2017/11/15 更新 総合商社・専門商社

【伊藤忠商事株式会社】現場感を大切に持ち続け 目的を果たすために駆け抜ける

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「自分らしく働く」ということ
エクセレントカンパニーで活躍する、20代・30代のビジネス・プロフェッショナルたちの就活エピソードと入社後のキャリアをインタビュー。就職活動時、何を目指し、就職先となる1社を選択したのか? また、実際に入社後どんな仕事に携わって成長を遂げてきたのか? そして彼らが見いだした「自分らしく働く」ことの本当の意味に迫る。

伊藤忠商事株式会社
機械カンパニー 電力プロジェクト部 電力事業プロジェクト課 主任
牛山智尋さん

「学生時代に旅したカ国での経験で得た価値観は、現場の実体験こそ重要だというものでした」
 自身の価値観をそう話すのは、欧米をはじめ先進国で電力投資ビジネスに従事している牛山智尋さん。彼が2005年に入社した伊藤忠商事は、2015年度の連結純利益で総合商社一位を獲得。世界 カ国に約120の拠点を持つ日本有数の総合商社だ。牛山さんは、同社との出会いをこう語った。
「漠然と海外で働きたいという思 いはありましたが、具体的な進路を想像できずにいました。そんな頃、旅先のインドで目にした地下 鉄工事の何気ない光景。それが当社との出会いでした」
 当時、伊藤忠商事で始動していた地下鉄工事プロジェクトは、インドを含む 都市が抱える、交通 渋滞や大気汚染問題を解消する目的で行われていた。牛山さんは、遠く離れた異国の地で日本企業が担う社会貢献性の高い事業と、そこで働く社員の仕事へ向けられた誇らしげな表情に感化され、自身の将来に活路を見出したと語る。
「ビジネスを通して各国の発展に貢献することこそ、自分が求めていたものだと気付いたんです。帰国後は伊藤忠商事を本命に大手商社に絞り就職活動を行いました」

直接会って話をするという信念が成功を呼び寄せた

 牛山さんは入社後2年間、営業に必要な数字への感度を高めるために経理を担当し、3年目に電力事業プロジェクト課に配属。最初に担当した国は、いち早く電力の自由化を進めるアメリカだった。5年目にはニューヨークへ2年間駐在するなど、若くしてスピード感を保ちながら責任の大きな業務を任せる、同社の現場主義を目の当たりにしていく。
「右も左もわからない中で、電力ビジネスの最先端を走るアメリカのプロフェッショナルと渡り合う環境でしたが、不思議と不安はありませんでした。それより今後起こり得る出来事や人との出会いにある種の興奮を覚えていました」
 実際にニューヨーク駐在が始まると牛山さんは、現地社員の誰もが自分より優秀であり、仕事へ真摯に取り組む姿勢に感銘を受けた。
「5年目の自分が一番未熟という状況はかえって自分自身を奮い立たせました。シカゴやヒューストンなどの関連会社へとにかく電話をかけ続け、アメリカ中を飛び回る毎日。直接会って話すことに注力した結果、徐々にクライアントの信頼を獲得していきました」
 アメリカでの姿勢を評価された牛山さんは、15年から欧州チームへ異動。注目が集まる再生可能エネルギーの洋上風力発電へ着目した彼は、発電所の投資家に積極的なアプローチを開始した。
「イギリス、フランス、ドイツなど各国を何度も巡りましたがアメリカの時とは勝手が異なり、いつ訪ねても門前払い。ビジネスライクなアプローチでは埒が明かないと判断し、純粋にクライアントとの信頼関係構築へ専念しました」
 より深く伊藤忠のビジネス、取組、将来のビジョン、そして自分自身についても腹を割って話をすることで信頼を勝ち得た牛山さんは、デンマーク年金ファンドが保有するドイツ・ブーテンディーク洋上風力発電所の権益を取得することに成功した。この業界では入札での契約が一般的だが、牛山さんは勝ち得た信頼によって先方から指名される形で契約を成立させる異例の実績を残したのだ。
「電力ビジネスは世の中を支える重要なインフラに直結しています。少しでも各国の発展に貢献するべく、今後も自分の目で現地を見て、直接会って話をするポリシーを持ち挑戦を続けていきます」
 諦めず信念を持ち突き進む人にはチャンスが巡ってくる。牛山さんの挑戦はまだ続いていくだろう。

PROFILE
うしやま・ともひろ/学生時代のインドへの訪問時に出会った伊藤忠商事のビジネスに感銘を受け、2005年に入社。2年間の経理経験を経て、現在は電力プロジェクト部電力事業プロジェクト課にて先進国の発電所へ投資を行う電力ビジネスに営業職として従事。アメリカへの留学経験とニューヨークでの2年間の駐在経験を持つ37歳