2018/10/27 更新 富士通

【富士通】世界唯一の技術で新時代を開拓 AI、量子コンピューティングの取り組み

  • 富士通
  • Tech
  • トレンド

Tech領域で仕掛ける「Newチャレンジ」を一挙公開!
日本の未来を変える、最新ビジネストレンド
近年、「デジタルトランスフォーメーション」という言葉が注目を集めている。人工知能やIoTなど、先端技術の活用によってビジネストレンドは一変し、世の中には新たな価値が数多く誕生。テクノロジー領域の進化を担う企業の成長は目覚しい。そんな、“日本の未来を変える”現場で働く技術分野のプロフェッショナルたちは、何を見据え、どんな挑戦に挑んでいるのか。各社のミッションを聞いた。

富士通

常務理事 首席エバンジェリスト 兼 エバンジェリスト推進室長 中山 五輪男氏

なかやま・いわお/法政大学工学部電気工学科卒業後、複数の外資系ITベンダーを経て、2001年ソフトバンクに入社。 08年には、ソフトバンクにおいて首席エヴァンジェリスト(伝道師)に就任。iPhone、iPad、PepperやIBMの人工知能システムWatsonなどの訴求をミッションに、年間300回に及ぶ全国各地での講演活動や執筆活動、TV出演などに奔走する。さらには国内30以上の大学でも特別講師として活動。エバンジェリストとして多方面で活躍した後、17年8月に富士通常務理事首席エバンジェリストに就任

「シンギュラリティ」という言葉を耳にしたことはありますか? 技術によって、世の中が後戻りできないくらい変化することを言うのですが、今まさにシンギュラリティ時代が到来しようとしています。ベンチャー企業が大企業の時価総額を超えることも起こりうる現代において、この劇的な変化に対応できない企業は、たとえ大企業であれ淘汰されていくでしょう。これは富士通にとっても他人事ではありません。今後富士通は、変化に適応できるだけでなく、自ら変化を生み出せる企業になっていく必要があると考えています。
歴史のある日本の大企業が変化を生み出していくのは容易ではないのでは、と思われがちですが、実は当社は30年ほど前からAIの研究開発を行っており、現在は実用化が数十年後になると言われている量子コンピューティングの研究に注力するなど、時代に先駆けて最新技術に取り組んでいます。
当社は、日経コンピュータ「パートナー満足度調査2018年」で「AI・IoT基盤システム製品部門」をはじめ4部門で1位を獲得。さらに、IDCが発表したAIソリューションベンダーのAI認知度アンケート調査でも1位に輝きました。当社のAI『Human Centric AI Zinrai(ジンライ)』が手掛けるAI案件はここ数年で1400件を超え、急増を続けていることからも、これまで外資系企業のAIが独走していた日本の市場状況が、少しずつ変容しつつあることを感じていただけるのではないでしょうか。
Zinraiのような国産AIが選ばれるようになってきた理由の一つが、日本語処理能力に優れていること。日本語特有の多様性や曖昧性に対して、的確かつ自然な回答を出せるという点においては、やはり日本企業が作っている国産AIは秀でています。また、お客さまの要望に合わせてカスタマイズすることが可能な「インテグレーション力」なども含めてトータルで高評価をいただけているのだと思います。
シンギュラリティ時代の到来に向けて変化を生み出していく上でもう一つ大切になってくるのが、さまざまな企業や組織と共創すること。これからは、企業や国境の壁を越えて複雑に融合しながらイノベーションしていく「オープンイノベーション」の時代です。例えば、当社は現在マイクロソフトと協業し、AIを用いた「働き方改革」に取り組んでいます。
急速に進化するデジタル技術を活用した生産性向上に向けた動きがグローバル規模で活発化している中、富士通とマイクロソフトはこれまでの協業の枠組みをAI分野にも拡大し、まずは両社が持つAI技術やサービスを活用したさらなる働き方改革を実現するソリューションを共同で開発、提供していく予定です。


量子コンピューターから着想を得た『デジタルアニーラ』を突破口に

企業のAI活用が進むにつれて必要不可欠になってくるのが、さらに高速なコンピューターです。そこで注目されているのが従来のコンピューターの原理とは全く異なる「量子コンピューター」。当社では時代を先読みしてこの技術の研究開発に以前から取り組んできました。そして生まれたのが、量子コンピューティング技術から着想を得た『デジタルアニーラ』という新しい製品です。
汎用的に利用できる本物の量子コンピューターが製品としてまだ世の中に出ていない現時点において、量子コンピューターと近い動きをする製品であり、クラウドで手軽に利用できるサービスは世界唯一のものになります。「組み合わせ最適化」に強いデジタルアニーラに現在期待されているのは、主にデジタルマーケティングや流通、医療、製薬などの分野。医療分野で言えば、手術を行うときの手順、製薬の分野で言えば新薬開発時の化合物の組み合わせパターンなどの条件によっては、富士通のスーパーコンピューターでも8億年かかると言われている最適な組み合わせを、わずか数秒で導き出すことができます。
当社の直近の課題は、デジタルアニーラを生かせるマーケットを開拓していくこと。将来的には本物の量子コンピューターのリリースも視野に入れていますが、まずはデジタルアニーラの潜在的なニーズを見つけ出し、攻めていくフェーズにいます。
量子コンピューターに限らず、VRやIoTなど、すでに確立されている分野にも、まだ誰も発見していない新しい技術が潜んでいる可能性もありますし、先々のことは誰も分かりません。しかも、すでに発明されている最新テクノロジーを連携させて新しいマーケットを築くことも可能ですし、他社に追随するのではなく、富士通が「開拓者」となってできることはまだまだあると考えています。
そんな私たちが学生の皆さんに期待するのは、誰にも負けない「オンリーワン」を見つけること。好きなことや得意なことを思いきり伸ばしてください。若いうちにさまざまな仕事にチャレンジし、「これだけは負けない」という分野をじっくり探してみてください。それが見つかれば、人生も楽しくなりますし、シンギュラリティ時代を生き抜く強さにもつながるはずです。

企業情報

富士通の企業情報

合わせて読みたいこの企業の記事