面接をしていると知識が豊富過ぎて感心する学生に出会うことがあります。この前、出会った学生は、様々な資格を持っており、学力検査の結果も優良。面接での話も論理的でわかり易く、難しい言葉も使いながら自分を語ってくれました。その一方、そんなに学力検査の結果は良くないが、自分なりの学生時代の話をしてくれる学生にも出会いました。例えば、スーパーのアルバイトにて、客からの問い合わせが多い品探しから、おかしのレイアウトを目立つように変えて、問い合わせの件数を減らした経験を持っていました。後者の学生は、前者の学生よりも知識の幅は少ないようでしたが、明らかに知恵を使っていました。つまり、自分のアルバイト先での状況を把握し、知恵に変換して、仕事に活かしたのです。
もちろん、知識は多ければ多いほど良いに違いありません。さらに、その知識が入社しようとする企業に求められるものであれば、尚更、重要視されるかもしれません。ただ、知識力は仕事を進めるための基礎能力であり、活用できなければ、職場では役に立たないかもしれません。学生時代に朝から晩まで勉強して、いやになるくらい頑張って、知識を蓄えた人も少なくないと思います。ただ、面接では、もう一歩、知識を知恵に変えたエピソードを語らなくては評価されないのです。極端な話、どれだけ知識を持っていたとしても、たった数センチのUSBの情報量には勝てないかもしれません。会社では、知識力がある人のほうが最初のうちは評価されますが、だんだんと知恵に変えて行動力がある人が評価されていきます。そのため、いくら面接で知識力をアピールしても、全く響かない面接官がいるのも事実です。特に行動重視を信念としている面接官にはその傾向があります。企業の求める人材像はあるかもしれませんが、結局、あなたを評価するのは、目の前の面接官の評価感覚になります。
また、知識力や学力、保有資格を持つ学生には、面接で失敗する傾向があります。それは、自分の勉強法をアピールすることです。失敗するポイントは2点です。1点目は、その勉強法にオリジナリティがなく、誰もが同じような勉強法になることです。一日何時間、勉強ノートを作って、それを何か月続けたというような話は、まったく面接でアピールになりません。2点目は、その話では他の人とのコミュニケーション能力が見えない点です。基本的に勉強は一人で籠ってすることが多いでしょう。その場合、他人と一緒に成果を生み出したという協調性のエピソードにはなりにくいと思います。つまり、面接時間が少ないにも関わらず、あなたの学力等の話で終わってしまうのです。結果、面接官は、あなたが他のメンバーと一緒に協調性を持って働ける人材であるかを判断できず、不合格にしてしまうこともあるのです。繰り返しになりますが、TOEICで何点であるとか、こんなに資格を持っているというだけのアピールは面接では評価されない可能性が高いのです。その知識を知恵に変えて、あなたが実際に何をして、誰を巻き込んで、どういう成果を生んだのかが評価対象になることを忘れてはいけません。是非、USBの情報量に負けない知恵を使って、就職活動の面接に立ち向かってください。
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文:丸山 智士(就活系Twitter:就活生に知られたくないっ!※フォロワー9万以上)
著書:不安を自信に変える!就活面接【正しい】答えかた/秀和システム