就活の面接では、「これまでに一番困難だったこと」についても質問されます。この質問は、「あなたの困難なことに対する向き合い方」がポイントとなります。例えば、以下のように答えたとしたら面接官はどのように感じるでしょうか。
■これまでに一番困難だったことはなんですか?(通常例)
一番困難だったことは、2年前に腕を骨折して全くアルバイトができなくなったことです。1人暮らしをしているので、家賃を払うために何とか貯金を削って過ごしました。その時に初めて、お金の大切さが身にしみてわかるようになりました。
いかがでしょうか。確かに困難を経験したことは伝えています。ただし、「困難をどう乗り越えたか」については伝わってきません。この質問は、「困難にどのように立ち向かって解決したか?」を確認するためのものです。仕事をする上では、日々、困難を乗り越えなくてはなりません。顧客からの難しい要望や社内の対応力不足、人間関係など、悩みの種は尽きません。そのため、困難だった経験をそのまま伝えても、評価はされないのです。困難だった理由と、それに対して自身が採った解決方法の2点を、しっかりと語ることが重要です。
■これまでに一番困難だったことはなんですか?(改善例)
ゼミの研究発表に向けて、グループメンバーでテーマを決める必要があったのですが、最後まで決まらなかったことがあります。やる気の全くない人がいて、打ち合わせの雰囲気も悪くなっていたことが原因です。私は、このままではテーマが決められないと思い、とにかくその人と2人で話す時間を作りました。実際、話を聞くと研究発表自体には興味を持っており、自分の意見も持っていたのですが、グループの会話に入っていくのが苦手とのことでした。そこで、次回からは書記の役割を担当してもらい、グループの会話にも入りやすくなるよう工夫することで、何とか意見を集約したテーマをまとめることができました。
このようにあなたが一番困難だったことを質問された際は、具体的なエピソードを交えてアピールすると面接官に伝わりやすくなります。改善例は、ゼミの研究発表に向けて、グループメンバーにやる気が全くない人がいて、打ち合わせの雰囲気も悪くなったという内容です。実は上記のような会議は仕事で多々発生します。参加メンバー全員がやる気を持った会議を作るというのは、とても難しいのです。つまり、面接官も普段の会議で困難に感じていることなので、やる気のない人に上手く対応するスキルを持っていると伝えていければ、良い面接評価につながります。面接官が普段の仕事で困難に感じていることを想像してアピールしていくと良いでしょう。
就職活動やインターンイベント、セミナーに簡単登録
→新規会員登録・エントリーはこちらから
文:丸山 智士(就活系Twitter:就活生に知られたくないっ!※フォロワー8万以上)
著書:不安を自信に変える!就活面接【正しい】答えかた/秀和システム