2018/11/28 更新 変化の時代の「普遍」を考える 名リーダーたちの人生哲学

【柳井正氏】人生は有限。そんな当たり前のことに気付くだけで、生き方が一変する

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変化の時代の「普遍」を考える
名リーダーたちの人生哲学
激動の時代─。これまでの常識をアップデートし、人生のグランドデザインを見直すべき時が到来している。しかし、世の中の変化に“流されてしまう”リスクも忘れてはいけない。そこで、時代を代表する名リーダーたちに、「変化の時代」をたくましく生き抜くための「普遍」について聞いた。私たちが見失ってはいけないものとは─。

株式会社 ファーストリテイリング 代表取締役会長兼社長 柳井 正氏

1972年、父親の経営する小郡商事に入社 後、84年にカジュアルウェアの小売店『ユ ニクロ』の第一号店を広島市に出店。91 年、社名をファーストリテイリングに変 更。99年、東証一部上場、グローバル企 業へと成長を続ける

自分はどうありたいのか。まずはゴールを設定する

これからの時代、もう先のことなんて予測不可能。では、そんな変化の激しい時代を生き抜くために必要なものは何なのか。私は、今こそ「普遍的な能力」の重要性が問われるのではないかと考えています。

例えば、その一つが「考える力」です。何が起きるか分からないからこそ、何が起きてもいいように、自分の頭の中でシミュレーションをする。これは、非常に重要なことです。教科書通りにしか対応できない人間は、あっという間に社会から必要とされなくなります。極めて普遍的ですが、だからこそ、いかに時代が移り変わろうとも「考える力」が不要になることはありません。

また、「言語化する力」も重要なスキルの一つです。社会に出れば、自分の考えを相手に伝えなければいけない場面がたくさんある。そのとき、どれだけ正確に自分の意見を言葉にできるかで、受け取る側の印象が変わってきます。

では、どうやって「考える力」や「言語化する力」を鍛えるのか。私は、やはり本を読むことをお勧めしたいですね。本を読めば、ボキャブラリーや文章表現といった「言語化する力」が磨かれることは言うまでもありません。また、本にはたくさんの気付きがあります。私が特に好んで読んでいるのは、経営者の伝記です。なぜかと言うと、そこには先人の考えや体験が凝縮されているんですね。ある事態に対峙したとき、その人はどんな決断をしたのか。一冊の本から学ぶことはたくさんある。そして、そのときは必ず自分の考えと照らし合わせるのです。例えば、筆者はAという意思決定をしたけれど、自分ならばBを選択するかもしれない。そうやって他者の思想や経験を砥石にして、自分の「考える力」を磨けるのは、本を読む者だけの偉大な収穫です。

そして、私が若い方たちに最も強く伝えたいのは、ビジネスを通じて自分がどのように社会に貢献していきたいのか、「自分の最終ゴールを設定する力」を持ってほしいということです。ゴールを決めずに右往左往していても徒労でしかない。私自身、若い頃から一生懸命働いていましたが、なかなか成果の上がらない時期がありました。それは、結局自分がどうなりたいのか、ゴール地点を決めていなかったから。目標をしっかり定めて、そこに辿り着くまでに必要なプロセスを逆算してルートを決めるのと、ただ漫然と突き進むのでは、同じ努力でも身に付くものが全く違います。

けれど、そうは言っても往々にして人は自分のゴール地点を決められません。なぜなら、若い頃は皆自分の人生を無限だと思っているから。だから、つい人生を空費してしまう。でも人生は無限なんかではありません。平等に、有限です。

私も経営に関する本を何冊か出させていただいていますが、多くの人があれを読んで満足するところで終わっている。誰も実行しないんです。それはきっと自分の人生は無限だと思っているから。よく覚えていてください。人の持っている時間には限りがある。そして、その終末がいつ来るかなんて誰にも分からないのです。だから、勉強ばかりしていても仕方ない。当事者となって、ちゃんと実行に移さないと。人生が有限であるという当たり前の事実にどれだけいち早く気付けるか。そして、行動を起こせるか。この一点に、あなたのキャリアがより豊かなものになるかが、かかっています。

「自分を信じる力」が想定外の未来を現実にする

そして、将来の目標を描くなら、できる限り大きい絵を描きましょう。ちょっと努力すれば簡単に辿り着くような場所にゴール地点の旗を差してもつまらない。自分の一生をかけてやるだけの価値があるものを見つけてほしいと思います。

こう話すと、とても自分にはできないと諦めてしまう人もいるかもしれません。でもそれくらいスケールが大きい方がいいんです。大事なのは、今は無理でも、ひょっとしたらいつか実現できるかもしれないと信じること。時代がいかに変わろうと、「自分を信じる力」を持つ者は強い。多くの人は、つい自分の短所ばかりに目がいきます。でも、それでは「自分を信じる力」なんて養えない。小さなことでいい。まずはもっと自分の長所を探しましょう。そして、何か一つ「これは」というものが見つかったら、徹底的にブラッシュアップすること。この分野に関して世界の第一人者になると胸を張って言い切れるくらい鍛錬してみてください。そのうち「自分にはできない」なんて言葉は自然と出なくなっているはずです。

今、AIだとかブロックチェーンだとか新しい言葉が飛び交っています。一見すると金の斧のように見えますが、早晩こうしたものは誰もが簡単に使いこなせるようになる。そんなものに飛びついても仕方ありません。それよりも、時代が変わっても価値が錆びることのない「普遍的な能力」を磨き上げることが、あなたのキャリアを拓く金の斧となる。僕はそう思います。

取材・文/横川良明 撮影/竹井俊晴

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