2022/5/11 更新
先輩社員46人に聞きました!

仕事で視点が上がった瞬間

多様な仕事、働き方の選択肢が存在する今、納得感のある仕事人生を送るためには「やりがい」や「事業への共感」が欠かせない。では、各社で働く先輩社員はどのようにして「共感できる会社」を選び、働く意義を何だと捉え、その場所でどのような成長を遂げているのか。後悔のない職場選びを成功させるためのヒントを探る

コンチネンタル・オートモーティブ

グローバル自動車部品サプライヤーとして世界58カ国で事業展開するコンチネンタルの日本法人。総合サプライヤーとして、自動運転やコネクテッドカーなど、さまざまなモビリティに対応する幅広い技術領域を手掛ける

私の視点が上がった瞬間

自動車技術の安全性を実感し
社会的影響を意識した姿勢に変化

  • コンチネンタル・オートモーティブ
  • インターン
  • キャリア
  • 現場社員
Vehicle Dynamics R&D,
Function Development & Vehicle Integration Engineer
石田安理

大学・大学院時代の2度にわたり就職活動を経験。中央大学大学院理工学部都市環境学科卒業後、自動車業界に挑戦する。未来のモビリティ開発に取り組む同社で、電子制御ブレーキシステムの要求解析や設計などを担当

世界を舞台に先進的な技術を手掛けたいという軸で就職活動をしていた私は、大学院での専門分野に固執せず、さまざまな業界・企業のインターンシップや説明会に参加しました。特に重視したのは、自分が働いているイメージを持てるかどうかという点です。多くの企業と接点を持つ中で、社員のチャレンジに上司や先輩が協力してくれる企業風土が自分の志向とマッチすると感じました。コンチネンタル・オートモーティブに引かれたのも、やりたいと発信したことに対して、どうしたら実現できるかを一緒に考えてくれる、そんなカルチャーを感じたからです。自動運転や電気自動車などの先進技術に果敢に取り組む先輩の姿にも、魅了されたことを覚えています。

自動車業界での一歩を踏み出した私にとって、2年間にわたるJ.DRIVEという当社独自の育成プログラムの存在は大きいものでした。半年間の基礎トレーニングから始まり、無線操縦できるミニカーのプログラミング実習や自動車部品の製造工程の見学など、多種多様なコンテンツがあります。当時、部品の名称や機能すら知らなかったため、自動車構造の全体像を理解する手助けとなりました。

その後は、6カ月ごとに配属先をローテーションします。私は最初に先行開発の部署に配属され、バス型車両の自動走行実現プロジェクトに携わりました。自動走行バスの普及に向けた仕組みを学ぶため、モビリティ先進国のドイツへ出張し、日本帰国後は公道での走行を想定した実証実験に参加しました。入社1年目ながら濃密な時間を過ごした一方で、自分自身の課題も浮き彫りになります。先行開発は与えられた仕事があるわけではありません。自らやるべきことを設計する必要がありましたが、専門知識の土台が固まっていなかった私は苦戦を強いられました。

こうした背景から次の配属は、自動車知識を深められる既存製品の部署を希望しました。配属先は、横滑り防止装置/Electronic Stability Control (以下、ESC)という、タイヤの横滑りや空転を防ぐためのシステムを開発する部署です。この頃の私は、目の前の製品知識を学ぶことに考えが偏りがちで、手掛ける製品が人々に与える影響にまで考えが及びませんでした。しかし、凍結した路面にハンドルを取られ、ESCの制御機能に助けられた体験から、自社製品が人の命を守っていることを痛感しました。それ以降、私の仕事のゴールは先進的な製品を開発することではなく、製品の先にある安全・快適なモビリティ社会をつくることだと捉えるようになりました。

多様な選択肢に触れることで
就職活動の軸が研ぎ澄まされる

どのような場面で、誰に、いかなる影響を与えているかを想像して働くようになり、私の行動はより能動的に変化しました。その一つが、自社製品のテスト走行への参加を志願したことです。上司が社員の意欲に真摯に向き合ってくれる会社だからこそ、認可がなければ立ち入ることのできないテストコースへのアクセスを手配してくれたり、走行試験のための北海道出張を認めてくれたり。製品づくりの意義を体感する場を与えてもらったことにより、データ上の数値と実際の自動車の動きが合致していることを確認でき、仕事の価値はさらに明確になりました。

土木・建築を学んでいた大学院時代には、自動車業界でキャリアを歩む私の姿は想像できませんでした。こうした今があるのは、視野を広げて行った就職活動時の選択があってこそです。理想と合致する企業は、視野の外にあるかもしれません。多くの企業と接点を持つことで、どのような会社がフィットするかがよりクリアになり、企業選びの軸が固まるでしょう。


合わせて読みたいこの企業の記事