2017/11/1 更新 トップの決断

【アビームコンサルティング代表取締役社長/岩澤俊典氏】グローバル化戦略を大きく転換し、日系企業の海外支援に注力

  • アビームコンサルティング
  • 経営層

トップの決断
ビジネス環境の変化に柔軟に対応し、エクセレントカンパニーとして名を馳せる企業各社の経営トップインタビュー。逆境または好機のタイミングにどんな経営判断を下し、成長を続けてきたのか? その打ち手の数々から、各社が大事にする価値観、行動理念を探ってみよう。

アビームコンサルティング株式会社
代表取締役社長
岩澤俊典氏

パラダイムシフトを予見し、変革の波を捉えろ

 アビームコンサルティングは、米国で会計監査業務とコンサルティング業務の分離規制が導入されたことがきっかけで、2003年にデロイトグループから独立して誕生。それまでは会計事務所は同じクライアントに対し、監査業務とコンサルタント業務双方を提供していました。この規制を受け、デロイトグループからの離脱か残留の二択を迫られたのです。そして私たち日本はグループを離れる決断をしました。

 残留を選択すれば、監査業務を含めて今まで支援してきた大切なクライア ントを切り捨てることになります。一方で独立すれば、看板とグローバルネットワークを失うことは明白でした。 私たちはこれまで支援してきた“クライアントに価値を提供し続ける”道を 選んだのです。このクライアントフォーカスを“リアルパートナー”という理 念として掲げています。

 こうした経緯から、独立後は新たなグローバルネットワークの構築が最大のミッションになりました。しかし、アジアや欧米で企業買収を進め、拠点を増やし成長軌道に乗りかけた矢先に、リーマンショックが起き、当社の売上もグローバル全体で落ち込んだ中、私は社長へ就任したのです。

悪い時だからこそ、新たなチャレンジができる

 こんな時期に運が悪いと思う人もいるかもしれません。しかし私はむしろ絶好のタイミングだと考えました。好調な時なら守りに入ってしまうかもしれないが、ピンチの時こそ新たな挑戦や改革が断行できる。経営のバトンを受け継ぎ、最初に行った決断が、「グローバル戦略の転換」です。

 それまでは、各国拠点が現地の海外企業向けにコンサルティングを行う方針でグローバル化を進めてきました。しかしアビームの海外拠点は外資系総合ファームに比べればまだ規模が小さく、景気の変動リスクに十分に対応できない部分がありました。よって私たちがグローバルで戦い、成長し続けるためには、得意領域である「日系企業の海外展開支援」にフォーカスすべきだと決断したのです。

 当社では、独立前の 00年から日系大手消費財メーカーである花王様のグローバル戦略を支援してきました。海外拠点を含めたグループ全体の経営基盤を標準化し、10 年間で基幹システムを統一。そのノウハウをもとに、数多くの日系企業の海外展開を支援したことで、“グローバル経営基盤の構築・導入なら、アビームがナンバーワン”と断言できるまでになりました。だから私は経営トップとして、“この強みを徹底的に活かす”という決断ができたのです。

 私の社長就任後、すべての海外拠点で新たな戦略を実行するためリーダーを任命。日系企業を支援するノウハウと経験を持った日本本社のコンサルタントを積極的に現地に派遣しました。

 これらの戦略が功を奏し、2012 年にはリーマンショック前の業績に追い付き、 16 年度の売上は、 09年度の1.5倍にまで拡大しました。現在は日本に籍をおくコンサルタントのうち1000名が海外現地で仕事をしている体制を目指しています。

現地主導型へのシフトやクラウドシフトにも対応

 この成長は、アビームが世の中のパラダイムシフトを予見し、いち早く手を打ち、デファクトスタンダードを取り続けてきた結果です。ここ数年は日系企業の海外拠点の意思決定に関わるソリューション提供に注力していま す。従来は、海外のビジネスにおいても日本の本社が主導権を握ってきまし た。しかし今後は海外拠点に主導権を移すと予測したからです。

 この予兆を察知したのは、日本の経常収支が貿易収支型から所得収支型に移行した時です。日本企業は、輸出入ではなく現地法人からの配当収入で稼いでいたのです。よって私たちも、海外拠点の経営の意思決定に深く入り込む戦略をとるべきだと判断しました。

 そのための武器として他社に先駆けてクラウドへのシフトを打ち出しています。『ABeam Cloud』と名付けたサービスはクライアント規模に応じて、当社の豊富な業務ノウハウをフレキシブルに組み合わせ、利活用できます。海外各国業務の特徴を組み込んだ業務プロセスを実現するコンパクトな経営基盤構築などにも、多くの引き合いがあります。

 私は社員に、“No.1かOnly1かFirst Moverであれ”と常に伝えています。根付かないと思われている瞬間にパラ ダイムシフトは起こる。その時こそ、大きな先行者利益を得られるチャンスなのです。時流の変化をいち早く捉え、 常に先手を打って成長してきたアビームだからこそ、今後も数多くの成長機会があると確信しています。看板に頼らず、真のグローバルプレーヤーになりましょう。

PROFILE
いわさわ・としのり/ 1966年、東京都生まれ。東京大学農学部卒業後、伊藤忠商事に入社。東南 アジアのビジネスを担当した後、1997年にデロイト トーマツ コンサルティング(現・アビームコン サルティング)に入社。製造業を中心に数多くの企業に対するコンサルティングを手掛け、成果を残 す。2000年には執行役員就任。04年にコンシューマ事業部長、ABeam USA CEO、06年に製造事業 部統括責任者、07年にはマネージングディレクターを兼任。08年に代表取締役を務めた後、09年に 現職である代表取締役社長に就任

【会社の沿革DIGEST】

●2003年 アビームの誕生
デロイトグループから独立。「日本発のグローバルファーム」として新たなスタートを切る
 ↓
●2009年 グローバル化戦略の大転換
リーマンショックの翌年、岩澤氏が社長に就任。日系企業の支援にフォーカスする新たな戦略にシフト
 ↓
●2012年 業績が回復、増収増益に転換
新たなグローバル化戦略が奏功し、リーマンショック前の業績を回復。その後は右肩上がりの増収増益に
 ↓
●2015年 アビームクラウドの提供開始
日系企業の海外現地法人のニーズに応えたクラウドサービスを提供。さらなる成長のけん引役となる

type就活 2018年度向け

行きたいイベントやセミナーに
簡単にエントリー

type就活エージェントを利用する
  • type就活とは
  • よくあるご質問

就活関連サービス

  • type就活エージェント
  • 東京就活キャンプ

お知らせ

  • インターン募集
  • イベントレポート
  • 就活体験談
  • 就活コラム