世界初の人工知能型ERP製品「HUE」を企画開発。大手企業向けERP市場における販売者数シェア調査ではNo.1を獲得(2014年度・富士キメラ総研調べ)するなど、業界をリードし続けるワークスアプリケーションズ。そんな同社のインターンシップに参加した浅岡諒氏は当時を振り返る。
「自身の活躍の場を選ぶために金融・コンサル業界を中心に、多様な国内外のインターンシップに参加していました。中でも自身のビジネスに対する価値観を決定づける機会となったのが、当社でした」
同社のインターンシップのメインミッションは、“0→1でビジネスを生み出す”こと。7日間かけて新しいサービスを企画開発する。次世代に求められるかどうか、現場の最前線で活躍する社員とともに、徹底的に議論を重ねる濃密なプログラムとなっている。
「当時のテーマは、育児を支援するアプリの企画開発でした。自分とはかけ離れたターゲットに向けた企画のため、正直難しかったのですが、自分なりに、これぞという新しいアイデアを考えました」
さまざまなインターンシップの経験を生かし、浅岡氏は練り上げた企画を担当社員に提案した。
『この企画では、サービスとして成立していない。前提であるターゲットが抱える問題が何かということが定義できていない』と、担当社員からの厳しい言葉に、浅岡氏は打ちのめされたという。
7日間と短期間の中で、浅岡氏はいくつもの提案を重ねた。
「何度も提案するが、一向にGOサインが出ない。積み上げた論理展開も容易に覆される。経験のない悔しい日々が続きましたね」
1100社を超える企業の事業課題を見い出し解決策を提案する同社において、最も重要なことは、”問題を解決する”ということ。浅岡氏は、そんな同社のビジネスパーソンに欠かせない”力”を身をもって知る機会となった。
「論議を重ね、気づいたのが、問題解決で大切なのは、突飛な企画を思いつくことではなく”問題そのもの”が何かを徹底的に検証すること。そして解決策を導くことではじめて、世に必要な企画となることを理解しました」
大きな気づきを得た浅岡氏は、育児をするママたちの生活について深く掘り下げ、ターゲットの心理を突いた的確な企画を立案。満を持して最終のプレゼンを行った。
「複数チームの中で、結果は惨敗。限界まで考え抜かれた自身の企画を上回る他チームの提案に、力の差を見せつけられました」
十分な結果ではなかったが、彼にはある心変わりがあったという。
「悔しさもありましたが、それ以上に隠れた課題を想定し解決することが、世のビジネスを根底から変えられるという可能性に心が躍りました。当社で経験を積めばビジネスシーンに不可欠な”力”を確実に習得できる。わたしのキャリアはその瞬間にはじまりました」