課題に対して「あるべき論」で仮説を立て、検証していく一般的なワークの進め方はSAPジャパンのインターンシップでは通用しません。たとえ提案内容の合理性や、実現可能性、採算性が高くても予定調和の答えは求めていないのです。むしろ全く逆。学生には消費者目線で自由な発想を大切にしてほしいと考えています。その理由は現在の事業方針にあります。
SAPジャパンではIoTやビッグデータ、AI、ブロックチェーンなどの最新のテクノロジーを活用し、ビジネス領域のデジタル変革を推進しています。変革のベースには、常に変化に対応する 「デザイン思考」を導入。これは企業の制限が及ばない顧客目線でサービスの代替案を創造する思考のフレームワークです。SAPジャパンはお客様はもちろん、お客様のお客様へのバリューの提供を最も大切にしています。だからこそ、デジタルネイティブである学生には 、デザイン思考を用いて柔軟な発想力を生かしてほしいのです。
今回のインターンシップは3日間を予定しており、企業の経営戦略策定等のテーマに沿って数人のチームでワークを進めていきます。初日はチームで情報収集を行い、分析から提案の方向性まで決定。最終日のプレゼンテーションに向けて、現場社員へのヒアリングやアドバイスを求める機会を用意しています。発表の場だけではなく、ワークをサポートする役割として実戦経験の豊富なシニアクラスの現場社員が参加予定です。また、デザイン思考を体感できるセッションも予定しています。
SAPジャパンのインターンシップでは参加者を否定するような厳しいフィードバックはありません。デジタル変革が進む現在、既存の価値観をもとにアイデアの良しあしを判断しないからです。コミュニケーション力にたけた人材や、研究者気質の人材など、さまざまな人材が持つ価値観や発想力を融合し、 化学変化を起こしてサービスを進化させていきたいのです。 2018年にはデザイン思考を用いたイノベーション部門を組織として確立。会社として戦略的に多彩な志向性を持つ人材が活躍できる土壌を整えています。
常識を打ち破る発想を大事にするとはいえ、当然ビジネスの課題や最終顧客のニーズとかけ離れたアイデアに価値はありません。しかし、現実のビジネスの課題は、資料や取材で簡単に把握できないもの。今回、年齢の離れたベテラン社員から、いかに情報を「聞き出す」ための準備を行い、積極性を発揮するかがとても重要になります。受け身では何も得られず、何も発想できない、というビジネスの厳しさを体感できるでしょう。
インターンシップの参加だけでスキルを身に付けることは難しいものです。全ての枠を取り払い、自由に意見し合う中で、自分が執着していた考え方や、新しい価値観を知れることが、何よりも今後の財産となります。自身の将来像に真正面から向き合うきっかけにしてください。