2025/6/26 更新 就活コラム
■就活はゴールではなくスタート
●一つの会社に長くいるメリット/デメリットとは?
└メリット
① 信頼と実績の蓄積
② 昇進・昇給がしやすい
③ 社会的信用が高まりやすい
└デメリット
① 自社の常識に染まりすぎる
② 転職市場での価値が見えにくくなる
●早期に転職するメリット/デメリットとは?
└メリット
① キャリアの方向修正がしやすい
② 多様な経験が積める
③ 市場価値を把握しやすい
└デメリット
① 信頼構築に時間がかかる
② 転職のたびにリスクが伴う
③ 長期的なキャリア形成が難しい場合も
「この会社でずっと働くつもりですか?」
就活生の多くが、企業説明会や面接の場で一度はこう問われた経験があるでしょう。
しかし、現代のキャリア観は多様化しています。終身雇用が当たり前だった時代から、
「転職を前提としたキャリア設計」も一般的になりつつあります。
実際、新卒3年以内に3割以上が離職しているというデータがあるように、
最初の就職が“ゴール”ではなく、“スタート”に過ぎないという考え方が主流です。
では、「一つの会社に長くいること」「早く転職すること」には、それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
長年勤めることで、上司や同僚からの信頼が厚くなり、大きな仕事を任されやすくなります。
また、社内の人脈や制度にも精通し、“社内のプロ”としての価値が高まります。
日系企業では今でも年功序列の要素が根強く、長く勤めることで課長・部長といったポジションに昇進しやすくなる傾向があります。
住宅ローンやクレジットカードの審査など、「勤続年数」は社会的信用の一要素です。
安定志向のライフプランを立てやすいのは事実です。
長年同じ会社にいると、他社との比較や外部の視点が持ちにくくなることも。
特に急成長する業界では、変化に適応しにくくなる可能性があります。
転職を考えたとき、社内では評価されていたスキルが、社外では通用しないということもあります。
市場価値の可視化が難しくなる点には注意が必要です。
「思っていた仕事と違った」「自分には合わなかった」こうした気づきを得た早い段階での転職は、
自分にフィットする環境を探すチャンスでもあります。
“経験を活かして別の道へ進む”柔軟性は、むしろポジティブに評価されることもあります。
複数の会社で働くことで、異なる価値観・仕事の進め方に触れることができます。
これは広い視野や応用力、適応力を育てるうえで大きな財産です。
転職活動を通じて、「自分がどの分野で評価されるのか」「他社が求めるスキルは何か」が明確になります。
これはキャリア設計の指針になります。
短期離職が続くと、「またすぐ辞めるのでは?」と疑われやすくなります。
企業によっては書類選考で不利になるケースもあります。
新しい環境に馴染めるかどうかは不確定要素が大きく、失敗する可能性もあります。
人間関係やカルチャーのギャップも、ストレスの要因になります。
転職を繰り返すと、結果的に「軸のないキャリア」と見なされることがあります。
「次はどうするのか」を常に意識した戦略的な転職が求められます。
「辞めるべきか」「続けるべきか」その判断軸で迷うこともあると思います。
ただし、大切なのは、「辞める=悪」ではなく、「続ける=正義」でもないということ。
その選択が自分のキャリアビジョンに合っているかどうかを考えることが重要です。
たとえば、「3年以内に起業したい」「海外で働きたい」「〇〇業界で専門性を高めたい」
といった明確なビジョンがある人は、早期転職や社外経験がプラスに働くでしょう。
一方で、「一つの領域でじっくり力を磨きたい」「安定した環境で成長したい」なら、
長期的な勤務がフィットするかもしれません。
就職先を決めるときには、
「とりあえずここでいいか」ではなく、「この選択は自分の未来とどうつながっているのか?」
を一度立ち止まって考えてみましょう。キャリアに正解はありません。
でも、「自分で選び取った」という実感が、どんな選択にも納得と責任を与えてくれるのです。
文:丸山 智士(就活系X(Twitter):就活生に知られたくないっ!※フォロワー8万以上)
著書:不安を自信に変える!就活面接【正しい】答えかた/秀和システム
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