AI時代、人事は学生の何を見ている?
新卒採用「変わったこと」「変わらないこと」
売り手市場に陰りが見え始めている今、選考の現場では、学生を見極める視点にどのような変化が生まれているのだろう。
その答えを求めて、採用現場を熟知する人事担当者に「新卒採用の変わったこと・変わらないこと」を聞いた。変化の時代でも活躍する人と伸び悩む人の違いは何か。そんな比較も交えながら企業が選考で重視するポイントを探ろう。
完璧さよりもアップデート力を求む
チームリーダー
時代の変化を前向きに捉え
自ら変化できる柔軟さを重視
AIの導入により、仕事の進め方は一変しています。ただ振り返れば、手書きの書類や電話が中心だった時代からメール、Web会議、そしてAIへと、ツールは常に変化してきました。この先、数年後、数十年後には、また別の大きな変化が訪れるはずです。だからこそ、今の時点で完璧なスキルを備えていることよりも、どんな変化も前向きに受け入れ、新しいツールや仕組みを使いこなしながら、自らをアップデートし続けられる力を一層重視するようになりました。選考では、過去の経験そのものよりも、経験から何を学び、それをもとに自分をどう変えたのかを知りたいと考えています。周囲からのフィードバックや環境の変化に合わせて、自らの行動にどう落とし込んでいくか。こうしたアップデート力を持つ人こそが、成長し続けることができ、どのような時代においても新たな価値を生み出し続けられます。
「文化の発展に貢献する」
社是と重なる価値観を大切に
村田製作所では、経営理念を示す社是を大切にしています。この社是は、単に形式的に掲げられているものではなく、社員一人一人の価値観や行動のよりどころとして、日々の仕事の中で息づいています。例えば、私たちは前例も正解もない問いに挑み、まだ世の中にない製品を生み出し続けることで、社会課題の解決に貢献したいと考えています。こうした姿勢は、社是にある「独自の製品を供給して文化の発展に貢献し」という一節に基づいたものなのです。今後どれほどAIが普及し、仕事の進め方が一変しようとも、選考では、社是を軸に自ら考え行動できる姿勢を重視することは変わりません。皆さんも就職活動を機に、大切にしたい価値観を言語化してみてください。そして、企業の理念と重なるかどうかを確かめてみてください。もし、それが村田製作所の社是と重なるようであれば、ぜひ村田製作所の仲間になっていただけるとうれしいです。
失敗を恐れずに挑戦し
成長の原動力へと変えられる人
失敗を恐れずに挑戦し、そこで得た学びを次の行動につなげられる人が大きく成長します。村田製作所では、「失敗を成功・成長の糧とする」風土を大切にしており、失敗事例と学びを共有するための社内イベントや「失敗学」という社内研修も実施されています。事象が発生した本質的な原因を考え、同じことが起こらないよう仕組みそのものを変えるためです。また、福井県に今年新設した研究開発拠点は、社員が失敗を恐れず、自由な発想で試作に挑戦できる場としてつくられました。私自身も就職活動時、採用担当者の「挑戦せずに成功するより、挑戦して失敗する方がいい」という言葉を受けて、入社した一人です。安心して挑戦できる環境へぜひ飛び込んでみてください。
失敗を恐れて自分から動くことをためらい
機会を逃す人
反対に伸び悩みやすいのは、「失敗を極端に避けようとする人」です。例えば新しい企画を任されたとき、情報を集め、あらゆるリスクを想定し、完成度を高めることはもちろん大切です。しかし、最初から完璧な答えを出そうとするあまり、検討に時間をかけすぎて提案が遅れてしまってはせっかくの機会を逃すかもしれません。ビジネスでは、実際に動いてみて初めて分かることも多くあります。自分なりの仮説を持って一歩踏み出し、周囲の意見を取り入れることで、一人では思いつかなかったアイデアが生まれ、想像を超える成果につながることもあります。最初から完璧を目指すのではなく、周囲と試行錯誤してより良い答えを作っていく。そこにチームで働く醍醐味があると思います。
現状に課題を感じたとき、「誰かが変えてくれる」と待つのではなく、「自分に何ができるか」と考える。この違いが未来を変える一歩になると思います。私自身、福利厚生を担当していた頃、多様な人が働きやすい環境について考える機会がありました。社内に不自由な思いをしている人がいるのなら、自分が変えよう。そう考え、誰もが使いやすいトイレの整備や性別によらない制服デザインへの変更、同性パートナーへの福利厚生の適用などを提案、実現していきました。その際、上司が「自分が責任を取るから、どんどんやっていこう」と背中を押してくれたことがとても心強かったです。村田製作所が取り組むことで、少しずつ社会が変わるかもしれない。そう信じて、これからも自分にできることから変えていきたいと思っています。


