2020/11/1 更新 コニカミノルタ株式会社

先端テックカンパニーとして変革と挑戦により新時代を先導する

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国内リーディングカンパニーの経営者たちに聞く “ 伸びる会社”の条件
世界経済に甚大な影響を与えたコロナショック。ビジネス環境が劇的に変化する中で、これからも“伸びる”会社は何が違うのか。各社のアフターコロナにおけるビジョンを知り、企業理解を深めよう

執行役 IoTサービスPF開発統括部、
画像IoTソリューション事業部、
映像ソリューション事業部 担当
江口俊哉氏
1989年、コニカ株式会社に入社。写真印刷機器、情報機器などのシステムLSI開発やデジタルカメラ、医療機器のシステム設計に従事。ミノルタ株式会社と経営統合後、2010年にはシステム技術研究所アーキテクチャ開発室長として、デジタル複合機のシステムアーキテクチャ開発に携わる。新規事業領域の先端技術を担うシステム技術開発センター長、IoTサービスPF開発統括部長を経て、17年に執行役、20年より現職。IoTビジネスの創出に向けた戦略的取り組みを推し進めている

ここ数年、複雑で不確実な時代と言われてきましたが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、未来はさらに予測不能になりました。これほど短期間で世界中の人々の意識や行動が劇的に変わるなど、誰も想像しなかったことでしょう。だからといって、そこでぼうぜんと立ち尽くすのか、未来を見据えて自らを変えていくのか。不透明な時代にこそ企業が成長を続けていくためには、何よりも「変化への対応力」が必要だと考えます。
もちろんコニカミノルタも、例外ではありません。新しい社会に必要とされる商品やサービスを見極め、変化に対応していち早く価値を提供していかなくては、生き残ることさえ難しいでしょう。しかし、われわれの強みは、変化することに抵抗がないということ。特にこの10数年は、立ち止まることなく変革を推し進めてきた日々だったと言えます。
大きなターニングポイントとなったのは2007年。コニカミノルタは100年以上の歴史を持つカメラ事業・フォト事業からの撤退を決断しました。時代を先読みし、当時3000億円規模を誇る創業事業を手放したのです。以来、得意の画像技術を生かしながら、複写機などのオフィス向け情報機器をはじめ、産業用の印刷機や光学機器、医療用画像診断システムなどのヘルスケア分野と、新しい領域を切り開いてきました。指示を待つのではなく、現場の社員一人一人が自ら考え、自律的に動いていくベンチャー的な気質は、こうした経験から培われたものです。海外展開も加速し、異文化を受け入れ、融合を図る風土も育っています。
その特性は、今回のコロナ禍においても存分に発揮されました。中国で新型ウイルスの感染が始まったと聞くや否や、生産担当のリーダーが自らの判断でいち早く現地に赴き、対応を協議。早期に手を打ったことが功を奏し、その後の感染拡大期でも生産体制への影響を最小限にとどめ、事業を継続できました。
また、感染拡大防止のため、サーマルカメラを使った検温システムの短期開発に成功。スピード感を持って世界に届けたいという強い思いから、開発者はわずか10日でサンプル版を作り上げ、グローバルで連携し、国内外で一斉に展開を図りました。

変革の担い手となる個の挑戦をたたえる風土が成長を後押し



見えないウイルスとの戦いの中、人と人とが集まることが難しくなり、コミュニケーションの方法も、働き方や業務の進め方も一変しています。オフィスで働く人を助けてきたわれわれのビジネスにも大きな影響があることは確かですが、実は私たちはコロナ以前から未来を見据えて大胆な変革を進めてきました。
近年では、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)に対応して、AIやIoTなどのデジタルテクノロジーを取り入れた「画像IoT」サービスを提供。工場での検査やプラントの安全監視、介護現場における高齢者の見守り、店舗の顧客行動分析など、これまでは人間の視覚に頼っていた作業を、最新の技術に置き換えることで、業務の効率化や労働力不足という社会課題の解決に貢献しています。
お客さまに寄り添い、単にモノを売るのではなく、ソリューションを提供する。私たちが目指しているのは「課題提起型のデジタルカンパニー」です。ニューノーマル時代に入り、その動きをさらに加速していこうとしています。そのために、今日も多くの社員がそれぞれのお客さまのもとに足を運び、新たなソリューションをどんどん開発しています。
われわれは創業から147年間、画像を中心とした高度なテクノロジーを磨き上げてきた会社です。しかし、当社の技術者は研究室にこもって黙々と専門技術を追求しているわけではありません。大事にしているのは「B to B to P」という考え方。最後のPは、パーソンを表しており、実際に人々が働く現場に入って現状分析、課題抽出を行い、解決策の提案までを一貫して行っています。お客さま自身が気付いていない本質的な課題を発見することも少なくありません。
お客さまと共に試行錯誤しながら課題解決に取り組む中で、自分たちの強みとする画像技術が目に見えるかたちで世の中の役に立っていることが分かる。そんな醍醐味を感じたい人には、コニカミノルタは最適なステージだと言えるでしょう。
会社としても、社員の新たな挑戦を支援する環境を整えています。教育研修では、リアルな現場への技術適応を意識した実践的なプログラムを用意しています。先のサーマルカメラを使った検温システムの開発も、このプログラムの修了生が中心となって開発したものです。
新入社員についても、机上だけではなく実務を重視。早い段階から顧客現場での多種多様なソリューション開発に携わります。
若手社員の海外派遣にも注力し、現在100名強を各国に派遣。新規事業の立ち上げや市場開拓に取り組んでいます。
また、挑戦をたたえる制度もあります。思い切ったチャレンジをした社員に、役員推薦で一律10万円の褒賞金を授与し、全社でその取り組みを共有するというものです。
企業として成長を続けるために、私たちは変わることを恐れません。そしてその変革の担い手は、自律的に行動する一人一人の社員です。挑戦心あふれる仲間と共に、より良い未来を切り開いていきたいと思っています。

伸びる会社の条件とは?

1.素早く柔軟に変革を推進できる経営力がある

2.社員一人一人が自発的に考え、行動できる風土

3.文化の違いや国境を超えた連携を後押し

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