2017/11/1 更新 「自分らしく働く」ということ

【バークレイズ証券/バークレイズ銀行 東京支店】ビジネスの成功に向けて、地道な準備期間を丁寧に過ごす

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「自分らしく働く」ということ
エクセレントカンパニーで活躍する、20代・30代のビジネス・プロフェッショナルたちの就活エピソードと入社後のキャリアをインタビュー。就職活動時、何を目指し、就職先となる1社を選択したのか? また、実際に入社後どんな仕事に携わって成長を遂げてきたのか? そして彼らが見いだした「自分らしく働く」ことの本当の意味に迫る。

バークレイズ証券/バークレイズ銀行 東京支店
外国債券・金利トレーディング部 ヴァイスプレジデント
中野雄敬さん

 2009年に、300年以上の歴史を誇るバークレイズ証券へ入 社し、現在は数百億円という資金の行方を一瞬の判断で左右するトレーダーとして活躍する中野雄敬さん。彼は自身の就職活動時代を振り返り、同社への入社経緯を次のように語った。

「就職活動中は、漠然と大きなビジネスに携わりたいと考えていたので、高額な資金を動かすトレー ダーの仕事は興味深かったです。 “世界初のATM設置”や“英国初のクレジットカード発行”など、新しいことへ挑戦するバークレイ ズのスタンスにも引かれましたね」

 入社後の中野さんのミッションは、住宅ローン債権から成る証券(MBS)のマーケットメイク、そしてクライアントとなる機関投資家に商品を売買してもらうための材料提供。投資家のニーズを把握し、リスクリターンを考慮して提案する。提案の中で必要なのは投資家からの信頼である。中野さんは、国内外の投資家から信頼を得て実績を上げるためには、地道な活動が必要だと話した。

「トレーダーの仕事は、一見派手な印象がありますが、実際は一日の大半を投資計画のシミュレーションやマーケット情報の分析に割くなど、実直な仕事が多いんです。 トレーダーには、投資家からのオーダーへ瞬時に対応できるよう、常に最新のデータをそろえて準備することが求められます。第一線で活躍しているトレーダーこそ地道な準備を怠らずに実践している事実に、入社当初は驚きました」

辛抱強くアプローチを続け、前人未到の取引を実現

「入社後は正直、結果を出し、会社に利益をもたらす人材になるために必死でした。1~2年目は先輩を手本にスキルを盗みながら勉強し、その後は現場経験の中でさまざまなチャレンジをしてみる。次第に自分らしさというものが形 作られる感覚がありました」

 中野さんは、MBSの知識はもとより“情報収集力”や“市場を予測する力”を身に付け、徐々に大口の投資家を担当するまでに成長していく。そして入社から6年が経過した頃、一つの転機が訪れた。

「ある証券化商品について、アメリカの支社で学んでこないか、と上司から提案を受けたんです」

 アメリカで主流のその証券は、商品構造が複雑でこれまで日本での取引実績はゼロ。しかし、彼は二つ返事でその提案を快諾した。

「社会への影響が大きい仕事を求めていた私には、非常にありがたい話でした。全幅の信頼を置く上司が与えてくれた機会なので、勝算はあるはずと確信し、必ず成功させる意気込みで挑みました」

 わずか1カ月の単身ニューヨー ク出張だったが、彼は期間内でその証券をものにし、投資未経験者でも理解できる資料を完成させた。

「正直、帰国後に成功している姿しか見えていませんでしたね」

 しかし現実は厳しく、日本に戻って1年が経過しても、取引へ至ることはなかった。そんな折、思い悩む中野さんを立ち直らせたのは、信頼する上司からの言葉だった。中野さんは「信じて挑戦し続ければ、いつか結果に結び付く」 と激励を受けた。その言葉に勇気をもらった中野さんは初心に立ち返り、投資家への説明会を増やすなど、諦めずに走り抜いた。結果、上司や営業、アメリカ支社の社員などの助けにより帰国後1年半で1件目の取引を成立。日本では困難とされていた証券の取引を、彼は数百億円規模で成立させた。

「素晴らしい仲間に恵まれ、前人未到の取引に関わることができました。取引成立の瞬間の喜びと安堵感は忘れもしません。この経験から、高額な取引にも新商品の啓蒙にも、時間と準備が必要だと痛感。今後も地道に準備を重ね、丁寧に業務に向き合っていきます」

PROFILE
なかの・たかひろ/工学系研究科の修士課程修了。技術者ではなくトレーダーとしてのキャリアを志し、リーマンショック直後の2009年にバークレイズ証券へ入社する。本社ロンドンでの海外研修を経て、MBSトレーディングデスクへ配属。現在は、国内外の機関投資家に対するマーケットメイク、投資判断の材料となる情報発信に従事