SAPジャパン
2021/10/25 更新「無意識の偏見」にとらわれない
組織やマネジメントのもとで、
個人の力が最大限発揮される
シニアアカウントエグゼクティブ Diversity & Inclusionチーム統括リーダー
2008年に中途入社。マーケティング部門にてイベントの企画・運営、テレマーケティングプロジェクトの立ち上げ、クラウド人事ソリューションのマーケティングなど幅広く担当。17年からは、社内初のケースとなるマーケティング部門から営業部門へ異動。営業職として通信業界を担当する傍ら、ダイバーシティ経営と働き方改革を推進するD&Iチームの統括リーダーも兼務する
全社員で取り組む意識改革
自身の特権に気づくことが
多様な価値観を受け入れる一歩に
当社でDiversity&Inclusion(以下、D&I)の動きが加速し始めたのは2018年です。経営幹部に誘われ、他数名のD&Iに関心を持つ仲間と共にD&Iチームを発足したのが始まりでした。その活動当初から取り組んできたのが、マネジメント層から順番に進めている男女の違いを理解するための意識改革研修です。
D&I活動の目標は決して女性活躍推進だけではありませんが、当社では女性比率・女性管理職比率が低いという課題がありました。また25年までに女性管理職比率を20%にすることを目標に掲げていたので、多様性を促す一歩として最適なテーマだったのです。
もちろん、それまでにも女性活躍推進に関わる取り組みは行われていました。しかし、ママ社員を対象にしたものがほとんどで、それが逆に「ダイバーシティ=女性活躍」という一辺倒な印象を抱かせてしまい、それ以上のものに発展していかないのではという声も出てきました。そこで、アジアパシフィック地域向けに実施されていたこの研修をD&Iチームの中心メンバーである人事本部HRビジネスパートナーの施向が「日本でも展開したい」とアイデアを持ち込み、チームで研修のローカライズや企画・運営を行いました。
このプログラムでは、映像視聴とディスカッションを通じて、男女間の考え方の違いや、無意識に享受している男性、女性としてのそれぞれの特権について理解し、「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」への気づきを促します。研修をリードする施向いわく「SAPは男女平等の考えが浸透している会社なので大半の社員が『バイアスなんてないよ』という気持ちで参加しますが、研修後はほぼ全員が自分では意識していなかった認知のゆがみや偏りを認識します。女性である私自身でさえ、女性に対する固定概念があるのだと痛感しました」と話します。この取り組みを機にマネージャー層の意識が変わり、日々のマネジメントに反映することでSAPジャパン全体の多様性向上につながると信じています。
また、男性・女性の意識改革だけでなく、当社のD&I活動は「Global Culture」、「Generation」、「Gender」、「Beyond 3Gs」(全ての人がインクルーシブに協働できる環境)、そして全体を網羅して他社との共催イベントや情報交換を目的とした「External Communication」という5つのテーマのもと、多彩な活動を行っています。
D&Iの活動が活発化するに伴い、ビジネスも右肩上がりの成長を示しており、D&Iの推進がビジネスへも貢献していると感じています。特に、最近の社員満足度調査では、ダイバーシティに対する評価がグローバル全体でトップの数字だったことは非常に励みになりました。D&I活動は一朝一夕で成果が出るものではありませんが、地道な活動の繰り返しの先に社員や会社、ひいてはお客さまへの貢献、日本の変革にもつながると信じ、引き続き、SAP全社員を巻き込みながら取り組んでいきたいと思います。
新卒社員から経営幹部までさまざまな世代、性別の社員が有志で集まるD&Iチームは約40名規模に拡大中
ダイバーシティ経営が
キャリアに与える効果
社員の可能性を生かすさまざまな機会が得られる
バイアスにとらわれない判断力が醸成されることで、マネージャーにとっては社員に可能性を生かす機会を与えられ、社員にとっては主体的にチャレンジできる機会が広がる
自分らしく働ける環境が実現できる
働き方あるいはワークライフバランスに対する世代間の考え方の違いを互いに理解し協調しながら、一人一人が自分にとって働きやすい環境を実現することができる
違いを受け入れ、共に成長する文化の醸成
上司部下の壁を取り払い、忌憚なくフィードバックし合う文化を歓迎することで企業全体の風通しがよくなる。また、そこで共有された考えや価値観の違いが互いの成長につながっていく