リーディングカンパニー37社の人事に聞く
学生が知らない成長企業の真実
就職活動に臨むにあたって、企業研究を行う学生は多いだろう。その時に気になるポイントの一つが、会社の成長性だ。では、会社の成長とは何か。その成長を支えるものとは何なのか。そして、成長企業に新卒入社し、働く醍醐味とは……? 国内リーディングカンパニー37社の人事・採用担当者に、各社の事例で“成長企業の真実”を聞いた。
※この記事は特別冊子「インターンシップ・ラボ2021」のweb転載です
本田技研工業(Honda)
世界中のお客さまに「移動の喜び」をお届けする総合モビリティメーカーとして、独自の技術でモビリティ社会の発展に貢献。二輪車、四輪車などの製品・サービスを提供している
「The Power of Dreams」を原動力に、世の中に新たな価値を創造する本田技研工業(以下、Honda)。「世のため人のため、自分たちが何かできることはないか」という創業者本田宗一郎の言葉を胸に、私たちが持つ技術力によって、社会をより豊かにするための挑戦を続けています。
事業の原点である二輪は、全世界で年間販売台数約2000万台を数え、世界シェア1位を獲得。同じく主力事業の四輪は全世界で年間約500万台を販売し、国内シェアは2位を誇ります。また、環境に優しい新型電気自動車『Honda e』の開発・販売を行うなど先進技術の開発にも注力。他にも高速道路渋滞時など一定の条件下で、ドライバーに代わりシステムが運転できる、自動運転レベル3の実用化を世界で初めて承認され、自動運転装置搭載の新型『レジェンド』をいち早く販売しています。これらのトピックスはメディアでも頻繁に取り上げられているため、Hondaといえば、バイク、車のイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。
しかし実は、私たちはこれ以外にも多角的な事業展開を行っています。人間社会に新しい価値をもたらす二足歩行ロボット『ASIMO』や、人と環境に優しい『船外機』などの研究・開発をはじめ、農業従事者の方々を「技術で幸せにしたい」という思いから始まった耕運機、芝刈り機などを提供するライフクリエーション事業。これらの多角的な事業展開は、一見すると統一性に欠けていると思われるかもしれませんが、主力事業の二輪や四輪と同じく、世のため人のために力になりたいという思いから始まっています。
世のため人のためにという思いと同様に大切にしているのが、社員の夢、思いをかなえること。例えば30年以上を研究開発に費やし、2015年に製品化した『Honda Jet』は、「空を飛ぶ乗り物をつくりたい」という、創業当時からのHondaの夢でした。ノウハウがない中で技術を磨き、絶対に夢をかなえてみせるという不屈の精神を貫き成功した、まさに「The Power of Dreams」を体現した事業です。
夢や思いを大切にしているからこそ、製品開発においても利益優先ではなく、独自性や先端性にこだわります。このHonda JetにもHondaが世界で初めて実現した独自の技術を搭載。従来、業界ではジェット機のエンジンは胴体部に付けることが当たり前でした。しかし、私たちのものづくりの基本思想である「マン・マキシマム/メカ・ミニマム(人のためのスペースは最大に、メカニズムは最小に)」をジェット機においても体現するために、人が使う空間を広くした、より快適な機体設計を諦めませんでした。トライアンドエラーを繰り返し、エンジンを主翼の上に付けるという、業界の常識を覆す新しいジェット機の開発に成功。他社機に比べて3割ほど広いキャビンによる快適さと、優れた性能を併せ持つこだわりを貫いた製品は、多くの方に愛され、小型ジェット機カテゴリーにおいて4年連続で世界1位のデリバリー数を獲得しています。