日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ

2021/10/27 更新

グローバルとは何かを体感し
日本企業を世界につなぐ
橋渡し役になれる

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ダイバーシティ経営実践企業7社が紹介
「多様性の中で働くこと」がキャリアに与える影響は?

昨今、ダイバーシティ経営が、企業の生命線とまで言われている。では、ダイバーシティ経営を実施する企業で働くことは、社員のキャリアにどのような影響を与えるのだろう? 各社でダイバーシティ推進に取り組む担当者に、多様性のある組織で働くメリットを聞いた。

副社長 最高人事責任者
谷村佳幸

九州大学大学院で人工知能を研究し、修了後、日本アイ・ビー・エムに入社。2010年アイ・ティ・フロンティア入社。13年取締役副社長に就任するとともに、CTOとしてデリバリー組織を統括。14年7月の日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ発足以降も、副社長 サービスデリバリー担当として、21年3月までデリバリー組織を統括。21年4月より現職

テーマ

躍動する多国籍チーム

日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ(以下、日本TCS)は、世界屈指のITサービス企業であるタタコンサルタンシーサービシズ(以下、TCS)と三菱商事の合弁会社です。「Gateway to Globalization ━ 業種やビジネスの拠点を問わず、競争力を高めるパートナー」と「Catalyst for Technology-led Business Innovation ━ ITやデジタル技術を駆使し、ビジネス変革を加速するパートナー」を経営ビジョンに掲げ、お客さまが、海外市場で競合他社と対等に渡り合っていくために必要なビジネス変革を創造し、テクノロジーで支援することを目指しています。TCSの社員は全世界に50万人、国籍は155カ国に及びます。

日本TCSは社員3000人で、国籍は20カ国(21年8月時点)。日本人の次に多いのが、800人にのぼるインドからの出向社員(エクスパット)です。インド主要都市には、日本企業専用のデリバリーセンター(Japan-centric Delivery Center。以下、JDC)があり、日本の文化や商習慣を学んだ現地採用の技術者が約4000人在籍。既にダイバーシティ経営の構造を持った企業です。

日本企業がグローバル市場で勝ち抜く競争力を保持するには、世界中で活躍するエキスパートたちとの協業が欠かせません。しかしながら、日本人とは文化的背景、価値観、視点などが異なっており、その違いは仕事の進め方にも表れるのです。例えば、システム開発には、システムの機能や要求を整理する要件定義という工程があります。日本では多くの場合、私たちのようなIT企業がお客さまの要望をヒアリングし、システムを企画・設計します。一方海外では、お客さまが明確に要件を確定させ、IT企業はその要件に沿って開発を行います。どちらかが100%正しいというわけではありません。大切なのは、このような仕事の進め方の違いを理解した上で、時にはお客さまに対してグローバル・スタンダードに基づく進め方を提案し、プロジェクトを遂行するということです。それこそがグローバルプロジェクトで良い成果を出すための重要な鍵であり、その時日本TCSは、IT分野のサポートという枠を超え、お客さまと一緒に歩む存在になれるのです。

グローバルリーダーの育成に向け
多様なトレーニングを実施

インドをはじめとした世界中のTCSと日本TCSが連携し、お客さまに世界と日本の知見を融合した最適なソリューションを提供する「ハイブリッド・デリバリー」がわれわれの強みです。14年発足以降の新規契約のうち約9割がハイブリッド・デリバリーに該当し、新入社員の6割(5人中3人)が海外にいるTCS社員と共に仕事をしています。

そうした環境で働く社員の成長を支援し、将来より大きなステージで活躍できるグローバルリーダーを育成するため、あらゆる取り組みを行っています。

例えば、今年4月に開始した階層別トレーニング『Elevate(エレベート)』は、次世代のリーダーを育成するための新たなプログラムです。お客さまの変革を支えるため、次世代に求められる知識やスキルを体系化し、新入社員、中堅社員、ベテラン社員それぞれの階層でスキルアップ可能なトレーニングを提供しています。TCSと共通のカリキュラムなので教材は全て英語。日本の社員にもグローバル・スタンダードで学ぶことを求めています。

他には『Global Deployment Program』という海外派遣プログラムもあります。アメリカ、イギリス、インドなどの海外プロジェクトに若手・中堅社員を派遣し、TCSが世界の顧客からどう見られ、どのようにプロジェクトを進めているかを1~2年かけて直接経験し、日本と海外の違いを体得してもらいます。ここ数年はパンデミックを背景にプログラムを一時中断していますが、安全が確保できる状況になり次第再開する予定です。一方で、この世界情勢は、物理的な境界に縛られず世界各地に在籍するTCS社員やお客さま、パートナーと、バーチャルでも対面と同等にコラボレーションできることを私たちに気付かせてくれました。日本のオフィスや自宅にいながら、多様なメンバーを巻き込んで価値を生み出していく。そんなエキサイティングな経験を日本TCSの社員にはたくさん味わってもらいたいと思っています。

こうした多様なトレーニング環境を通して、グローバルに活躍できる人材育成を加速させ、いずれは全社員が「ハイブリッド・デリバリー」を担えるようになることが、私たちのダイバーシティ経営の目標です。

グローバル人材を育成するために、さまざまなスキルトレーニング、キャリア開発を行っています

ダイバーシティ経営が
キャリアに与える効果

実務レベルの英語力が鍛えられる

日本TCSで働くインド人社員は約800名。JDCには約4000名のインド人が在籍。その社員たちとは常に英語で仕事を進めるため、実務レベルの英語力が鍛えることができる

国内外の最新事例に触れられる

TCSおよび日本TCSは、世界の各産業でトップクラスの顧客とプロジェクトを進めている。そのため、国内外の幅広い業界知見、そして最先端のテクノロジーに触れることができる

グローバルで通用するマインドセットが身に付く

海外と日本では仕事の進め方が異なる。お互いに違いを理解しながら、仕事の進め方を最適化する経験を積むことで、加速するグローバル環境に必要なマインドセットを養える

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