2025/5/02 更新

ビジネスプロフェッショナルが解説

「真の企業力」を見抜く方法

会社の良しあしは「知名度」だけでは測れない。これから先も長く発展し続ける会社、急成長を遂げる可能性を秘めた伸びしろのある会社は、どうすれば見極められるのだろうか。企業経営、組織開発・採用のプロフェッショナルたちが、各社の事例を用いて「真の企業力」を見抜く方法を解説。インターンシップで確認すべきポイントも紹介する。

村田製作所
スマートフォンや自動車など、生活を支える製品の部品を手掛ける総合電子部品メーカー。セラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている。日本だけでなく世界シェアでもトップクラスで、海外売上比率90%以上を誇る
人材開発部
採用課
吉澤亮輔

企業が手掛ける事業の意義を捉えた上で
会社の目指す将来像や従業員の思いに注目しよう

  • 村田製作所
  • インターン
  • キャリア
  • 人事

私たち村田製作所(以下、ムラタ)は、文化の発展に貢献する企業。人々の生活に根付いたさまざまな製品にムラタの部品が使われています。例えばスマートフォンは、分解すると細かな多数の部品で構成されており、その中でムラタの生産している部品は1000個以上搭載されています。中でも、特に重要な役割を持つのが、積層セラミックコンデンサと呼ばれる部品です。ムラタは世界最小の積層セラミックコンデンサの製造を独自の技術で実現し、現代の高機能かつ軽量化されたスマートフォン開発の一翼を担っています。また、開発・生産・販売までを全て自社内で一貫して手掛けられるため、よりスムーズにワンストップで部品を届けることも可能です。これらの強みを武器に、現在国内外に合わせて150以上の拠点を展開し、海外売上比率は90%以上を占めています。まさに、日本の技術で世界の産業の発展を推進しているのです。

こうした世界進出の背景には、グローバルNo.1部品メーカーを目指すというビジョンがあります。このビジョンを実現するには、既存製品のシェア率や売り上げのさらなる向上はもちろん、ビジネスを通じた社会への貢献も重要です。そこでムラタは、持続可能な社会への転換を見据えた、サステナブルな社会の実現を推進。具体的には「環境」「ウェルネス」の二つの分野を挑戦領域とし、さまざまな取り組みを行っています。環境領域では、大規模なソーラーパネルと、蓄電池、制御ソフトを組み合わせたシステムを導入することで、工場の稼働を100%再生可能エネルギーで運用する施策を実施。地球環境に悪影響を及ぼさずに製造を行う体制を確立しました。社外的にも、自社のセンサ技術とIoT技術を組み合わせた新たなエネルギーマネジメントシステムの構築を行い、環境面を考慮した生産体制づくりに貢献しています。一方ウェルネス領域では、ダウンサイジング技術や通信技術などを活かして、医療・ヘルスケア機器の開発に挑戦。心拍変動で疲労とストレス度を瞬時に計測する疲労ストレス計や、無呼吸症候群の患者様の呼吸を補助する医療機器などを開発しています。これらにより、世界的に求められている、継続的な日々の健康を実現することに寄与しているのです。このようにムラタは、数字だけでは表せない、より良い社会を実現するという思いを込めて製品を開発しています。これまで磨いてきた技術力を活かし、新しい領域にチャレンジすることで、グローバルNo.1部品メーカーを目指します。

ボトムアップな社風と多岐にわたるキャリアパス
従業員一人一人の自律性が会社の成長にもつながる

文化の発展に貢献する数々のイノベーションを実現してきたムラタ。その背景には、年次やポジションを問わず意見を求められる、風通しの良さがあります。例えば、従業員と経営層の垣根を無くすために、役員自らワークショップ型研修を企画。従業員と役員が直接対話し、現場の意見を吸い上げたり、逆に役員が自身の経験談や将来のビジョンを伝えたりと、物理的な距離だけでなく心の距離も縮めることに寄与しました。他にもデータサイエンス部門では、マーケティング・ヘルスケア・新規事業などの各担当領域に分かれてプロジェクトを進める「ユニット制」を導入。各ユニットでは、若手従業員がユニットリーダーを務め、目標計画や方針策定、施策検討などの重要な役割を担っています。実際に入社2年目の従業員が、サービス力の向上を目指した施策を企画。生成AIを活用した業務改革をテーマに、アイデアの斬新さや技術の優秀さを競うハッカソンを開催することで、従業員の技術力向上と新たなシステム開発のきっかけを生み出しました。

またキャリアの観点では、若手からベテランまで多様な人材が活躍できる環境を整えています。ムラタでは、さまざまな専門性や経験を持った人材が活躍するために「複線型キャリアパス」を導入しており、チームを率いて成果を最大化するマネジメント職や、専門性を高めて技術研究・開発を進めていく専門職など多彩な進路を用意。これにより、最大限の力を発揮できるキャリアを自ら選択することができ、成長意欲や貢献意欲の向上につながっています。また、多様な知識や経験を得るためには、あらゆる環境に飛び込んでいく勇気も必要です。国や文化を越えて多種多様な人々とコミュニケーションを図る。そのために努力できる人がムラタには集まっています。その上で、ムラタの従業員に共通しているのは、自分たちの働きで文化の発展に貢献したいという思い。会社が掲げるビジョンに共感した従業員同士が関わり合うことで、新たなイノベーションが次々と生まれているのです。

就職活動においても、従業員と会社の目線がそろっているかに注目することで、企業力を見抜くことができます。そのために大事にしてほしいのは、インターンシップや会社説明会で、企業がどんなビジョンを持って事業を行っているか、従業員がどのようなモチベーションで活躍しているかを感じ取ること。企業側から一方的に提供される情報や課題だけで判断するのではなく、実際に会社に入社した自分をイメージしながら企業選びを行うことをおすすめします。

制作担当/向川巧真

ムラタのインターンシップは、実際にあったプロジェクトを疑似体験したり、第一線で活躍する従業員と交流したりと、多彩な経験を得られるのが特徴だ

インターンシップMUST DOリスト

  • 1

    会社の一員となって
    主体的に取り組む

    学生としてではなく、インターンシップ先の企業の一員として、ワークに取り組むことを意識してみてください。そうすることで、より事業内容や会社の風土に対する理解を深めることができると同時に、自分と会社のマッチ度も測ることができるはずです。

  • 2

    部署の垣根を越えて
    従業員と交流する

    インターンシップの構造上、ワークだけでは関われる従業員が限られてしまう場合があります。そんなときこそ、部署の垣根を越えて多くの従業員と交流してみてください。従業員それぞれが持つ視点や、共通の考え方などを学ぶことで、会社の色を知ることができます。

  • 3

    参加する目的を明確にして
    欲しい情報を取りにいく

    会社や事業に対する理解を深めたい、働く従業員の雰囲気を感じたい、働く環境について知りたいなど、明確な目的やテーマを持ってインターンシップに参加してください。企業ごとに欲しい情報を持ち帰ることで、理想的な会社選びに役立てられるでしょう。


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