2025/1/31 更新 業界・企業研究
こんにちは、type就活26卒インターン生の竹井です!
今回は、就活生に向けて、「デベロッパー」とは何かについて簡単に説明します!
私は26卒として就活しています。就活をしていく中で、学生たちの間で、デベロッパーという職種への関心が高まっていることを感じました。なぜデベロッパーがこんなに人気なのか、また、給料が高い理由は何なのか、興味を持って調べてみることにしました。
私は現在就活を始めたばかりの大学院1年生です。自己分析等を進める中で、まちづくりや地方創生に強い関心があることに気づきました。その結果、出会った業界が不動産です。不動産業界に中でも特に、デベロッパーは就活生に大人気の業種であり、私も興味を持ちました。
不動産業界は非常に広範で、その中でもデベロッパーの役割を正確に理解している人は少ないのではないでしょうか?また、デベロッパーと一口に言っても、企業ごとに事業の特徴は大きく異なります。
この記事を読んでいただくことで、不動産業界とデベロッパーの全体像を把握していただければ幸いです。
今回は以下の流れでデベロッパー業界を紹介します!
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デベロッパーは、土地や街を開発する事業者です。具体的には、都市開発や商業施設の開発、マンション開発、大規模宅地開発などに携わり、生活に欠かせない存在です。
”「東京ミッドタウン」や「六本木ヒルズ」”を開発したのも、デベロッパーです。また所属している業界は不動産業界となっています。
総合デベロッパーの事業は多岐にわたります。
主力である不動産事業では、主に以下の4つが挙げられます。また、その他の事業についてもご紹介します。
大都市を中心に、老朽化した建物や未利用地を再開発するプロジェクトが進行中です。
例えば、渋谷駅周辺の再開発プロジェクトは、新たなランドマークを生み出し、地域のブランド価値を高めています。
これらのプロジェクトは、地域経済を牽引する重要な役割を果たしています。
近年再開発需要が高まっており、大阪、福岡などの地方都市においても新たな商業施設や宿泊施設などのオープンが予定されています。
【企業ごとの取り組み例】
三井不動産:日本橋エリア再開発
三菱地所:有楽町エリア再開発、うめきた2期再開発 (大阪)
住友不動産:六本木エリア再開発
東急不動産:渋谷エリア再開発 など
商業施設の開発や運営では、賃貸収入、広告収入、施設利用料 (駐車場料金やイベントスペース貸出料金など)などが主な収益源です。
ショッピングモールやアウトレットパークなどの商業施設は、単なる買い物の場を超え、地域住民や観光客の交流の場として機能しています。
【企業ごとの取り組み例】
三井不動産:ららぽーと、三井アウトレットパークシリーズ
三菱地所:PREMIUM OUTLETシリーズ
住友不動産:有明ガーデン
東急不動産:東急プラザシリーズ、渋谷ヒカリエなど
オフィスビルの賃貸収入は、多くのデベロッパーの主力収益源となっています。
企業のニーズに応じたオフィス空間を提供することで、都市のビジネス機能を支えています。
リモートワークの普及により、柔軟な働き方を考慮したスペースの提供が求められています。
【企業ごとの取り組み例】
三井不動産:日本橋三井タワー、日本橋本町 M-SQUARE (竣工予定)
三菱地所:丸ビル、横浜ランドマークタワー、TOKYO TORCH (竣工予定)
住友不動産:住友不動産新宿グランドタワー
森ビル:六本木ヒルズ森タワー、虎ノ門ヒルズ森タワー
近年のマンションや戸建て住宅の開発では、生活者が求める快適さや環境配慮型の設計が重視される傾向にあります。
最近は、Z世代をターゲットにしたデザイン性の高い物件やスマートホームの導入も進んでいます。
【企業ごとの取り組み例】
三井不動産:パークマンションシリーズ
三菱地所:ザ・パークハウスシリーズ
住友不動産:グランドヒルズシリーズ
東急不動産:ブランズシリーズ
野村不動産:プラウドシリーズ
東京建物:ブリリアシリーズ
また、これら主力事業とシナジーのある事業領域への参入も活発化しています。
物流事業、DX事業、空港事業、投資マネジメント事業、海外事業や再生可能エネルギー関連事業などが当てはまります。
特に大手総合デベロッパーでは、新産業領域 (社内新規事業) への参入の動きも加速しています。
不動産デベロッパーの仕事内容は、主に以下のようなものがあります。
・土地の仕入れ: 開発に適した土地を見つけ、購入する
・プロジェクト企画: 建物の用途や規模などプロジェクトの概要を決定する
・設計・建築: 建物の構造やデザインを計画し、建設業者と協力して建設する
・資金調達: プロジェクト費用の調達方法や、金融機関との交渉を行う
・営業・マーケティング: 物件の価値を無駄なく引き出し、適切なマーケティング戦略を立て販売促進する
・管理・運営: 完成した物件の維持管理や賃貸管理を行う
以上の業務を通じて、不動産デベロッパーは、魅力的な開発物件を生み出し、多くの人々の生活を豊かにする役割を担っています。
新卒採用では主に総合職一括採用が主流ですが、
三井不動産など一部の企業では事務職 (転勤無し) の採用も行われています。
上記の仕事は、主に以下の6つ職種 (部門) に分けられます。
➀企画/開発部門
用地選定/取得、プロジェクト企画、事業計画立案
市場調査や地元自治体との交渉
②営業部門
テナント誘致、物件販売・賃貸
ブランド戦略の策定
③管理/運営部門
賃貸物件や商業施設の運営
顧客対応や維持管理
④コーポレート部門
人事、経理、総務など
⑤地方支店
地方都市における開発の拠点
企画から営業まで、あらゆる機能を持つ
⑥海外業務部門
海外事業の拠点
海外デベロッパーとの共同プロジェクトも多い
デベロッパーとゼネコンは混同されがちです。デベロッパーとゼネコンの関係を不動産業界全体像から把握しましょう。
ゼネコンとは「ゼネラルコントラクター」の略称で、マンションやビル、商業施設など大規模な建物を建設する「総合建設業者」です。
まず、ゼネコンの主な業務は建設工事の請負です。
一方、デベロッパーは企画や建築設計を行い、ゼネコンに工事の発注をします。つまり、両者の関係は「発注者(デベロッパー)」と「受注者(ゼネコン)」です。
さらに、建物の建設が終わると、デベロッパーが運営や販売を行います。
このように、デベロッパーとゼネコンは建築プロジェクトにおいて密接な関係を持っているのです。
デベロッパーとゼネコンが不動産業界を牽引していると言っても過言ではありません。
下の図は不動産業界の仕組みを示しています。
見てわかるようにデベロッパーは、さまざまなステークホルダーと連携して事業を展開しています。
そのため、コミュニケーション能力の高さが求められるのも納得できます。
総合デベロッパー業界は、日本経済を支える重要な産業の一つです。しかし、以下の課題に直面しています。
■建設コストの高騰
建設資材費や人件費の上昇により、プロジェクトの採算性確保が難しくなっています。
特に、ウクライナ情勢などの国際問題が資材価格に影響を与えています。
■人口減少・少子高齢化
国内市場の縮小が予測され、住宅需要の低迷や地方エリアでの開発困難が課題となっています。
一方で、東京、大阪などの大都市圏では、再開発のニーズが依然として高い状況です。
課題があるだけでなく社会の変化にあわせて業界全体も変化をしています。
■リモートワークの普及
オフィス市場において、フレキシブルな利用が可能なシェアオフィスやサテライトオフィスの需要が増加しており、従来型オフィスの価値が再評価されています。
■都市再開発の需要増加
大都市圏では駅周辺再開発プロジェクトや商業施設の改修が進み、経済活動の活性化に貢献しています。
■海外進出の加速
日本企業は東南アジアや北米市場でのプロジェクトに積極的に取り組み、新たな収益源を確保する動きが活発化しています。
これらの課題や変化を受け、業界では以下のような動向が見られます。
脱炭素社会の実現に向けた取り組みが進んでいます。
建物のエネルギー効率向上や、再生可能エネルギーを利用したスマートシティの開発がその一例です。
例えば、虎ノ門ヒルズではエネルギー管理システムが導入され、環境負荷の軽減が実現されています。
日本市場の縮小を見据え、アジアや北米市場での展開を加速させています。
特に、ASEAN諸国では中間層の増加に伴い、住宅や商業施設の需要が拡大しており、多くの日本企業が積極的に投資しています。
不動産テックの活用が進んでおり、AIを活用した市場分析や、デジタルツインを用いた仮想都市の設計などが注目されています。
これにより、効率的なプロジェクト運営やリスク管理が可能となっています。
デベロッパーは就活生から大変注目されています。この人気の背後には、いくつかの理由が存在しているのです。それぞれの魅力をより詳しく説明します!
・仕事の規模が大きく、やりがいが大きい
デベロッパーは、大規模なプロジェクトを手がけることが多く、やりがいが大きいのが特徴です。その仕事は地図に残るものであり、地域活性化にも貢献できます。 また、人々の生活や人生に大きな影響を与えるビジネスを展開することができるのも、不動産デベロッパーの魅力の一つです。住宅や商業施設、オフィスビルなど様々な物件を手掛けることにより、人々の暮らしをより豊かで快適なものにすることが可能です。これは不動産業界全体に言えることですが、上流から関われるという面でデベロッパーはよりやりがいが大きいと考えられます。 自分が関わったプロジェクトが街のランドマークとして永く残ることはデベロッパーならではのことではないでしょうか。
・若手からの裁量権が大きい
デベロッパー業界の魅力は、企業の風土にもよりますが、一般的に若手にも様々な裁量権が与えられる点にあります。特に、採用人数が少ない企業では、それぞれのメンバーが重要な役割を担っています。また、人数が少ないチームで超高額な不動産を扱うため、自分が手掛けたプロジェクトが社会に大きな影響を与えることが期待できます。
・高収入が狙える
デベロッパーは給与水準が高く、年収1000万を超える人も少なくありません。その理由はデベロッパーのビジネスモデルは利益率が高く、社員数に比べて売り上げが高いからです。その分就職難易度も高くなっています。
・東京勤務の割合が高い
就活を始める大学生にとって、勤務地は重要なポイントです。デベロッパーとして働く場合、都市部である東京が主な勤務地となることが多いです。またデベロッパーの中では、東京で働く確約がある企業も存在します。
デベロッパー業界を理解するには、大手7社の特徴を把握することが必要です。大手7社の特徴を説明します。
・三菱地所
スローガンは「人を、想う力。街を、想う力」
三菱地所は東京・丸の内の開発で力を発揮しており、ビジネスエリアの整備に強みがあることが挙げられます。また、世界的な都市への進出も果敢に行っており、ニューヨーク・ロンドン・パリなどでプロジェクトを展開しています。 また、都市部の発展だけでなく、北海道や四国などの空港運営事業を通して地域の発展にも貢献しています。結論、三菱地所は丸の内の安定した事業が基盤となり、潤沢な資金を生み出し、これにより、海外事業などの事業拡大が可能となっています。
・三井不動産
スローガンは「都市に豊かさと潤いを」
三井不動産は東京ミッドタウン、ららぽーと、三井アウトレットパーク、三井ガーデンホテルズ、豊洲の再開発、東京ドームなど、多くの大型プロジェクトを手がけています。また、賃貸、分譲、マネジメント等、様々な事業分野で収益を効果的に分散させており、安定したポートフォリオを持っています。開発プロジェクトにおいて、各地域の風土や歴史や経年劣化を大切にしながら、新しい価値を創造する取り組みを行っています。これらのことから、大規模な街づくりに関わりたい就活生にとってはとても魅力的な企業だと言えます。
・住友不動産
スローガンは「信用と創造」
住友不動産はオフィスビルに強い企業として知られており、都内だけでも200以上のビルを保有しています。また、芝浦プロジェクトなどの魅力的なプロジェクトにも取り組んでおり、新しい街づくりに注力しています。さらに、同社の給与形態は圧倒的な実力主義で、高いパフォーマンスを発揮すれば待遇もそれに応じて向上します。 これらの特徴から、住友不動産はビジョンを持って仕事に取り組みたいと考える大学生にとって、魅力的な企業の一つと言えるでしょう。
・野村不動産
スローガンは「明日をつなぐ」
野村不動産はマンションなどの住宅分譲事業が強みで、日本だけでなくアジアにも進出しています。 野村不動産は、創業以来の歴史と実績をもとに、高品質な住宅を提供していることで知られています。また、企業としての社会貢献にも力を入れており、環境に配慮した建築技術や地域コミュニティの発展にも貢献しています。さらに、働く社員の福利厚生も充実しており、ワークライフバランスを重視した働き方が可能です。 就活生の皆さんには、野村不動産のようなグローバルに展開し、安定した基盤を持ちながらも成長を続ける企業を検討してみることをおすすめします。
・東急不動産
スローガンは「美しい時代へ」
東急不動産は、東急東横線や東急田園都市線が乗り入れるエリアに強みを持っています。特に、渋谷周辺の不動産事業を展開しており、 都心部のタワーマンションマネジメントに強みがあるのが特徴です。 また、東急プラザや「ハラカド」などの商業施設も有名で、多くの人に利用されています。「世田谷中町プロジェクト」や「ニセコのまちづくり」など魅力的な事業にも取り組んでいます。その他にも、人当たりが柔らかく穏やかな社風があり、働く社員にとっても居心地が良いと言われています。
・森ビル
ビジョンは「都市を創り、都市を育む」
落ち着きのある雰囲気を持つ森ビルです。森ビルは六本木ヒルズの「六本木ヒルズ森タワー」や虎ノ門ヒルズの「虎ノ門ヒルズ森タワー」「アーク森ビル」など、 主要エリアのランドマークとなるビルを複数所有しており、他の不動産とは一線を画すオフィスビルを必ずできることが特徴です。このため、「森ビル好き」と言われる人が多く存在し、仕事に集中できる落ち着いた環境を提供してくれることで高評価を受けています。
・ヒューリック
スローガンは「駅と未来に近いビル」
これまで紹介してきたデベロッパーは総合デベロッパーでしたが、ヒューリックは専門的な分野に特化している点が大きな違いです。 ヒューリックは「圧倒的な営業効率」を支える利益へのこだわりと事業戦略が特徴的で、業界内でも注目を集めています。また、若手に仕事を任せていくカルチャーが根付いており、新卒入社であっても大きな裁量を持って業務に取り組むことができます。 さらに、年収は他のデベロッパーに比べて高く 、安定した収入を得られるというメリットもあります。都心・駅近に強いという事業戦略も、高い営業効率と利益を支える要因となっています。勤務地が東京確約なのも魅力の1つです。
事業の中で様々なステークホルダーとの関わりがあるデベロッパーでは、以下のような力が求められます。
大規模な再開発や街づくりでは、時に多くの事業者やステークホルダーと共同でプロジェクトを進めていく必要があります。
その際、複数の関係者との調整を行い、予算やスケジュールを管理する力が必要であり、その素質が求められます。
デベロッパーでは、地域住民、行政、施工業者など多様なステークホルダーと連携し、信頼関係を築く力が必要不可欠です。
そのような理由から、ストレスのないコミュニケーションができる力や、相手の懐に入り込む愛嬌、粘り強く相手を説得できる交渉力などを持ち合わせた学生が内定する傾向にあります。
各社に共通する要素の他にも、社風との一致も重要です。
デベロッパー各社はそれぞれ異なる社風を持っているため、その社風に一致する学生が採用されやすい傾向にあります。
説明会やOB訪問を通して、自分に合った社風を持っている企業はどこなのかを見極めることで、選考通過率の向上が期待できます。
いかがだったでしょうか?これから就活をはじめる日本の大学生にとって、不動産業界を目指し、デベロッパーとして活躍するためには、次のポイントを押さえた上で、各企業の注力事業や風土に関する理解を深めることが重要です。
・不動産業界の特徴や動向やビジネスモデルを把握する
・デベロッパーのビジネスモデルを理解する
・企業ごとの事業領域や戦略の違いを理解する
・業界の将来性やキャリアパスを見据える
また、就活生自身が将来どのようなキャリアを描いているのか、自己分析や自己理解に努めることも大切です。さらに、業界研究を通じて得た知識をもとに、自分がどの企業で働きたいのか、どのような働き方が向いているのかを見極めましょう。 最後に、デベロッパーを目指すにあたっては、不動産業界の立ち位置や各企業の注力事業、風土に関しての理解が不可欠です。それぞれの企業でのインターンシップや情報収集を通じて、自分に合った企業を見つけてください。就活が成功することをお祈りしています。
■企業説明会・選考対策イベント・合説の情報はこちら
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