コニカミノルタ株式会社2021/4/01 更新
自らが先駆者に。
積極的に発言や行動をし
確固たる意思で取り組む
コニカミノルタ
1873年の創業以来、培ってきた材料・光学・微細加工・画像の4つの技術をもとに多彩な事業を展開。世界中で4万人の社員が在籍し、約200万社と取引。ビジネス変革をリードする「課題提起型デジタルカンパニー」を目指す
開発イノベーションセンター
開発企画部
大学時代は応用物理学を専攻。2011年にコニカミノルタ入社。複合機の設計に携わったのち、自らが立ち上げた新規事業をリードする。現在はプロジェクトマネージャーとして活躍。技術を用いた社会問題の解決に挑戦している
世の中に影響を与えられるものづくりがしたい。漠然と考えていた私は、大学で応用物理学を専攻しました。メーカーを中心に就職活動を進めていく中で、コニカミノルタに興味を持ったのはOB訪問でのこと。お会いした方はコニカミノルタの社員としてではなく、一人のビジネスパーソンとして私の相談に乗ってくれたのです。こうした人の温かさに引かれ、選考に進むことを決意しました。
コニカミノルタでは、大学で学んだことがそのまま活かせる複合機の分野に携わりたいと思いました。複合機はまさに物理技術の集合体とも言える機器なのです。希望通りに、複合機を扱う部署への配属が決定し、熱ローラーの温度や形状の設計を担当しました。コピー機の仕組みは複雑で、紙に電子の力でトナーを付着させ、熱ローラーを用いて色の定着を図り、印刷が行われます。
入社6年目で参加した研修が私にとって大きなターニングポイントとなりました。日本はものづくりの歴史が長く、優れた技術を有しますが、技術をビジネス化するのが不得意だと言われています。それを解決するために東京大学が主催する研修に参加しました。複数の企業や大学から技術者が集まり、半年間の研修を通じてビジネスを形づくるというものです。コニカミノルタからは3人が参加。私は他社から参加している方とチームとなって取り組みました。
テクノロジーでビジネスを創造
研修から生まれた新規事業
着目したのは、法定以上の荷を積む車両が道路に負荷をかけ、破損させているという社会課題。非接触で車両の積載量を測り、過積載を未然に防ぐことを考えました。
本業と並行しながらの技術研究は時間に制約がある中で進めていましたね。早朝や終業後の時間で行っていたのですが、不思議と苦には感じませんでした。私を突き動かしていたのは、研修の最終ゴールとなるシリコンバレーでのビジネスピッチに参加したいという思い。全30チームの中からその権利が与えられるのは、上位チームだけだったのです。
必死に研究を重ね、たどり着いたのは、コニカミノルタが有する画像解析技術を用いた「過積載車両検知システム」。カメラでタイヤを撮影し、へこみ度合いを解析することで車重を測るものです。シリコンバレーに挑戦する権利も無事に得られ、プレゼンテーションに挑みました。今でも鮮明に思い返されるのは、投資家たちの反応や、「いいね。製品化してみよう」という前向きな言葉です。
研修終了から6カ月後のこと、過積載車両検知システムは正式に新規事業としてプロジェクト化されました。発足当初、私一人だけの部署ではありましたが、予算をつけてもらえたことには驚きましたね。こうした社員のアイデアがプロジェクト化されることは前例がなく、試行錯誤の連続でした。今では「NEXT(ネクスト)」という新規事業立案の制度が整備され、会社全体として新しいことへチャレンジしようとする風土が芽生えています。
10年間のキャリアを振り返ると、能動的な行動が道を切り開いてきたと言えます。研修への参加も自ら手を挙げましたし、社内の技術コンペという初の試みを実践しました。コニカミノルタは技術力に長けた人材が集まるスペシャリスト集団。不足していたデータサイエンス技術を補うため、データ分析を全社へ依頼したところ、なんと60名が協力に名乗りを上げてくれました。
今後目指すのはもちろん、事業を成功させること。まだまだ解決すべき技術課題はありますが、未完成の今でも、利用したいというニーズがお客さまから寄せられます。10名のチームメンバーと共に、しっかりと製品化させたいですね。
一人一人の違いを力に!
多様な人財が新しい価値を生む
2010年度から女性活躍推進を加速させ、17年度に「違いを力に!推進室」を設置。個人の違いを尊重し活躍できる組織風土づくりを進めている。20年度は組織風土醸成のためのリーダーワークショップ、社内リケジ ョネットワークの立ち上げ、グローバル女性リーダーによるオンラインパネルディスカッションなどを展開