2019/10/25 更新 コンサルタントの仕事と成長は各社でどう違う? プロジェクト事例で知る コンサル業界

【富士通総研】自治体経営のノウハウ×調査・研究 強みのシナジーで「日本初」に挑む

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コンサルタントの仕事と成長は各社でどう違う?
プロジェクト事例で知るコンサル業界
コンサルティングファーム各社の違いを、プロジェクト事例を基に紐解き、紹介していく本企画。20代の若手コンサルタントが挑戦できる仕事とは? そこで得られる成長とは──? 自分にぴったりの企業を探してみよう。

行政経営グループ
マネジングコンサルタント
兼 経済研究所主任研究員
若生幸也氏
わかお・たつや/東北大学公共政策大学院修了後、2008年4月に富士通総研に入社。行政経営グループマネジングコンサルタントとして、自治体経営確立支援や国の政策評価制度・規制改革の受託調査に従事し、さまざまな分野で実績を築く。現在は、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員・北海道大学公共政策大学院研究員など、大学研究員を兼務しながら、国や日本全国の自治体支援を担当。著書に『自治体経営リスクと政策再生』『指定管理者制度 問題解決ハンドブック』(東洋経済) など

代表的なプロジェクト

某メーカーの業務を効率化
研究リソースの増大に貢献

大手電機メーカーさま向けに、特許調査業務の効率化を目的としたコンサルティングを実施。専門知識が必要とされ、属人化していた調査業務をサポートする、特許検索システムを稼働させた。従来の手法と比較して手法の簡略化、高精度での検索を実現でき、研究リソースの増大に貢献

国の規制の政策評価見直し
数年間の海外調査を実施

政策評価などの調査研究はシンクタンクならではの仕事。制度導入から10年ぶりに総務省による規制の政策評価を具体的に見直すため、英国やEU、豪州、カナダなど海外調査を実施し制度見直しを支援。シンクタンクならではの調査・研究の実績を生かしプロジェクトを遂行した

自治体経営のノウハウ×調査・研究 強みのシナジーで「日本初」に挑む

日本の代表的な総合電機メーカー富士通グループ唯一のシンクタンクとして、行政機関や企業を支えているのが富士通総研です。

コンサルティングにとどまらず、調査・研究も行う組織をシンクタンクと呼びますが、最新の技法とICTを駆使した「研究開発」と、社会・経済・産業の動向を見て政策提言を行う「経済研究」の基盤を生かしたコンサルティングを行えるのは、富士通総研の大きな特徴の一つです。当社が強みを持っているのは、「AI×経営工学」を核としたビジネスサイエンスやBCP(事業継続計画)などの社会・組織のリスクマネジメントを手掛けるビジネスレジリエンスの分野ですが、もう一つの強みが行政経営に関するノウハウの深さです。

実際、当社に依頼される案件は、調査・研究を活用し、自治体や国の施策に「経営」という概念を組み込んでいくものが多くあります。実施した政策の第三者評価や、行政の持続可能性を確保するための官民の担い手のあり方検討など、行政において「経営」的な考え方を組み込み、支援を行います。

最近私が手掛けている取り組みでいうと、『兵庫県尼崎市のCOO(最高外部委託責任者)補佐運営支援』というプロジェクトが挙げられます。自治体は、さまざまな民間企業に業務を委託していることが多いのですが、うまくコントロールできなかったりコストが跳ね上がったり……という課題が、全国的に問題視されていました。そこに切り込み、ガバナンスを確立することを指向したのが尼崎市です。評価支援のノウハウを持つ当社がCOO補佐として運用支援に入り、日本初のモデルケースをつくり上げようとしています。

全国的にも注目される規制改革や規制の政策評価などのご相談も多くあります。例えば、「高速道路の速度制限を上げましょう」という話があった場合、費用を便益が上回れば規制を敷いていくのですが、その際に必要不可欠となるのが調査・分析に基づいた的確な数値を算出すること。日本は欧米と比較すると、政府全体の評価機能が弱いため、深い知見を持っている当社にお声掛けいただくことが多いのです。長年築き上げてきた調査・分析での実績に加え、自治体経営の深いノウハウがあるからこそ、日本初の試みも起動することができるのだと思います。

また、シンクタンクの特性上、メディアでの発表機会も多いため、若手でも「富士通総研の○○さんの意見が欲しい」と、行政機関や経団連・日本商工会議所といった経済団体などから指名されることも多々あります。これもまた、シンクタンクとコンサルティングファームそれぞれの側面を併せ持つ当社で働く醍醐味でしょう。

早期から活躍できるフィールドを 少数精鋭だから大切に育てる



一般的なシンクタンクでは、それぞれの分野に突出したスペシャリストがいる「専門特化型」のスタイルが多いですが、少数精鋭の組織である当社では、一人が幅広い案件に取り組むスタイルを取っています。1年目から4~5個のプロジェクトに携わり、プロジェクトの中核で経験を積むことができ、2~3年目から提案書を書いて受注活動に携わります。

一般的なコンサルティングファームですと、マネージャークラス以上が案件を獲得するイメージがあると思いますが、当社では、若手のうちに受注から一貫して手掛ける経験を大切にしています。コンサルティングの理解が深くなければ受注はできません。だからこそ、早期に受注活動から一貫して手掛けることで、努力を積み重ねれば業界でもトップクラスの市場価値を早くに得ることができるのです。

当社がここまで若手の成長にこだわるのは、少数精鋭の日系企業であるということが大きいでしょう。300名規模の当社にとっては、一人一人が財産です。だからこそ、手厚いサポートのもと、大切に育てていくカルチャーが根付いています。

当社に寄せられるご相談は千差万別。国内随一のナレッジを持つシンクタンクでしかできない案件や、国内でまだ事例がないミッションに挑むチャンスもあるでしょう。刺激的なフィールドで、早期成長を目指したい方を、お待ちしています。



Interview Report

日系シンクタンク/コンサルティングファームだからこそ、年次を問わず腰を据えて挑戦できる環境が用意されている

企業のコンサルティングと行政の戦略支援、二つの顔を併せ持つ歴史あるシンクタンクである富士通総研。取材を通して感じ取れたのは、少数精鋭の日系企業ならではの温かいカルチャーだ。一般的にはシニアマネージャーが手掛ける提案活動を、入社2~3年目から経験させるのも、早期から市場価値を高めていきたいという同社の強い思いの表れ。少数精鋭だからこそ、一人一人を大切に育てたいという同社であれば、早期にプロフェッショナルへの一歩を踏み出すことができるだろうと感じた

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