最新テクノロジーによる監査のDXで
企業経営の質とスピードに革新を
統轄事業部
テクニカル・ディレクター/米国公認会計士
2001年朝日監査法人(現あずさ監査法人)入所。グローバルに展開する企業に向けたIFRS®会計基準に基づく監査業務などに従事。18年よりDigital Innovation事業部のDX推進リードマネジャーに抜てきされ、監査のデジタル戦略における企画・推進を行う
近年、経営戦略にDXを掲げ、データドリブンな意思決定や業務効率化を推進する企業が増えています。しかし、私たちあずさ監査法人が密接に関わる企業の財務、経理などのコーポレート部門におけるDXはまだその十分な効果を発揮するレベルに達していない状態です。現に、KPMGが行った『CFO(最高財務責任者)サーベイ2023』では、多くのCFOが財務、経理領域のDXにおいて課題を感じています。今日のCFOは従来のような財務戦略だけではなく、投資判断やリスクマネジメント、サステナビリティー経営の実現に向けたポートフォリオの最適化など、迅速に対応すべき検討事項が多岐にわたります。CFOは経営者であるCEOのパートナーとして大局的な視点を持つ必要があり、そのためにDXによる財務データの可視化が急務となっているのです。企業の「心臓」である経営に資するのは、あずさ監査法人にとって最大のミッション。だからこそ、私たちはテクノロジーを活用した監査のDX、『AX for Trust®』を推進し、企業が変化の激しい時代を生き抜けるような「付加価値のある洞察」を与えられる存在を目指しています。AXとは監査(Audit)とDXを組み合わせた名称で、社会や企業の期待に応え信頼を獲得するために、テクノロジーを最大限活用して監査に変革を起こそうという考え方です。
この取り組みは、あずさ監査法人が昨今のテクノロジー時代に応えるべく「Digital Innovation部」として体制を拡充した19年からスタートしています。Digital Innovation部はKPMGジャパンのデジタルプラットフォームの開発や、企業のDX支援を事業として行うKPMG Ignition Tokyoと連携しながら、デジタルソリューションの開発やAIを利用した監査の高度化を推進しています。
例えば、子会社リスクスコアリング。子会社の財務データを多面的な切り口で全量分析し、リスクをスコア化。不正の兆候や異常な動きを特定する分析です。海外の支社や子会社を複数持つ企業が、目が届きにくい子会社のリスクを一元管理でき、ガバナンスの強化につながります。また、過去の不正事例のデータを基に、機械学習を用いて深刻な事態を回避できる分析にも活用しています。今までの監査は会計士の経験や判断によることが多く属人的な側面もありましたが、監査DXにより監査品質の向上、効率化に寄与した点は大きな成果でしょう。
「あずさ監査法人にお願いしてよかった」
顧客と共に伴走し喜びを体感できる
クライアントが私たちに求めるのは「圧倒的な専門知識」と「信頼」です。あずさ監査法人が目指しているのは「The Clear Choice」。高品質なサービスを提供し、社会やクライアントから常に選んでいただける存在であることです。クライアントの声を吸い上げ、スピーディーにデジタル化を進めて信頼を獲得することは、DXを担うコンサルタントのやりがいにつながるはずです。また、DXが企業に与えるインパクトは非常に大きく、年間数万時間の削減やリソースの創出に貢献します。クライアントと討議を重ねて課題やニーズに応え、DXによる高度化・効率化の感動を共に味わえるのは、あずさ監査法人のコンサルティングならではです。
Digital Innovation部は23年、IT監査部と統合し、Digital Innovation & Assurance統轄事業部として新たなスタートを切りました。最新技術を駆使し、従前以上にスピード感をもって従来の倍以上の成果を発揮したいと思っています。そのために必要なのは「新しい価値観を持った人材」です。私たちの部署では、コンサルタントの他にデータアナリストやデータサイエンティストなど、あらゆる専門領域のスペシャリストが自由闊達に意見を交換し、システム開発に取り組んでいます。
常に変化し続けるのが私たちの強み。変革や挑戦を楽しめるフィールドで、集合知で成果を発揮したい。そんな思いをお持ちの方と、一緒に未来をつくっていきたいですね。
マイクロソフトとの共同プロジェクト
AIによる監査プラットフォームを確立
あずさ監査法人がメンバーファームとして所属するKPMGは、2023年にマイクロソフトとグローバル提携関係を大幅に拡大し、マイクロソフトのクラウドやOpenAI Serviceの活用を加速。KPMGのスマート監査プラットフォーム『KPMG Clara』にマイクロソフトのデータ解析、AI、『Azure Cognitive Services』を融合させ、年間数十万件の監査に従事するプロフェッショナルの業務効率化を図る。また、近年企業の経営に密接に関わる「ESG(環境・社会・ガバナンス)」においても、気候データの管理や解析で顧客が必要なデータを利用して意思決定を行い、サステナビリティーに注力できるよう支援。未来を見据え、持続可能な成長を実現するスキーム作りを目指す
クラウド技術の活用により、従来以上のスピーディーなデータ分析が可能に。課題解決に向けた思考時間の創出に貢献