2019/4/5 更新 就活コラム

よい就職とは

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内定も得て最終的に入社すべき会社を決定すると、いよいよ就職活動も終了します。しっかり準備をして長期間のプロセスを乗り越えた方、推薦を利用した方、短期間で決めてしまった方、いろいろな就職活動があることでしょう。

しかし、その最終版にあって多くの方がある疑問を持つことになります。

それは、“これは自分にとってよい就職なのか?”という疑問です。

周りの友人や知人、メディアやネットから就職活動について過剰ともいえる情報は、就職活動を終了させようとする時期にも、とぎれることなく流れてきます。そしてそれらの情報は、“自分の判断は本当に正しいのだろうか?”という疑問を生じさせる要因となるのです。自分のキャリアはどうなるのか、その仕事は自分にあっているのか、その会社の業績は今後も伸びてゆくのか、社員の人たちとうまくやっていけるのか、一人暮らしをできるのか、などなど疑問は尽きることなくあふれるように出てきます。

そもそも日本人はネガティブな情報発信を好みます。“知ってるか?あの会社って○○なんだぜ”のようなトーンでネガティブな情報を知っていることが、その会社のことをよく知っているかのように勘違いしていることが多いのです。加えて日本人は安定志向が強いなので、ネガティブな情報に過剰に反応してしまうということもあります。それらは仕方のないことなのでどうしようもありませんが、それらに振り回される必要もありません。世の中には星の数ほどの会社があります。そのすべてを詳細に確認して、すべてを理解したうえで一つの会社を選ぶことは不可能なことです。であるならば、あとは腹をくくって信じることこそが重要です“この就職はよい就職だ”と。

そもそも“よい就職”とはどんなものなのでしょうか。

私は、バブル世代で超売り手市場での就職活動でした。3泊くらいの拘束旅行(ご存知ですか?)もありました。同期は、証券会社、銀行、保険、TV局など名立たる企業に入社していましたが、私は従業員数200人程度の日系大手の子会社へ入社しました。社会人になって数か月後、そうした友人たちと旅行にいったときのことです。私の知らないところで“あいつは就職に失敗した”というようなことを言われていたのです。確かに企業も小さいし知名度もないし給与も年収で100万以上は違っていました。私が就職活動を適当にやっていたことも友人たちは知っていました。会社説明会は3社にいっただけで、最初に内定がでたところでその場で決めてしまうような就職活動です。そういうこともあって、“就職活動に失敗した”と言われてしまったのだと思います。しかし、そのいい加減な就職活動にも理由があります。それは学生時代にバイトをしていた塾の経営者から教えていただいた言葉です。一部上場企業の部長職まで勤められたその方は、私がとても尊敬する方で、一流企業の仕事のできる人をそのまま体現しているような方でした。“入社したら2週間で必ず辞めたくなる”、“やりたい仕事をさせてくれる会社なんてない”、“最初の3年で次の10年がきまる”ということをその方に教えていただきました。単純な私は、“だったらどこに行っても同じなのだから、就職活動は適当でいい”と考えたのです。勝負は入社してからだ、と。総合職で入社した私は人事に配属され、給与計算の担当になりました。確かに入社して1週間で“こんな会社やめてやる”と思いました。それでも、この3年が大事と思い1年目からとにかく勉強しました。会計、労働法、人事関連制度、システム、データーベース、経営など、あらゆることに手をだしていました。退屈な仕事も一生懸命やりました。人にも恵まれ、そうした方々から学ぶ機会もたくさんありました。

以後人事の領域で9回転職をして8社を経験し、今は採用を中心とした人事関連のコンサルティングを行う自営業をしています。(数が合わないのは1社出戻りがあるからです)私の経験やスキルは、一般的にみても優位であるらしく、日本はもとより、アメリカやマレーシア、インドなどからも直接仕事の相談をうけることができるようになっています。

結果として多すぎる転職をしてしまいましたが、最初の会社に就職したことも、この道を選んだことも後悔したことはありません。仕事も楽しいですし、経済的にも十分です。そういう意味では、1社目も間違いなく“よい就職”ができたと心から思っています。

少し、自慢話のようになってしまいましたが、お伝えしたいのは“いい就職”であるかどうかは、いまこの時に決まるものではなく、自分で“いい就職”にしていくものであるということです。皆さんもきっと多くの方が入社して2週間(おそくとも2か月)以内に会社を辞めたくなることでしょう。それでも、その会社と自分を信じて、よい就職にしていく努力が必要です。良い就職は与えられるものではなく、自分で作り上げていくものなのです。就職してからは、自分で決断し、その結果に責任を負うことになります。自分の将来を決めるのは、自分自身です。就職した会社で決まるわけではありません。

それでも、様々な事情でどうしてもその企業で勤め続けることが難しいという答えに行き着くこともあると思います。私自身は、できれば、3年は働いてみてほしいという思いはありますが、一日でも早くやめたほうが良い場合も必ずあることも理解しています。

人は誰でも自分の幸せのために行動する権利を持っています。(他の人を不幸にしないことが前提ですが。)幸せの形は人によって異なりますから、当然そのための行動は人によって異なります。入社後の早期退職ということであっても、それが自分の幸せのために必要なら行動を起こすべきです。新しいチャレンジのためのエネルギーが残っているうちに。

就職はゴールではありません、スタートなのです。

皆様のご健闘と活躍を心からお祈りいたします。

  • 黛 武志
    採用コンサルティング 黛/MaYuZuMi 代表
  • 大学4年秋に内定していた企業の親会社が社会的問題を起こし内定を辞退。担当教授に卒論を不可にしてもらい、就職留年。卒業後大手日本企業の人事に”不本意ながら”配属されるが、その仕事に魅了され以後一貫して人事のキャリアを歩む。SAPジャパンの採用責任者、メットライフ生命保険の採用部長などを歴任。現在は、採用全般についてのコンサルティングを行っている。日本人材マネジメント協会で採用についてのセッションを担当、LinkedInでいくつかの記事を公開し、”元採用部長”の名でNote にも執筆中。

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