2017/5/23 更新 BCG流 キャリア&ライフデザイン論

就職して分かる“成長”の奥深さ。ビジネスの現場で求められる本当に必要な力とは?【学生×20代コンサルタント座談会・後編】

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 自分らしいキャリア&ライフを確立したい。が、どうすればできるのか――?
 これから社会へ出た後、20代~30代でぶつかるであろうキャリア選択の課題について戦略コンサルティングファーム・BCGのコンサルタントを中心に、第一線で活躍中のプロフェッショナルたちにその解決策や思考法を聞く。より良い人生を送るために、仕事とどう向き合い、キャリアを切り開いていくべきか、本質思考で考えてみよう。
 第2回は、若手コンサルタントが学生たちの質問に答えていく形で、就職活動のあり方や、20代の時期に挑むべき「成長」について、自由に語り合ってもらった。

【File.2】20代コンサルタントの「自分」成長戦略とは? ー後編ー

ボストン コンサルティング グループ
千田秀典 氏
 【写真左から2番目】
東京大学大学院工学系研究科にて航空宇宙工学を専攻。同大学院を修了し、フランス国立民間航空学院への留学から帰国後の2014年9月にボストン コンサルティング グループ入社。学生時代は航空機開発エンジニアを志すも、コンサルタントとしてキャリアをスタートさせる

ボストン コンサルティング グループ
日浦瞳子 氏
 【写真左から3番目】
東京大学経済学部卒業後、ボストン コンサルティング グループ入社。学生時代はアメリカンフットボール部のマネジャーとして部活動に全力投球。就職活動初期は、女性の視点が活かしやすそうな消費財や化粧品メーカーへの就職を視野に入れていたが、たまたま参加した企業説明会をきっかけにコンサルティング業界へ進むことを決めた

学生の皆さん
写真左から、サカイ シュンスケさん(東京大学大学院1年生/理系)、ウカイ ジュンヤさん(慶應義塾大学3年生/文系)、ユアサ チヒロさん(上智大学3年生/文系)、シラカワ アユキさん(東京大学3年生/文系)。現在のところ、4名とも就職先志望業界は未定ながら、コンサルティング業界は選択肢の一つとして興味を持っている

――就活を経て、実際にBCGでコンサルタントとして働くようになってから、どんな経験を積んでいるのですか?

千田:
 私は2014年に入社した後、1カ月間の基礎的な研修を経て、すぐにプロジェクトに入りました。私の場合は「製造業のお客さまのプロジェクト」を希望したところ、願いがかない、1プロジェクト目はメーカーの収益基盤強化プロジェクトに入ることになりました。

 BCGでは、プロジェクトアサインの際に、新入社員でも参加したいプロジェクトの希望が出せます。必ずしも毎回希望通りになるわけではないものの、個人の興味や成長、プロジェクトで求められる能力などが考慮された上で、アサインが決定します。

 現在に至るまで6~7件のプロジェクトに従事してきましたが、製造業が多いものの幅広い業種のプロジェクトの経験をしていると思います。プロジェクト内容も、金融機関の店舗展開の戦略案件であったり、メーカーでの製品開発加速化支援であったりと、さまざまです。

サカイ:
 自分が望んだわけではないプロジェクトに入ることもあるわけですよね? そういう場合でも、モチベーションが下がったりしないものですか?

千田:
 私の場合は将来的には航空業界に貢献することが夢ですから、もちろん特に製造業に強い関心があります。
 とはいえ、今は自分自身の知見を増やして成長するためにも、幅広い業種・案件の経験を積むべきだと考えているので、むしろ製造業以外のプロジェクトにアサインされるとワクワクしますね。また一つ、新しい経験ができるチャンスだ!と(笑)。

 ですから、案件によってモチベーションが下がるなどということはまずないです。
 むしろ毎回、期待されている結果にプラス・アルファの、自分ならではの付加価値を付けてやるぞ、というファイトがわいてきます。

日浦:
 私は2015年4月に入社しましたが、入社直後の流れは千田と同様です。1カ月の研修の後、プロジェクトにアサインされ、実務を通じてコンサルタントの仕事を学んでいきました。

 コンサルタントはプロジェクトベースで仕事をします。3カ月程度のものもあれば、もっと長期にわたるものもあり、解決すべき課題もプロジェクトの規模も毎回違います。また、一緒に働く仲間や先輩、リーダーも変わります。

 こうした環境は、飛び抜けたスキルをまだ持っていない私にとっては、とてもありがたいことだと感じています。短期間のうちに多様な経験をして、数多くの優秀な先輩やお客さまと触れ合いながら、「これから自分は何を極めていきたいか」を模索することができるからです。

千田:
 我々コンサルタントは、プロジェクトの期間内で成果を上げること、言ってみれば、短いスパンで次々に異なる課題と向き合うことが求められます。それによって自分の能力がストレッチされますし、必ずしも自分の得意分野ではない領域にも携わることになるので、知見の幅をどんどん広げていける。
 スピード感をもって自身の成長を実感できるのが、コンサルタントの醍醐味の一つと言えるでしょうね。

ウカイ:
 仕事はOJT中心なんですよね? とにかく現場に出て覚える方式なんでしょうか?

千田:
 そうですね。実際に仕事を現場で経験していくのと並行して、新入社員にはインストラクターと呼ばれる先輩社員がマン・ツー・マンで寄り添ってくれる仕組みになっています。
 プロジェクトは数カ月単位で変わっていきますが、インストラクターはずっと同じ先輩が付いてくれるので、前のプロジェクトと比較しての自分の成長度合いや課題など、中長期的な視点も踏まえつつ、アドバイスやフィードバックがもらえるんです。
 プロジェクトごとにメンバーが変わったとしても、このインストラクターのおかげで、その時点での経験を振り返り、積み重ねながら成長していくことができます。

日浦:
 私なんて入社当初はExcelだってまともに使いこなせませんでした(苦笑)。
 他にも社会人1年目の人間が直面するさまざまな問題や悩み、能力的に不足している部分など、インストラクターにはあらゆる相談に乗ってもらいましたし、もちろんExcelについてもみっちり教えてもらいました。
 実は今度私も後輩社員のインストラクターになるのですが、私自身の成長にもつながる経験だと思って楽しみにしています。

自分の価値を最も出せる場所を目指して

――お2人はご自身の将来について、今どのようなキャリアビジョンを描いていますか?

千田:
 まだまだ学ぶことは無限にありますが、いずれはコンサルタントとして一人前になってクライアント企業により大きな貢献がしたいと思っています。さらにその先でいえば、コンサルタント以外の立場で、プレーヤーとして企業や産業に携わっていくことも視野に入れています。

シラカワ:
 コンサルタントは、プレーヤー=当事者にはなりきれない、という気持ちがあったりするんでしょうか?

千田:
 コンサルタントといえば、かつては経営課題を解決するための戦略を描いて伝えるところまでが主な仕事でしたが、今は違います。
 戦略を実行するために、時には企業内に深く入ってお客さまと一緒に完遂するところまでコミットしているので、コンサルタントという立場であっても、プレーヤー=当事者としての経験を十分に積むことができていると感じます。

 その上で、必ずしもコンサルタントという立場だけが自分がプレーヤーとして最も機能する形であるとは限らない、と思っているんです。
 今は人材流動性の高い時代ですし、友人やクライアントを見ても、一つの組織にずっといることがスタンダードではなくなっています。キャリアチェンジも、フラットに選択肢の一つとして考えているんですよ。
 いずれにせよ、経験やスキルを身に付け、自分が最も価値が出せる場所を常に選択していきたいと思っています。

日浦:
 私は実を言うと、まだ将来のビジョンが固まっていません。だからこそ、今から10年以内に「これだ」と言えるものを見つけ出そうと考えているんです。

 BCGでの仕事の面白さは、プロジェクトが1つ終わるごとに、新しい自分を発見できること。意外と得意なことや苦手なこと、それまで考えもしなかったことを面白いと思えること、知らなかった自分の一面をどんどんキャッチアップして、強みを確立していきたいです。
 近い将来、「この分野なら日浦だ」と言ってもらえるようになるために、今は成長あるのみですね。

ウカイ:
 確かにコンサルタントの仕事は成長できそうだなと思います。でも、ちょっと聞きにくいですが……、やっぱりコンサルって激務なんですか?

日浦:
 私も就活中は、そこが気になっていました(笑)。
 でも、入社してみて実感したのは「確かに忙しい時は忙しいけれども、激務ではない」ですね。

千田:
 もちろんお客さまの存在があるし、プロジェクトのフェーズ次第で大変な時もあります。「メリハリがはっきりしているなあ」という感覚です。
 1日単位ではなく、ロングレンジでワークライフバランスを見たら、むしろ恵まれている気がします。プロジェクトとプロジェクトの合間に長めの休みを取ることも普通に定着していますし。

日浦:
 そうですね。かつて、コンサルタントが戦略策定だけを求められていた時代には、短期集中型のプロジェクトで最大の価値貢献をするべく、昼夜を問わずがむしゃらに仕事にまい進するスタイルが求められていたのだと思います。

 でも今は、お客さまへの価値貢献の形も変わってきました。瞬間最大風速ではなく、継続的に成果を出し続けることが、コンサルタントに求められるようになってきています。
 私たちコンサルタントが継続的に力を発揮できるよう、BCG全体が会社として社員のタイムマネジメントに力を入れているので、ワークライフバランスはしっかり取れていると思いますね。

サカイ:
 コンサルタントは激務と競争の中で猛烈に仕事をこなす、というイメージでしたが、もっと長期的に成長を続けながら働ける環境なんですね。

ユアサ:
 日浦さんは出産後も働きたいとおっしゃってましたよね。今は、その具体的なイメージってわいてるんでしょうか?

日浦:
 もちろん! 私が就活中に話を聞いたBCGの女性コンサルタントも、まさに仕事と育児の両立をしていましたし、今参加しているプロジェクトの女性リーダーも、ライフイベントに応じて仕事の量や進め方を制御しながらも結果をきちんと出していて、理想的なロールモデルが近くにいます。

 スキル、経験、信頼を積み重ねてきたからこそ、仕事とプライベートの比重を変えたいと思ったときに、それを実現できる能力と環境が手に入れられる。その実例を数々見ていますから、私もその時のために今は成長するべきなんだ、と迷いなく仕事に集中できています。

人間の本質部分を磨くことこそが成長

ウカイ:
 お2人が一番成長を実感できた、失敗談とかハードだった局面とかがあれば教えてください。

日浦:
 失敗って概念はあまりないです。もちろん小さなミスや行き届かないことはたくさんありますけど、ファクトとしての間違いであれば必ず正しい答えを出し直しますし、プロセスの話であれば「次はこうしよう」と考えて取り組むので、最終的に失敗したまま終わるものってないんですよね(笑)。

千田:
 そうそう。失敗って、つまりは自分がコミットしてないことに起こるものだから。自分の力の足りなさを実感して改善策を打てないまま終わるものが“失敗”なんです。でもコンサルタントの仕事はフルコミットで臨むものですから、取り返すまでやり続けるので、基本的に失敗なんてないんですよ(笑)。

 個人的に成長したと感じるエピソードとして思い出すのは、あるメーカーのプロジェクトですね。
 海外のエキスパートを誘致して、新商品開発チームを立ち上げていたのですが、ミーティングで私がファシリテーターを務めていたら、お客さまサイドで意見が分かれてしまったんです。

 たまたま上司のプロジェクトリーダーも不在の時で、何が何でも私が議題をまとめなければならなかったのですが、ロジックだけではヒトを動かせない状況に、皆さんに「何とかお願いします!」と頭を下げて、最終的には目的完遂できたという経験をしたことがあります。お一人お一人の思いや状況に向き合う人間力を試された場でしたね。

日浦:
 分かります。私もある企業の営業改革プロジェクトで、新たなプログラムの導入をする際に、営業所の皆さんの理解をなかなか得られないことがありました。

 それでも諦めず、ヘコたれずに毎日通い続けていたら、最後には「また来たのか!」と冗談交じりに笑って迎えていただけるようになりました。人を巻き込み、動かすために、いかに自分の本気や誠意を伝えていくことが大事かを思い知ったプロジェクトでした。

千田:
 もちろんロジックや効率性は極めて重要で外せない要素ですが、最終的にお客さまと正しい方向に向かって進むために、時には「足と時間と感情で稼ぐ」というところも大いにあると思っています。戦略の実行段階では、皆さんが思っている以上に泥臭いことをやっていますよ。

日浦:
 入社前は、きらびやかな世界かと思っていたんですけれどね(笑)。

シラカワ:
 意外です。僕はコンサルタントに対して、正直偏見があったんです。もっとガチガチにロジックばかりをぶつけてくるような人たちばかりだと(笑)。
 お2人の話を伺う中で、人柄に触れ、結局本当に能力が高い人たちは楽しそうに仕事をするんだなってことが分かりました。うれしい誤算です。自分の将来をもう一度真剣に考えてみようと思います。

ユアサ:
 私もお2人が、私のボンヤリした質問の意図を的確にくみ取って答えてくださるのに感激しました。お話の仕方もすごく分かりやすくて。コンサルタントは優秀な人というイメージだけはありましたが、こんなに短い時間の中で自分の実体験としてそれを感じることができて良い経験になりました。

千田:
 私もインターンに参加した時、コンサルタントに同じことを感じたのを思い出しました(笑)。
 コンサルタントはクライアントの真意をくみ取り、真剣に向き合うのが仕事なので、そう言っていただけるととても光栄です。

――お2人は就活時から、成長するためにスキルや知見を得たいとお考えでした。思い描いていた通りの成長を今、実現されていますか?

千田:
 そういう意味では、思い描いていた以上の成長ができていると感じます。

 働き始める前は、課題解決力やリーダーシップ、ロジカルシンキングなど、分かりやすいビジネススキルや能力、知識を身に付けることが成長だと思っていました。でも、戦略を実行し、イノベーションを起こすためには、人を巻き込み、動かすことが最も重要だと知った今、それだけでは成長は語れないと気付きました。

 人の機微を見抜き、組織を読み解き、自身のスタンスをぶらすことなく、ここぞというときには異論もぶつけられる、そんな絶妙かつ深いコミュニケーション力や粘り強さが、ビジネスの現場では必要とされます。ロジックだけでヒトは動かない。仕事の経験を積み重ねる中で、人間の本質の部分を磨くことこそが、成長なのでしょうね。

日浦:
 私も、学生時代にイメージしていた成長はぼんやりとしたもので、仕事のスキルに偏ったものを想定していました。実際働いてみて、私もまた、スキルだけではないもっと本質的なものが必要だと実感させられています。

 クライアントに価値を提供したいと、心の底から本気で思えるようになること。主体的に考え、勇気を出して動くこと。言葉にすると簡単ですが、社会人になり、責任を負ってみて初めて、その重みが分かった気がするのです。

 学生の皆さんも、仕事を始めてからきっと、自分が求めていた“成長”の奥深さに気付くと思います。そうして初めて、本当の意味での自分の成長戦略が描けるようになるはずです。

(取材・文/森川直樹、撮影/竹井俊晴)

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