2018/6/1 更新 世界を舞台にイノベーションを起こす仕事

【TECH TREND INTERVIEW/デロイト トーマツ コンサルティング】「技術革新」+「ルール形成」で社会課題の解決を導く新ビジネスを創出

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【TECH TREND INTERVIEW】世界を舞台にイノベーションを起こす仕事
技術進化が加速度的に進む今、企業各社はさまざまなビジネス変革に着手している。世界市場に大きなインパクトを与えるべく、新たなビジネスやサービスの創出に挑戦している企業4社の取り組みを通して、今後、自身を大きくストレッチしてくれる可能性のあるビジネスフィールドを見いだしてみよう。

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
執行役員 兼 デロイト エクスポネンシャル カンパニー ヴァイス プレジデント パートナー
國分俊史氏

多摩大学大学院教授、多摩大学ルール形成戦略研究所所長。パシフィックフォーラム シニアフェロー。IT企業の経営企画、シンクタンク、米国系戦略ファームのプリンシパルを経て、20年以上にわたり経営コンサルティングに従事。社会課題を起点としたルール形成戦略の第一人者として、通商政策の支援や政官民連携によるイシューエコシステム作りを推進。安全保障経済政策のアドバイザーとして政府の委員等も歴任

テクノロジーの力を活用して新たな価値を創出する「デジタル・トランスフォーメーション」は、今や企業が成長するために不可欠な戦略となりました。ただ、「技術革新だけでは企業が変革を起こすことはできない」という点は、見落とされ続けているように思います。

テクノロジーに加えて必要なものとは何か。それは「ルール形成」です。デロイト トーマツ コンサルティング(以下、DTC)では、ルール形成を含めたビジネス創出支援を強化しています。

例えば自動運転。この技術の収益化のカギは、公道での実験のルールや、事故が発生した場合の運転手と自動車メーカーの責任分担、悪意ある第三者からのサイバー攻撃でしかも犯人が特定されなかった場合の事故の責任など、ルールが整備されなければ市場は創造できません。

新たなビジネスを生み出すためには、日本企業が自らルール形成を進める必要があります。しかし、残念ながらどの会社もそのための機能を持っていません。「ルールは国が作ってくれるもの」という意識が、日本に深く根付いているためです。一方、これまでルール形成を担ってきた国の官庁にしてみれば、生み出された技術が既存の管轄に当てはまらないため、「そもそもどの省庁が担当するのか」から考えなくてはならない。省庁間で調整し、担当が決まるのを待っていたのでは、日本企業はますます世界に後れを取ってしまいます。

となれば、民間企業が能動的にルール形成の戦略を描き、各省庁や政治家をも巻き込んで一からルールをデザインできるよう、支援する存在が必要になる。その役割を担っているのが、DTCです。日本企業の強みを活かしながら、社会課題を解決できるルール形成を目指しています。

ルール無き領域に生まれる、社会課題の解決を担う

DTCでは数年前から、社会課題の解決を通じて新たな産業やビジネスモデルを生み出すことを目的とした「社会アジェンダ」と呼ばれる案件を推進しています。

そもそもなぜ社会課題が存在するかといえば、その問題に関する政策がないまま放置されているからです。例えば、1997年に京都議定書が採択されるまで、どの国もCO₂を排出し放題でした。よって、地球温暖化の問題が深刻化したのです。

社会課題を解決するには、「CO₂排出量を一定の基準以下に削減する」といったルール形成が不可欠であり、その際には、CO₂抑制や再生可能エネルギーに関する技術革新も同時に必要となる。つまり、「社会アジェンダ」「ルール形成」「イノベーション」の3つは、相互に結び付いて成り立っているということです。

この3つを軸に企業変革を進めるべきだというのは、もはやグローバル共通の認識です。それを確定付けたのが、2015年に国連が掲げた「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」という持続可能な開発目標でした。貧困や教育、環境などの社会課題に対して17の目標を掲げ、国連加盟国の民間企業にそれらを解決する仕組みをビジネスモデルやサプライチェーンに埋め込むことを求めました。

これは捉え方を変えると、毎年約100兆円相当の額を民間企業が17のテーマに投資することであり、「社会課題解決」という新たな市場が誕生することなのです。これからは、人々にたくさん買ってもらえるモノを創出するだけでなく、人間が生み出したものが引き起こす社会課題を解決することがビジネスになる。学生の皆さんが社会に出る頃には、仕事の意義が全く変わっているかもしれません。

こうした背景を受け、DTCでは3つの領域に注力しています。水素社会の構築など、持続可能な生産・消費形態を追求する「Sustainability」、若年層の就労支援や地方自治体の活性化など、誰もが能力と意思に応じて可能性を追求できる経済・社会システムを実現する「Opportunity」、安全で開かれた公共サービス・公共インフラを整備する「Resilience &Accessibility」です。

「Resilience & Accessibility」では、主にサイバーセキュリティー領域に対するアプローチを強化しています。日本のサイバーセキュリティーへの投資額は、米国の2分の1に過ぎません。そのため日本は世界からセキュリティー・ホールと見なされ、「日本企業と情報を共有すると、漏洩の恐れがある」と警戒されてしまっています。

そこでDTCでは、民間企業、議員、官庁からなる研究会を創設して政策案の検討を行い、サイバーセキュリティー基本法の創設や官庁内の担当部署の新設を支援してきました。最近では政府が打ち出したインド太平洋戦略という新たな安全保障戦略を実現するために、サイバーセキュリティーの国際標準技術のルール作りも支援しています。

さらに、政府および民間企業のルール形成を支援し、ルール形成人材の育成も担うことを目的として、多摩大学に「ルール形成戦略研究所」を創設。私が所長を務め、閣僚級の議員や関係省庁の高官のほか、米国ホワイトハウスやオーストラリア政府の元高官、世界各国の著名なシンクタンクのメンバーもこの研究所に参画しています。ここまでのネットワークを持つのは、日本ではDTCだけでしょう。だからこそ、スピード感を持って世の中を動かせるのです。

ビジネスで優位に立てるのは「市場を創った人」である

従来のコンサルタントは、クライアントが抱える課題に対してアドバイスするのが仕事でした。しかし今は、クライアントが活躍できる市場そのものを新たに創ることが最大のミッションです。

市場が生まれれば、企業はそこで稼ぐ方法を考えます。その時にサポートを求める相手は、市場に最も詳しい人、つまり「市場を創った人」でしょう。社会課題の解決と日本企業への市場創造を両立できるルール形成を行い、その市場で勝つために個別の民間企業のニーズに沿った最適な支援をするというビジネス循環は、社会起業家を自ら体現していると言っても過言ではないと思います。

コンサルティング業界での活躍を目指す学生に伝えたいのは、「コンサルタントは黒子でも参謀でもない」ということ。求められているのは、誰かの陰に隠れて物事を操るのではなく、自らリーダーとして責任を担い、リスクを取れる人間です。自分が表に出れば、時には批判や非難を浴びることもあります。それでも自分の考えを主張し、周囲を説得して物事を動かしていけるのが、これからの時代に求められる新しいコンサルタント像です。

DTCで経験を積めば、コンサルタントとして高度な専門スキルを学ぶとともに、社会起業家としてのリーダーシップも養うことができます。世の中をより良くしたいという志を持った若い世代にとって、これ以上ない成長の場になるはずです。

取材・文/塚田有香 撮影/小林 正(スポック)

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