けようとする学生が多く見受けられます。私たちが知りたいのは、面接用に整えられた美しい成功体験ではなく「なぜ頑張れたのか」というモチベーションの源泉や物事に向き合うスタンスです。また「理念への共感をアピールすれば評価される」という思い込みも一度手放して、自分自身を主語にして語ってください
Advice from HR

コンサルタントの仕事は、企業の経営課題や事業の成長戦略に対し、「こんな人材を採用した方が事業の成長につながる」「課題解決につながる」と人材戦略の観点で解決策を提案していくことです。だからこそ、日々のニュースから経済や社会がこの先どう変わっていくのかを考える習慣を大切にしてほしいと社員にも伝えています。学生のうちからできることがあるとすれば、できるだけ多様な価値観や経験に触れることです。OB・OG訪問やインターンシップなど、手段は何でも構いません。ビジネスの最前線で活躍する社会人と対話し、生きた情報をつかみ取りましょう。世の中の動きにアンテナを張り、未来を思考する習慣は、持続的な成長を実現し、今後のキャリアや人生をより良いものにする揺るぎない土台となるはずです。

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