私たちのチームは、LINEの機能を最大限に活用し、企業と個人ユーザーのコミュニケーションをもっと豊かにすることを目指しています。
手掛けているサービスは、『LINE@』や『LINE公式アカウント』などの企業がLINEを通してユーザーとコミュニケーションができるプロダクト。もう一つは、タイムラインやニュースメディアを通してユーザーに最適な情報を届けることができる広告プラットフォームです。
最近では、Bluetoothの技術を活用して、アパレルショップを訪れた時にLINEでお得なキャンペーンの通知が受け取れたり、自動販売機でLINEを通して飲料が購入できるなど、スマートフォンの世界から飛び出して、企業とユーザーにリアルな接点を創出する機能もリリースしました。
サービスと人、店舗と人、モノと人のコミュニケーションにLINEを用いることで、企業がユーザー一人一人との距離を縮めていくことができるようなプロダクト作りを日々行っています。
LINEは日本のみならず、台湾、タイ、インドネシアなどでも大きなシェアがあります。現在も入社3年目の社員が台湾に足を運び、2017年から実施している台北MRT(地下鉄)に『LINE Beacon』を導入する先進的な取り組みを現地メンバーと一緒に進めているところです。ユーザーのロケーションに合わせて最適な情報を提供可能にするプラットフォームになるのではないかと期待されています。
他にも、今年3月に発表した『通知メッセージ』と呼ばれる、搭乗券や公共料金の通知をユーザー配信するサービスも2年目の社員が担当しました。こちらも従来の紙やメールベースのコミュニケーションからLINEに移行することで、ユーザーの利便性向上や経費削減に貢献できるのではないかと考えています。
このように、当社ではたくさんの若手が活躍しています。フラットな社風であることはもちろんですが、次々と新しい技術やサービスが生まれる変化の激しい世界では、直面したことのない課題にぶつかることも多く、経験以上に適応能力や学習力が重視されます。そういう意味で年次や立場に関係なく活躍できるチャンスがこの会社にはあり、それが多くの若手の活躍につながっている理由の一つなのかなと思います。
個人同士をつなぐプラットフォームとして国内外に定着した結果、LINEのビジネス活用に関する問い合わせや事例も年々増えています。
企業から一方通行で情報発信をするマーケティングツールとしてだけでなく、企業と個人ユーザーのコミュニケーションを意識した事例も多く出てきました。
チャット型のプラットフォームが持つ、良い意味での「ゆるさ」やユーザーがリアクションを返しやすいUIは、「人間味のある双方向のコミュニケーション」に適しており、その特性の活用度に応じて、企業がユーザーとの友達関係(エンゲージメント)を高められることも数字として見えてきています。ユーザーが何かを知りたいと思ったとき、友達に聞くかのように企業のLINEアカウントにメッセージで質問を送ることが当たり前になる時代が訪れるかもしれません。
既に、大手アパレルショップや人材サービスのアカウントでは、LINEの中で対話するように欲しい服を探す、バイトを探す、といったコミュニケーションが生まれています。
昨年は、機械学習を活用した自動応答技術と人力応答を組み合わせて、LINEで気軽に相談できる『LINE カスタマーコネクト』という商品も発表しました。こちらは大手家電メーカーなど多くの企業で利用されており、LINEで寄せられるユーザーからの問い合わせに対し、約半分が自動で返答ができるようになってきました。旧来のカスタマーサポートで行っているメール方式ではお礼を言われることも少ないですが、チャット形式だからこそ気軽に感謝の言葉やスタンプをもらえることが増えたという声もあります。
このように、ただの販促ツールとしてのLINEではなく、購買、予約、検索、カスタマーサポートなど、さまざまな領域での活用が可能です。メールや電話ではなかなか成立しなかったフランクかつ機能的な対話が、チャットプラットフォームだからこそ実現できています。
実際にプロダクトの仕様を検討する際は、FacebookやWeChatといったプレーヤーを意識することも多く、グローバルで起きている技術革新や日々ローンチされている新プロダクトには常に目を向けています。一方で、そういったグローバル企業と競争するだけでなく、協業するシーンも少なくありません。国内外の第一線を走るプレーヤーたちと同じ視座で働くことができるのは刺激になります。
また、各国からのニーズに応えるためにも、タイや台湾など各国の文化や商流を学び、現地メンバーと議論しながらグローバルで利用されるサービスを考えていくプロセスはとても楽しく、貴重な経験だと感じています。出張してきたメンバーと行う夕食会では、日本語・英語・韓国語・タイ語・中国語などが入り乱れるのですが、若干カオスな光景も当社ならではだと思います(笑)。
LINEの利用規模が拡大したからこそ、新しい機能をリリースすれば、世の中からのフィードバックがすぐさま得られるようになりました。良い時もそうでない時も、その機能が本当に活用されているのかどうか、評価が瞬時に分かります。社会にとって大きなインパクトのあるサービスを生み出しているやりがいや責任を実感できる瞬間です。
これからも、企業と個人ユーザーのコミュニケーションを変革するサービスを生み出す、プロフェッショナルなプロダクトマネジャー組織として、トライ&エラーをいとわずに、チームの皆でわくわくしながら新しい取り組みを続けていきたいですね。
取材・文/森川直樹 撮影/小林 正(スポック)