2017/11/1 更新 トップの決断

【シスコシステムズ代表執行役員社長/鈴木みゆき氏】目覚ましい成長を達成し、トップカントリーの座を射止める

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トップの決断
ビジネス環境の変化に柔軟に対応し、エクセレントカンパニーとして名を馳せる企業各社の経営トップインタビュー。逆境または好機のタイミングにどんな経営判断を下し、成長を続けてきたのか? その打ち手の数々から、各社が大事にする価値観、行動理念を探ってみよう。

シスコシステムズ合同会社
代表執行役員社長
鈴木みゆき氏

社長就任早々、若手の力を信じタスクフォースを設置

 私がシスコに入社して間もなくのことです。米国カリフォルニア州サンノゼにある本社で、当時のジョン・チェンバースCEOと面談する機会がありました。そこで彼に投げ掛けられた言葉は今でも忘れられません。

「日本市場は、すでに成熟しているように見えるかもしれない。でも私はまだまだ可能性があると信じている。ぜひあなたには、大きな成長を実現してほしい」

 この面談で私への期待はよく理解できました。しかしどうやって成長を実現すべきか——。頭を悩ませつつ帰国した私は、改めて市場環境の把握とシスコの立ち位置を見直してみました。そこで日本企業の99%以上を占める中堅・中小企業や自治体、教育、医療などの公共部門では、もっとビジネスの機会を広げることができると考えたのです。パートナー企業との関係やサービス提供の在り方を変えればきっと商機がある。そう確信した私は1つの決断を下します。そのための戦略やプロセスの立案と実行を社員に委ねることにしたのです。

 最初に取り組んだのは、変革のためのタスクフォースを編成することでした。各部門から若くて優秀な社員を集め、「馬鹿なアイデアも、間違ったアイデアもない!」と叱咤激励し、新たな可能性を模索させたところ、瞬く間に200ものアイデアが集まりました。そこから20のアイデアをよりすぐり、具体化に向けて動き出したのです。社長就任から3カ月後のことでした。

前例なきチャレンジが数々の成果を生んだ

 タスクフォースから生まれた最初の成果は、2015年9月に発表した『Cisco Start』でしょう。従来、シスコが提供する製品やサービスは、グローバル共通が前提でした。しかしさらなる成長のためには、日本市場に最適化された製品・サービスが必要だと考えた私たちは、何度も本社に掛け合い、開発担当者に来日してもらうなどして、ついに中堅・中小のお客さま向けにシスコ製品を手頃な価格帯で提供する日本独自ブランド、Cisco Startの実現につなげました。これと並行してかつては英語で提供していたマニュアルやドキュメント、サポートなどの徹底した日本対応を図り、パートナー企業への支援体制を拡充したところ、当初1000社足らずだったパートナー企業数が、わずか2年で5000社となり、対象市場に対する事業を年率30%で伸ばすことができたのです。

 もう一つ、タスクフォースから生まれた取り組みをご紹介します。それは相手先ブランドを通じてシスコ製品を普及させる試みです。

 具体的には、製品販売にあたってシスコブランドを前面に打ち出すのではなく、産業用ロボットのファナックさんや、工作機械のヤマザキマザックさんといった業界大手が提供されている最新のIoTソリューションのポートフォリオにシスコ製品を組み込んでいただくことで、新たな販路を拓くというもの。ファナックさん、ヤマザキマザックさんは、すでに世界各国に顧客をお持ちの大企業です。つまりこうした協業体制を通じ、日本発のシスコソリューションをグローバル展開できるようになりました。

変革から2年、グローバルで高い評価を得る

 変革への取り組みに終点はありません。シスコは2020年の東京オリンピック・パラリンピックのネットワーク製品のオフィシャルパートナーです。20年に向けて、高度なネットワークソリューションでスタジアムでの観戦体験を豊かにするほか、訪日外国人客4000万人時代を見据え、スマートツーリズムやスマートシティの普及にも力を注いでいます。特にスマートシティにおいては、京都府と協定を結んでプロジェクトを推進し、地域の活性化に貢献しています。

 このように15年以降、過去に前例のない取り組みを続けてきた私たちですが、17年は特に実りの多い年になりました。17年8月にラスベガスで開催された社内の年次カンファレスにおいて、私たち日本は高い業績と革新的な取り組みが評価され、シスコグローバルにおけるトップカントリーに選出されたからです。これもパートナー企業の協力を得て、全員が一丸となってチャレンジした成果だと感じています。

 IT業界は、他の業界の何倍も変化が速く激しい世界です。今後もこの荒波を乗り切るためには、変化を恐れることなく、自ら変化を起こそうという気概を持った人材が欠かせません。

 シスコはテクノロジーのみならずビジネスの進め方もイノベーティブです。多様なバックグラウンドを持つ仲間と力を合わせ、自分の仕事にしっかり向き合い、社会を変え自らも成長していこうという強い意志を持った方々と共に、変化を楽しみたいと思います。

PROFILE
すずき・みゆき/英オックスフォード大学卒業後、1982年にロイター(現トムソン・ロイター)に入社。97年、同社の東南アジア代表取締役に就任する。以後、日本テレコム(現ソフトバンク)専務執行役員兼コンシューマー事業本部長、レクシスネクシス・ジャパンのアジアパシフィック代表取締役兼CEO、KVH(現Coltテクノロジーサービス)代表取締役社長兼CEO、および代表取締役副会長など、数々の要職を歴任。2011年12月、ジェットスター・ジャパン代表取締役社長兼CEOに就任、15年5月、シスコシステムズ代表執行役員社長に就任。現在に至る

【会社の沿革DIGEST】

●2015年8月 タスクフォースを導入
変革意識の高い若手社員を各部署から集め、成長戦略を描くタスクフォースを編成。変革を加速させる
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●2015年9月 『Cisco Start』リリース
手つかずだった中小企業市場を開拓するため、日本主導で独自ブランド『Cisco Start』を立ち上げる
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●2016年1月 ファナックとの協業発表
産業用ロボットメーカー、ファナックと産業ロボットの稼働率向上に向けての連携を推進
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●2016年11月 ヤマザキマザックと協業発表
工作機械メーカー、ヤマザキマザックと工場のスマート化で協業。製造業のデジタル化に関する連携を加速
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●2017年8月 トップカントリーに選出
業績と革新的な取り組みが評価され、日本法人がシスコグローバルのトップカントリーに選出される

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