2017/12/8 更新 インタビュー

IBM Watsonが社会を変える! 「人工知能」を超えた、人間を支援する「拡張知能」の可能性

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新市場を切り拓くAIビジネス・イノベーション ― powered by 日本アイ・ビー・エム ―
検索エンジンやWebサービスなどにも組み込まれ、ますます身近な存在となってきたAI。だがAIの本当の可能性は、既存のビジネスモデルを変え、社会に大きなインパクトを与えられる点にある。その変革を牽引するのが、IBMが開発した『Watson』だ。IBMが仕掛けるAIビジネスの最前線から、先端テクノロジーが生む新たなビジネスフィールドに、どんな成長のチャンスがあるのかを探ってみよう。
(取材・文/塚田有香 撮影/桑原美樹 イラスト/村野千草(中野商店))

日本アイ・ビー・エム株式会社
執行役員 ワトソン事業部長
吉崎敏文氏

1985年、日本アイ・ビー・エムに入社。経営企画担当を経て、99年にアジアパシフィックのBT/CTO担当部長へ。2003年からアジア全体のe-business推進に従事。04年から理事として、IBM.comセンター事業部長、インフラ・ソリューション事業部長を歴任。07年、インテグレート・テクノロジー・サービス事業担当執行役員に就任。2010年、クラウド・コンピューティング事業部を立ち上げる。15年より、現職であるワトソン事業部長を担当


Watsonは「人工知能」ではない
人間を支援する「拡張知能」だ



現在「コンピューティングの第3次ブームの到来」と言われるほど、世の中のAIへの関心は高まっている。このAIテクノロジーを牽引するのが、IBMが開発した『Watson』だ。

しかし同社では、Watsonを一般的な「人工知能」とは明確に区別している。日本IBMの執行役員であり、ワトソン事業部長を務める吉崎敏文氏は、こう切り出した。

「IBMではWatsonを『人工知能』ではなく、『拡張知能』として定義しています。人工知能というと、『人間の能力に取って代わるもの』というイメージを持たれることも多いですが、Watsonは人間がより良い知的活動や意思決定を行えるようサポートするもの。主役はあくまで人間です。我々のこの考え方に共感し、価値を感じてくださった200社以上もの日本企業で、すでにWatsonの導入が進んでいます。いまや日本でも、AI市場が立ち上がったと言えるでしょう」

Watsonは、大量のデータから学び、専門家のフィードバックをもらいながら学習を重ねることで、より精度の高い回答や推論を人間に提供できるシステムだ。よって、「専門家の知識」と「業界の知識」がデータとして蓄積されている領域こそ、Watsonを最も有効活用できるビジネスフィールドということになる。

中でも、「顧客接点」「意思決定」「新たな発見」の3つのフェーズで、その力を最大限発揮できると吉崎氏は解説する。

AIが人間の業務を支援し仕事の質や生産性を向上

「『顧客接点』は、その名の通り、企業とお客さまが接する場所。コールセンターや営業拠点が代表的です。例えばコールセンターなら、過去のマニュアルやオペレーターの日誌、お客さまとの会話の録音といったデータをWatsonに知識として学習させます。するとお客さまから問い合わせがあった時、Watsonが過去のデータから最適解を導き出して、オペレーターに教えられるわけです」

Watsonを活用すれば、応答にかかる時間を短縮できる上、経験が浅いオペレーターでも、ベテランと同様の質の高い回答を提供できる。その拡張知能を活用し、チャットボットで自動応答すれば、24時間365日、お客さまに対応することも可能だ。

2つ目の「意思決定」は、企業の業務プロセスにおける意思決定支援を指す。

「ある大手保険会社では、保険金支払い業務の査定にWatsonを導入しました。顧客から保険金支払いの請求があると、過去7年分の事例や審査データを学習したWatsonが、その人の病状や年齢が近い類似案件を見つけ出し、支払いの実行・不実行を助言してくれるのです」

保険の査定は、法律や医療に関する高度な専門知識を必要とする。それだけに意思決定できる人間は限られるが、Watsonが支援することで、担当者一人当たりの生産性は劇的に上がった。その他にも、自社データだけではなく世界中の取引先の経営状態や信用情報を学習したWatsonが、ビジネスの意思決定を助言するなどの活用が想定される。

さらに3つ目の「新たな発見」は、その言葉通り、人力の範囲を超えた選択肢の提示だ。

「2016年8月、東京大学医科学研究所がWatsonを活用し、専門医でも診断が難しい特殊な白血病を約10分で見抜いて、治療法を変更するよう医師に提案した事例が大きく報じられました。これぞまさに、医師が思いもつかなかった『新たな発見』です。このWatsonは2000万件以上のがんに関する論文や過去の事例を学習していました。人力で全てに目を通すことは不可能ですが、Watsonならそれが可能なのです」

Watsonは、すでに20を超える業種で導入されている。AIを扱う競合他社は存在するが、IBMの強みは特定の業界や業務領域に特化した機能を提供する「垂直型(バーティカル)サービス」に注力している点だ。

「ただ膨大なデータを集めれば、AIを有効活用できるわけではない。『誰にどのようなデータを提供するか』という目的を明確にし、そのためにどのようなデータを集め、分析・処理するかまで落とし込めなければ、お客さまにとって本当に役立つサービスは提供できません。その点でも、IBMには圧倒的な強さがあります」

新しいビジネスではどんどん失敗していい

数々の導入事例を見て分かるのは、Watsonが従来のビジネスや仕事のやり方を根底から変える力を持つことだ。吉崎氏は、「今後5年間で、我々はかつてない変化を体験する」と断言する。

「IBMはこれまでも、パソコン市場やインターネット市場を創出してきました。これらも歴史を変える大きな変革でしたが、現在進行しているAI市場の創出は、インターネット登場時よりも圧倒的に大きな社会的インパクトがあると考えています。その変化の真っただ中にいられるなんて、ITに携わる人間にとってこれ以上ない幸せ。AIに関わりたいと考える若い人には、またとないチャンスです。むしろ私が、もう一度新入社員に戻りたいくらい(笑)」

そして「社会にインパクトを与える仕事がしたい」と考える学生には、こうアドバイスする。

「新しいことをやるには、チャレンジ精神が不可欠。しかもAIのように誰もやったことがない領域では、いくらでも失敗していい。既存のビジネスなら『余計なことをするな』と怒られるかもしれないが、我々はむしろ『余計なことをしろ』と言いますね。そして余計なことができるのは、新しい感性や遊びの感覚を持った若い人たちだからこそ。実際、米国IBMのワトソン事業部の平均年齢は28歳と若い。その力に期待します」

世界が変わる瞬間に当事者として立ち会い、意義あるミッションを遂行できる。これからAIビジネスに携わる人たちには、そんな喜びと醍醐味が待っている。


column

「IBMは今、『コグニティブ・ソリューションとクラウド・プラットフォームの会社になる』というビジョンをに向け、創業以来最大の変革を進めています。よって会社としても、社員が自ら新市場を創出できる『変革型リーダー』へとスピーディーに成長できる仕組みや機会を数多く提供しています」

そう話すのは、日本IBM人事リクルートメントの斎藤香織氏だ。

「最先端スキルの習得を支えるIBMのリソースは無限大。全世界から最新の論文やビジネス事例、研修などを探し出すことができます。また、デザイン思考やデータ分析、AI、IoTなどビジネススキルから先端技術まで、社員による自主勉強会やハッカソンを通して実践的に学ぶ環境も豊富です。高度なスキルを活かすためには、マインドセットも重要。全社員は上司だけでなく、世界中のIBM社員からコーチやメンターを探すことが可能です。最近ではWatsonを活用したキャリア開発支援システムも導入しました」

若手社員がつくる強固なコミュニティーも特徴的だ。

「ミレニアル世代を中心に、高い志を持つ社員が主体的に議論を重ね、経営陣に対して次々と新たな提案を投げ掛けています。IBMの次世代を担う若手が、すでに会社を引っ張っているのです」

国や地域を越えたつながりも豊富に用意されている。グローバルで選抜した若手社員を新興市場に派遣し、現地で実際に起こっている問題解決に取り組む『CSCプログラム』はその一例。国際感覚を備えたリーダーの育成だけではなく、その後も長く続くグローバルなネットワーク形成にもなる。

「IBMで働くことは、『世界を変える一員になれる』ということ。『社会をより良くしたい』という意欲と情熱を持った人ならどんどん成長できるし、活躍の場は限りなく広がっています」

「変革型リーダー」を育成する取り組み

1911年の創業以来、時代とともに新たなビジネスや市場を創出し、「変化のDNA」を受け継いできたIBM。「教育に飽和点はない」という価値観は、現在の人材育成の方針や教育・研修の施策にも表れている。
その施策の一部を紹介しよう。

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