アバナード
2021/9/17 更新

グローバル&デジタルの知見を武器に
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アフターコロナ時代に、企業はどう備えるか
経営者たちの決断

コロナ禍に訪れた未曽有の事態によって、ビジネスのあらゆる常識が覆された。消費者やクライアントの価値観や働き方が変化する中で、企業は来るアフターコロナ時代にどう備えていくのか。コロナ禍における経営者たちの決断、各社の挑戦と変革の現場をお見せしよう。

代表取締役
安間 裕

外資系商社等を経て、1998年アクセンチュアに入社。外資系広告代理店を経て、2001年に再度アクセンチュアに入社。アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズの設立に参画し、同社代表取締役社長に就任。アクセンチュア執行役員等を歴任し、国内ITコンサルティングファームの経営に携わった後、14年より現職

【Decision】
「ピープルファースト」
経営を加速させる

新型コロナウイルスのパンデミックは、デジタル変革の時計の針を一気に進めたと言われます。

今や多くの企業でリモートワークが進み、場所を選ばず働くことが日常となった人も多いでしょう。例えば海外工場での技術指導など、従来であれば現地に行かなくてはできなかった業務も、VRなどの技術を活用して場所を問わずに実施できるようになりました。

人々の働き方に加えて、ビジネスのあり方にも変化が生まれています。BtoCビジネスではリアル店舗からオンラインショップに力を入れるところが増えていますが、BtoBの企業間取引も、対面からネットに急速に切り替わりつつあります。

さらに、ビジネスそのものをデジタル化しようという動きも加速しています。既存のやり方をデジタルに置き換えるのではなく、デジタルを前提とした新しいビジネスを生み出していこうというものです。

日本では今盛んにDXが叫ばれていますが、実際、DXに取り組んだ企業とそうでない企業とでは、利益率の上昇度が2倍も違います。ところがこれまでの日本は、IT投資に積極的だったとは言いにくい。新規IT投資で比較すると、アメリカが総売り上げの1.2%にのぼるのに対して、日本はわずか0.2%。実に6倍もの開きがあるのです。

一つ一つの要素技術や、エンジニアのスキルで言えば、決して日本が劣っているとは思いません。しかし、例えて言えば、デジタルは「応用問題」なのです。いくら計算問題が得意でも、それだけでは解けない。今求められているのは個別の技術ではなく、さまざまな要素を水平統合して、ソリューションとして束ねていく力です。設計書通りのものを作り上げることではなく、クライアントと一緒にマーケットに出ていき、新しいビジネスを作り上げていく力が必要なのです。

では、そうした力をどう身につけるのか。これは実際に応用問題を解きまくるしかないでしょう。我々の強みは、まさにここにあります。元々アバナードは、アクセンチュアとマイクロソフトの共同出資により設立された戦略的合弁会社です。グローバルで培った最先端のデジタル技術とビジネスの知見を融合し、クライアントと共にさまざまな変革を実現してきました。

互いに尊敬・尊重し合い
挑戦を楽しむ人たちが集まる

デジタルは、人々の働き方を変え、企業に利益をもたらし、社会を豊かにします。DXを進めた先にどのような社会が生まれるのか、私たちは常に5年先、10年先の世界を想像しながら、デジタルの力で新しい未来を切り開いていこうとしています。

それには、圧倒的な技術力とビジネスの応用力に加えて、イノベーションを生み出すカルチャーも重要です。挑戦を楽しめない人に、新しいものを生み出すことなどできるわけがありません。だからアバナードでは、グローバルで「ピープルファースト」を徹底し続けています。ここで言うピープルとは従業員のことです。従業員がハッピーになると、いい仕事をしてお客さまに喜ばれ、それが会社の利益につながり、株主にも喜ばれることになります。つまり、従業員・お客さま・株主、すべての人が幸せになる「ピープルファースト」は、経営において非常に重要で、欠かせない判断なのです。

その一環として、グローバル共通で取り組んでいるのは、自分自身のさらなる成長を信じて、失敗も前向きにとらえていくグロースマインドセットの浸透です。日本においては、個人の自由で柔軟な働き方を実現するため、47都道府県どこでも働けるルールを作りました。法的な制約をクリアできれば、将来的には世界のどこででも働けるようになると思っています。

デジタルイノベーションを生み出していくには、多彩な才能が必要です。多種多様な人たちが、お互いに尊敬・尊重し合い、持てる力を発揮する。一見不可能と思われることでも、自分なりのこだわりを持って取り組んでみる。それぞれが仕事を楽しんで、どんどん失敗もして、その経験からたくさんの学びを得る。若い人たちにはぜひ、そんな「何でもあり」の環境で、挑戦を楽しんでほしいと思います。