2025/7/10 更新 就活コラム
■就職した場合
・メリット:社会人としての基本的なスキルを体系的に学べる
・注意点:大企業の業務が細分化されていることに物足りなさを感じることもある
■起業した場合
・メリット:若いうちから経営やビジネスの現場に飛び込める
・注意点:あらゆる領域において壁にぶつかりやすくなる
就職活動が本格化する時期になると、一部の学生の心に
「本当に自分は就職するべきなのだろうか?」という疑問が芽生え始めます。
SNSやYouTubeでは、20代前半で起業し、成功しているように見える若者の姿があふれており、
そんな世界を見れば「会社に入らず、自分も挑戦してみたい」と感じるのも自然なことです。
一方で、現実的には多くの学生が新卒として企業に入社する道を選びます。
では、就職と起業、それぞれにどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
キャリアのスタート地点に立つ皆さんにとって、後悔のない選択をするためのヒントを、就活コンサルタントの視点からお伝えします。
まず、新卒で企業に就職することの一番の利点は、
社会人としての基本的なスキルを体系的に学べることです。
企業は新卒を「育てる前提」で採用しており、ビジネスマナーや報連相、会議の進め方、仕事の段取りなど、
初歩から丁寧に教えてくれる環境が整っています。
これは学生から社会人へとステップアップする上で、とても安心できる仕組みです。
また、収入の面でも安定しており、毎月の給与や福利厚生によって、生活基盤が確立されます。
このような安定は、将来の設計を考える上で大きな安心材料になるでしょう。
そして、大企業であれば多様な部署や職種があり、さまざまな上司・先輩・同僚と関わる機会が得られます。
そのなかで人間関係の引き出しが増え、視野が広がるのも大きな魅力です。
ただし、新卒就職にも注意点はあります。
とくに成長意欲の高い人にとっては、
大企業の業務が細分化されていることに物足りなさを感じることもあるでしょう。
1年目は書類作成やサポート業務が中心で、「もっとチャレンジしたいのに」と感じる人も少なくありません。
また、大手企業ほど組織のルールやプロセスが厳格で、意思決定に時間がかかることもあり、
自分の裁量で物事を動かすのが難しい場面も多々あります。
一方、学生時代に起業することには、
若いうちから経営やビジネスの現場に飛び込める
という圧倒的な実践力の養成機会があります。
自分のアイデアで事業をつくり、顧客を集め、売上を立てるという経験は、会社員ではなかなか得られません。
また、やらなければ事業が回らないという環境に身を置くことで、
否応なく実行力や判断力が磨かれ、早い段階で成長するチャンスにもなります。
さらに、自分が信じる価値やアイデアを軸にしてビジネスをつくっていけるという自由さは、
起業ならではの醍醐味といえるでしょう。
とはいえ、起業の道は決して平坦ではありません。
特に未経験から始める場合、営業、資金繰り、契約書、マーケティング、チームビルディング
といったあらゆる領域において壁にぶつかりやすくなります。
また、結果がすべて自分に跳ね返ってくるため、
孤独感やプレッシャーに悩まされることも多く、メンタルのコントロールが求められます。
さらに、起業経験を履歴書で活かすには、明確な説明力とストーリー性が必要になります。
「なぜ起業したのか」「なぜ辞めたのか」「そこから何を学んだのか」
が伝えられなければ、ただの遠回りと見られることもあるのです。
最終的に大切なのは、自分がどのようなキャリアを描きたいのかをしっかりと見つめることです。
たとえば、将来は起業して経営者になりたいという目標があるのなら、学生時代から挑戦する価値は大いにあります。
一方で、ビジネスの全体像を幅広く学びたい、社会人としての土台を固めたいという思いがあるなら、
まずは就職という道から始めるのが堅実でしょう。
近年では「就職してから副業として個人事業を始める」など、
どちらかに決めつけず柔軟にキャリアを組み立てることも可能な時代です。
どちらの選択をしても、重要なのは自分で選んだ道に責任を持ち、そこから何を学び、どう成長するかです。
目先の利益や表面的なかっこよさに惑わされず、
5年後、10年後の自分がどうなっていたいかを考えることで、選択の軸が明確になります。
迷いがあるときは、一人で抱え込まずに、信頼できる大人や先輩に相談するのも良い手段です。
あなたの一歩が、確かな未来につながるように。
今こそ、自分にとって本当に納得できる選択をしていきましょう。
文:丸山 智士(就活系X(Twitter):就活生に知られたくないっ!※フォロワー8万以上)
著書:不安を自信に変える!就活面接【正しい】答えかた/秀和システム
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