こんにちは!type就活事務局インターン生の田中です。 今回は5月15日(火)に開催された「コンサルティングファーム研究セミナー」の様子をお伝えします。 今回の「コンサルティングファーム研究セミナー」には、アビームコンサルティング、マネジメントソリューションズ、シグマクシス、A.T. カーニーの4社にご参画いただきました。 以下、各企業の情報を記載させていただきます。 ※type就活で企業をフォローすると、最新情報を受け取ることができます アビームコンサルティング アビームコンサルティングは日本発、アジア発のコンサルティングファーム。日本から世界に飛びまわり、現地のコンサルタントと一緒に企業変革を実行していきます。そのため、グローバルに働きたい人、チームで成果を挙げたい人には合っていると思います! より詳しい情報は企業情報ページをご覧ください! マネジメントソリューションズ プロジェクトマネジメントに特化したサービスを提供するマネジメントソリューションズ。効率や生産性を重視した働き方を徹底することで、多くの大型プロジェクトを支援している中で残業時間は月20時間程度。短時間でアウトプットし続ける環境に身を置きたい方には魅力的ですね。 シグマクシス 5月に設立10年目を迎えたシグマクシス。コンサルティングビジネスだけでなく、ジョイントベンチャーやベンチャーキャピタルとの資本・業務提携などに取り組み、昨年東証マザーズ1部上場を果たしています。成長し続ける環境に身を置きたい方におすすめです。 より詳しい情報は企業情報ページをご覧ください! A.T. カーニー 1926年に米国シカゴで誕生し、1972年に東京オフィスを開設したA.T. カーニー。日本オフィスは顧客への貢献という強い決意のもと、金融、消費財・小売など幅広い分野で活躍中。外資系企業で「日本の未来を切り拓く」仕事がしたい方には必見です。 より詳しい情報は企業情報ページをご覧ください! 各企業のプレゼンからセミナーは始まりました。 一口にコンサルティングファームと言っても、企業ごとに強みや魅力的な部分が違います。最終的に入社する一社を決めるためには、どの企業が自分に合っているのか、を考えなければなりません。このように、4社それぞれの特色について横並びで知ることができるのはいい機会ですね。企業プレゼンの後は座談会の時間です。 4つのグループに分かれて、社員の方が4グループそれぞれに訪問されました。ここからは人事の方だけでなく、若手コンサルタントの方も参加いただきます。 座談会では社員の方の話をしっかり吸収しようと身を乗り出すような姿勢の学生さんや、積極的に質問する学生さんが目立ちました。企業の方と話す方もいれば、学生同士お話をする方々もいらっしゃいました。中には参加者同士でSNSのグループを作っている人たちも。就活のライバルでありながら、大事な仲間をこのセミナーで見つけた方もいるのかもしれません。また、このようなセミナ-はなかなか会うことのない他大学の人たちと会えるチャンスでもあります。今後セミナーに参加される方々は同じ大学の人と意気投合するだけでなく、他大学の人と話してみると新たな発見が得られるかもしれませんね。 今回は「コンサルティングファーム研究セミナー」についてお送りしました。 どこの業界を志望していても業界研究は大切です。コンサル業界だとしたら、コンサル業界の中のどの企業に行きたいのか。そこまで考えることが大事になります。そのためには企業HPの情報だけではなく、実際に社員の方々と話すことも大切です。ぜひこのようなイベントに参加して、会社の雰囲気を自ら感じる、ということも大事にしてください! また、イベント前に自分が気になっているポイントなどをまとめておくと、参加した際に有意義に時間を使うことができます!イベントに参加する際も受動的に情報を受け取るだけでなく、能動的に行動してみてはいかがでしょうか? ▼オススメ記事コンテンツ コンサルティングファーム 3つの「戦略」シフト【ワークスタイル編】 コンサルティングファーム 3つの「戦略」シフト【ビジネス編】 ■今後開催予定のイベント一覧はこちら
コンサルティングファーム 3つの「戦略」シフト 【ワークスタイル編】 目まぐるしく変わるビジネス環境を背景に、クライアント企業の経営変革を担うコンサルティングファーム各社のビジネス領域も拡大しつつある。そんな中、若手コンサルタントが携わる仕事内容は、今どのように変化しているのだろうか? 各社の人事に、若手が手掛ける主な案件や育成サポートについてインタビューした。“コンサルティング業界のサードウェーブ”と呼ばれる戦略実行型のマネジメントコンサル ティングビジネスを展開。東証一部上場企業を中心に60社以上と取引を行う Q.コンサルタントたちの仕事内容は? 企業の抱えるさまざまな課題を解決するための助言・指導を行うコンサルティングビジネス。プロジェクトの進行にあたっては、コスト・資源・時間など多くの制約があるため、全体管理を行うプロジェクトマネジメントの可否が成功の鍵を握ります。 当社は、プロジェクトマネジメントの実行支援(PMO)を中心としたソリューションを展開している会社です。単にプロジェクトを適切に管理するためのプランを描いて終わりではなく、プロジェクトの成功という結果にコミットするべく、実行にまで責任を持つのが最大の特徴です。 クライアントの社員と時間を共にし、密にコミュニケーションを取りながら、現場の課題と解決のための施策を考え、それが遂行されるまで寄り添い続ける。一朝一夕にはいきませんが、その分、企業変革に貢献する確かな手応えを感じられる仕事だと思います。Q.コンサルタントたちの育成サポートは? 入社後は数カ月をかけて、ファシリテーションやリスクマネジメント、タイムマネジメント、プレゼンテーションなどを学びます。机上の学習だけでなく、経営幹部が直接、業務に沿った研修も実施。 さらに現場配属後は、先輩とチームでプロジェクトに参画していきますが、若いうちから経験を積み成長できるよう、挑戦する機会を多く設けています。プロジェクト内での役割を変えて偏りなくスキルを磨くほか、ときには早期にプロジェクトのリーダーを任せることも。 未知の領域、実力を超える仕事への挑戦の連続だと思いますが、ぜひ臆せずチャレンジしてください。失敗を恐れて挑戦しないままでは現状維持すらできません。仮に失敗したとしても、それを前向きに受け止め次に生かそうとする素直な姿勢こそが、コンサルタントとして、ビジネスパーソンとして、大きな成長につながっていくと私たちは考えています。 Q.どんな志向・人柄の社員が多い? 学生時代に部活やサークル、ゼミ活動、アルバイトなどで人をまとめる立場を経験し、マネジメントの難しさと可能性に引かれたことが入社のきっかけになったという人は多いですね。 コンサルティングのみならず、マネジメントはあらゆる領域に応用できるため、たとえば入社後に身に付けたスキルやノウハウを生かして、将来的にスポーツとマネジメントを絡めたビジネスに携わる、地方活性化とマネジメントの可能性を模索するなど、将来の夢や目標とつなげる人も少なくありません。 もちろん、キャリアを重ね、立場や環境も変われば、現在の夢や目標変わっていくかもしれませんが、自分自身を客観的に捉え、将来やキャリアを切り拓くこともまた、マネジメントの一つ。熱い志を持った仲間と共に、さまざまな可能性を追求できる環境が広がっていると思いますよ。
コンサルティングファーム 3つの「戦略」シフト 【ワークスタイル編】 目まぐるしく変わるビジネス環境を背景に、クライアント企業の経営変革を担うコンサルティングファーム各社のビジネス領域も拡大しつつある。そんな中、若手コンサルタントが携わる仕事内容は、今どのように変化しているのだろうか? 各社の人事に、若手が手掛ける主な案件や育成サポートについてインタビューした。NTTデータの戦略的コンサルティングファームとして、国の発展を支えてきたクニエ。企業の競争力の源泉となるコア業務に対して実行支援型の業務コンサルティングを行う Q.コンサルタントたちの仕事内容は? 近年では日本企業のグローバル化やアジア・新興国の成長に伴い、私たちが築きあげてきた、日本がグローバル化する過程で取り込んだ日本式コンサルティングのニーズが急増しています。 当社は日本がヘッドクオーターのため、国外のプロジェクトでもコンサルタントが自ら海外へ赴き、日本企業のみならず海外企業のグローバル案件を多数手掛け、海外で活躍できるチャンスに恵まれています。事実、全体の65%以上が海外案件です。 国内外ともに複雑化する経営課題を改革へと導くには、クライアント以上に業務に根差した高い専門性を身に付けているだけでなく、熱意と貢献心を持って仕事に取り組めるかが重視されます。各サービス領域ごとに専門チームで取り組み、成果に対して熱意と貢献心を持つコンサルタント集団。それがクニエです。Q.コンサルタントたちの育成サポートは? クニエの新人研修の特徴は「スピードよりも質を重視」。専門性の高いコンサルタントとして、一人ひとりの特性に合わせて成長できる環境をご用意しています。入社から1年かけてじっくりと新入社員研修を行います。 研修の前半は、フレームワークやクライアント業務の理解を深めるための座学とグループワークを身に付くまで繰り返し実践します。その集大成として、夏に海外研修を実施。2、3名のチームに分かれ、クニエの海外拠点に赴きクライアントへ経営課題のヒアリングをするという実践的なものです。 研修の後半は、8カ月のOJTにより、先輩社員が手掛けている国内外のプロジェクト3つに参画します。さまざまなチームでの仕事を経験し、2年目からのキャリアの礎を築いていきます。 ここ3年入社した新卒社員は全員が希望のチームに配属が決定しています。その秘密は、新卒社員一人ひとりを、育成専任のコンサルタント経験のあるカウンセラーが全面的にサポートしているからです。2014年以降の新卒社員の退職はゼロ。高い定着率が、教育やサポートの手厚さの証です。 Q.どんな志向・人柄の社員が多い? 自己成長だけでなく、社会に貢献したいという方が多く在籍しています。クニエのコンサルティングは一過性の改善ではなく、抜本的な業務改革。どれだけ施策を講じようとも、プロジェクト終了後に業務の現場に根付いていなければ意味がありません。 時には製造拠点である工場にも足を運び、現場の方から業務上の課題をヒアリングすることも多々あります。そこで対等に会話ができる卓越した専門知識、そして現場までをも巻き込める情熱が、クニエでは不可欠です。 数あるファームの中でクニエを選んでいただける方には、専門性と熱意を武器に、時にはクライアントとコンサルタントという垣根を越え、一緒に戦う仲間として業務改革に臨める場を提供していきます。
コンサルティングファーム 3つの「戦略」シフト 【ワークスタイル編】 目まぐるしく変わるビジネス環境を背景に、クライアント企業の経営変革を担うコンサルティングファーム各社のビジネス領域も拡大しつつある。そんな中、若手コンサルタントが携わる仕事内容は、今どのように変化しているのだろうか? 各社の人事に、若手が手掛ける主な案件や育成サポートについてインタビューした。「経営とITをデザインする」をビジョンにコンサルティングはもとより、システム構築から 運用まで手掛ける精鋭集団。顧客の未来価値最大化を、革新的なITを武器に実現する Q.コンサルタントたちの仕事内容は? 「最先端のテクノロジーを駆使して、顧客の未来価値を最大化する」。コンサルティングファームの中でも、我々フューチャーアーキテクトは、IT領域に強みを持っています。AIやロボティクスなど、IT業界の発展に伴い、クライアントニーズも多様化していますが、当社のコンサルタントは技術力がベースにあるので、クライアントの課題解決に向けた実現可能性が非常に高い提案ができる点が特徴です。 また提案だけにとどまらず、競争優位性のあるシステムを構築することで、クライアントの未来価値向上に貢献しています。流通や小売、金融業界など、世の中のあらゆる業界を相手に、クライアントのビジネスを理解し本質的な課題を突き詰めていきます。 技術的に難易度の高い案件を得意としているので常に未知へのチャレンジの連続ですが、困難を楽しむカルチャーが当社には強く根付いています。難しいけど面白い。そんな仕事の醍醐味を感じてもらえるはずです。Q.コンサルタントたちの育成サポートは? いち早くプロフェッショナルとしてクライアントに貢献できる人材となるために「ビジネスとIT」双方に強みを持つコンサルタントの育成を私たちは目指しています。そのためにも入社後は3.5ヵ月 の新人研修を通して、まずはITの基礎固めをしていきます。研修内容も技術のトレンドを取り入れ、毎年ブラッシュアッ プしています。 実践的なノウハウを学ぶため、疑似プロジェクトを複数回実施。 クライアントのビジネス課題を解決するために要件定義からシステム構築までをチームで行い、顧客にプレゼンテーションをするまでの一連の流れを経験します。 研修はそれだけではありません。ハードからソフトまでどのような仕組みで動作しているのかを体験を通して学ぶた め、秋葉原でハードウェアのパーツを選定・購入し、PCを一から構築していきます。 新入社員は7割がIT未経験ですがITの原理原則からみっちりと学ぶ研修を経て、現場配属後も即戦力として活躍する人材へと成長を遂げています。Q.どんな志向・人柄の社員が多い? 自ら手を挙げてやりたいことを実現するアントレプレナーシップのある社員が多いですね。入社2年目にして新規事業計画を経営陣に直接プレゼンテーションするような社員や、自らが仕事で苦労した経験をきっかけに、世の中に貢献するセキュリティ関連のサービスを創り出した社員もいます。 あらゆることに好奇心を抱き、これまで前例がないことに怯まず、常に挑戦を続けていく。そんな枠にとらわれない姿勢を持ち合わせた人材が多く集まっています。 学生の皆さんにも、今後の世の中に必要とされる、「ビジネス×IT」に強みを持ったハイブリッドなコンサルタントへと成長し、羽ばたいていってもらいたいですね。
コンサルティングファーム 3つの「戦略」シフト 【ワークスタイル編】 目まぐるしく変わるビジネス環境を背景に、クライアント企業の経営変革を担うコンサルティングファーム各社のビジネス領域も拡大しつつある。そんな中、若手コンサルタントが携わる仕事内容は、今どのように変化しているのだろうか? 各社の人事に、若手が手掛ける主な案件や育成サポートについてインタビューした。海外33カ国70拠点を持つ、日本発、アジア発のグローバルコンサルティングファーム。ダイバーシティー&インクルージョンなどへの取り組みにもスピード感を持って対応している Q.コンサルタントたちの仕事内容は? アビームはグローバル企業のさまざまな問題を解決する日系最大手の総合コンサルティングファームです。そんな当社のコンサルタントは、幅広い業界のクライアントに対し、経営戦略、経営管理、SCM、CRM、BIなど多岐にわたる知見を有し、事業の成長を後押ししていく存在。いわば、企業の経営革新のプロフェッショナルです。 近年では、AIやロボティクスといったデジタル領域の最先端技術を駆使したコンサルティングサービスのニーズが増加。しかし、移り変わる時代に対応しながらも私たちがこだわっているのは、クライアントの真のパートナーとして困難があっても、変革を推進する存在であり続けること。机上の空論で終わらせず、現場に深く入り込んで人を動かし、あるべき姿が実現されるまでやり遂げる。それが当社の考えるリアルパートナーです。 海外プロジェクトも多い当社では、日本だけでなく海外現地で異なる文化、慣習を理解し、グローバルで通用する真のプロフェッショナルへと成長していただけると思います。Q.コンサルタントたちの育成サポートは? 個人に合わせ3ヶ月~半年の充実した新人研修を実施。研修後は総合ファームの利点を活かし、4年程度をかけて経営管理、SCM、組織人事など幅広い領域のプロジェクト経験を積むことができます。その上で自分の極めたい領域を決め、専門性を高めていきます。 さらに、公募型の制度として若手社員を対象に海外現地で1年間の経験を積むことができるグローバル研修制度もあります。新卒1年目からグローバルプロジェクトに参画するメンバーも少なくありません。人一倍早く成長したい人には、成長を加速させる挑戦の機会を与える文化が根付いているため、やりたいことに自ら手を挙げる人ほど成長できる環境です。Q.どんな志向・人柄の社員が多い? 困難な状況でもチャレンジを楽しめる人。個性や専門性を活かし、互いを高め合い、チーム全体として大きな成果を上げる強い意志を持った人が集まっています。年次、性別や国籍を問わず、自身の思いを発信し続けることで希望のキャリアを実現している人が多いですね。 例えば、4月に行われた全社キックオフミーティングでは、入社2年目の若手社員がリーダーとして新規事業創出のコンテストでプレゼンテーションを披露。若手のうちから新サービスやソリューションの立ち上げに関わることができます。 彼らの共通点は、高い壁を前にしても目標に向かい挑戦し続ける熱量を持っていること。上司、経営層やクライアントを巻き込み、論理だけでなく熱意をもって人の心を動かす姿をよく目にします。アントレプレナーシップのある人、グローバルに活躍したいという人にとっては成長の舞台として魅力的だと思います。
コンサルティングファーム 3つの「戦略」シフト 【ビジネス編】 目まぐるしく変わるビジネス環境を背景に、クライアント企業の経営変革を担うコンサルティングファーム各社のビジネス領域も拡大しつつある。各社が手掛ける案件の変化と、クライアントニーズに対応するための戦略について経営ボードにインタビューした。コンサルティングファーム各社が挑む”自社変革”に注目してみたい。日本発のコンサルとして、製造業で培った知見をグローバルに展開 ――コンサルティングニーズの変化についてお聞かせください。2000年代と2010年代では、どのような違いがあるのでしょうか? 製造業を中心とした顧客と接する中で感じる変化は二つあります。一つは部門や事業単位の改善からサプライチェーン全体を見直そうという機運が強まっている点。もう一つが業務プロセス改革や戦略策定プロジェクトにおいても、何らかの形で「人」に絡む課題解決が求められるようになった点です。 2000年代以前と、2010年代以降を比べると、プロジェクトにおいてカバーする領域が広がり、かつ解決すべき課題が複合的になっているのを感じます。 ――こうした変化の背景には何があるのでしょうか? 「 製造業のサービス化」が背景にあると考えています。かつての製造業は顧客を獲得するために、持てるリソースの大半をもの作りの工程に注いできました。 しかし優れた製品を作り、棚に並べるだけで売れた時代はすでに過去のもの。現代のもの作りには、顧客の変化を汲み取り、その変化を製品の改善につなげ、的確なタイミングでリリースすることが求められるようになっています。それゆえ、改革の対象が製造部門や研究開発部門に留まらず、顧客との接点であるマーケティングや営業、サポート部門を含む、サプライチェーン全体を見直す機運が高まっているのです。 一方、人材育成への関心が高まっている背景には、一連の変革を一過性のものに終わらせたくないという企業の強い思いが隠されています。社内に優れた人材を輩出する基盤が整えば、プロジェクトが終了してコンサルタントが引き上げても自律的な改革を継続することが可能になるでしょう。だからこそ企業は人材育成に強い関心を示すようになっているのです。 ――どのような対応によって、顧客の期待に応えようとしていますか? 幅広い領域にまたがる複合的な課題に対処するため、我々は2010年以降、主要顧客や重点業界に『プランナー(企画営業)』と呼ばれる人材を配し、彼らを軸に情報の集約とプロジェクトのコーディネーションを行うようになりました。 また近年、隆盛しつつあるデジタルテクノロジーについても、専任部隊であるデジタルイノベーション推進本部が、IoT(Internet of Things)やAI(Artificial Intelligence)など、最新テクノロジーの現場での応用研究を進めるほか、ラーニングコンサルティング事業本部を通じて、将来の経営幹部を育成する包括的なプログラムを提供するなど、顧客ニーズの変化に対応して、随時サービスや組織の見直しを図っています。 ――今後、製造現場で培ったコンサルティング経験をどのような舞台で発揮させようとお考えですか? 我々の強みは、製造現場で培った「現場力」と「人材育成と一体となったもの作りのノウハウ」です。今後はこれらの強みと、長年にわたって研さんを重ねてきたコンサルティング技法や管理手法を組み合わせ、非製造業や海外企業に向けても提供していきます。 特にコンサルティングビジネスの海外展開には大きな可能性を見い出しており、量から質への転換が進むアジア新興国に対し、国内製造で磨き抜いた知見ときめ細やかな対応力を展開することで、日本発のコンサルティングファームとしての存在感を確かなものにしていきたいと考えています。 ――コンサルティングビジネスの面白さ、醍醐味について教えてください。 コンサルタントが仕事を通じて獲得できるのは、課題発見能力やロジカルシンキングが鍛えられるコンサルティングスキルに加え、組織を率いてプロジェクトをあるべき方向に導くマネジメントスキル、顧客の業務を通じて身に付く実務スキル、さらに手を携えて困難を乗り越えた者同士にしか生まれない信用や人脈など、非常に多岐にわたります。 職業人生の前半を経営コンサルタントとして過ごすことは、不確実性の高い世界を生き抜く術を身に付けるのと同時に、将来のキャリアの選択肢を広げてくれることになるでしょう。 日本能率協会コンサルティングでは、それを実現できる環境と多様性のあるキャリアパスを用意。日本発の総合コンサルティングファームとして培った信頼と経験を、さまざまな顧客の課題解決を通じて、未来ある若者たちに継承し続けていきます。PROFILE PROFILE とみなが・みねお/ 1964年、東京生まれ。一橋大学卒業後、25年以上にわたって、大企業、中堅・中小企業・海外企業、約400社の 構造改革と成長戦略に貢献。特に近年は、グループ企業再編、事業再生、日本企業の中国・アジア戦略、中国・アジア企業の経営改革を重点テーマに大規模プロジェクトをリードしている。さらに中国市場においては、日系企業に加え中国国有・民営企業へのコンサルティングにも携わるほか、2014年2月からは、JMAC中国および現地弁護士事務所との合弁企業、J-BUNDコンサルティングの董事長も兼務している
コンサルティングファーム 3つの「戦略」シフト 【ビジネス編】 目まぐるしく変わるビジネス環境を背景に、クライアント企業の経営変革を担うコンサルティングファーム各社のビジネス領域も拡大しつつある。各社が手掛ける案件の変化と、クライアントニーズに対応するための戦略について経営ボードにインタビューした。コンサルティングファーム各社が挑む”自社変革”に注目してみたい。ビジネスと技術を融合し企業のグローバル化とデジタル化を支援する ――ITバブル崩壊や世界金融危機を経て、企業を取り巻く環境は激変しました。2000年代と2010年代とでは、顧客ニーズにどんな違いがありますか? 大きな変化が2つあります。1点目はマーケットや生産拠点、人材の獲得を目的に、自社のグローバル化を推し進め、海外M&Aなどにも積極的に乗り出す日本企業が増えていること。そして2点目が、IT活用の広がりです。基幹システムのクラウドへの移行やサイバーセキュリティ対策の強化など、既存のビジネスの延長線上にあるIT投資に加え、IoT(Internet of Things)、RPA(Robotic Process Automation)、アナリティクスといった新たなテクノロジーの活用を真剣に検討しているお客さまが非常に増えています。 2000年代の後半までは、こうした取り組みに積極的なのは一部のIT系企業だけに限られていましたが、2010年代に入ると、金融業や製造業、官公庁においても、こうした動きが活発化してきました。 ――そのような変化を受け、どのような取り組みで顧客の期待に応えているのでしょうか? アクセンチュアは、デジタル化する社会を見据え、13年に『アクセンチュア・デジタル』を独立する形で設立、お客さまのデジタル・トランスフォーメーションを積極的に支援する姿勢をいち早く打ち出しました。 さらに17年2月には、ラボ機能やリサーチ機能を備えた支援体制『アクセンチュア・イノベーション・アーキテクチャ』を発足し、新興テクノロジーの啓蒙や実証実験、適用範囲の拡大に取り組み、お客さまに提供するサービスの質を高め、社会の変化にも備えています。 ――アクセンチュアの競争優位性は、どこにあるとお考えでしょう? 「お客さまのビジネスをデジタル化する」といっても、IT化がゴールではありません。「お客さまのビジネスに最適な先端テクノロジーを融合することで、その時々に必要なお客さまの変革を実現させる」ことが真のゴールです。 アクセンチュアには現在、『ストラテジー』『コンサルティング』『デジタル』『テクノロジー』『オペレーションズ』の5つの部門があり、それぞれが横断的に協力し、付加価値の高いサービスやソリューションを提供しています。 つまりアクセンチュアの強みは、戦略策定からテクノロジーを活用したオペレーションの実行まで、ビジネスの全領域を切り離すことなく、トータルに課題解決に当たれること。すなわち、最先端のデジタル・テクノロジーに、経営コンサルティングで担ってきたビジネス経験と広大なナレッジを加味して、お客さまに全体的な視点でサービスを提供できる点がアクセンチュアの大きな武器だと言えます。 ――コンサルティングビジネスの醍醐味を聞かせてください。 プロジェクトやチームをリードする責任者ともなると、まるでオーケストラの指揮者のように、必要に応じて世界中から適切な“演奏者”を集め、お客さまのビジネスに貢献することが求められます。お客さまと共に成し遂げたプロジェクトの成果が、歴史に残る大改革につながることも少なくありません。 企業変革という大きな目標を達成するために、多様な知見を持ったプレーヤーと協力してお客さまのビジネスの成長に貢献できるのは、コンサルタントの仕事の醍醐味と言えるのではないでしょうか。 ――これからの時代のコンサルタントには、どのような素養が求められるでしょうか? テクノロジーが急速に進歩し社会も常に変化し続ける中で、私たちコンサルタントに必要とされるのは、何といっても変化を率先して楽しむ姿勢だと思います。今、世の中でどんなことが起きているのかなど知的好奇心を持ち続けて、新しいことや価値があること、より画期的なものを見つけ続ける気持ちを大切にしてほしいと思います。 また、同時に世の中で自分はどんな価値を出したいのか、何がしたいのかをしっかり考えることを忘れないでください。どれだけ考え抜くことができるかが、自分のキャリアはもちろん、最終的にはお客さまのビジネスの成否をも決めます。 今後、挑戦が求められる局面はより増えるでしょう。こうした激動の時代で多くのことを吸収してほしいと思います。アクセンチュアには、さまざまな志や専門性を持った人材を受け入れる土壌があります。お客さまの支援を通じて、社会を変えることに興味がある方にとって、これほど刺激的な環境はないはずです。PROFILE ほりえ・あきこ/1993年、慶應義塾大学法学部政治学科を卒業し、アクセンチュアに入社。主にメガバンク、生命保険、損害保険、証券など、金融業界でコンサルティングプロジェクトに従事。現在は、アジア・パシフィック証券グループ統括として、さまざまな顧客の変革を支援している。また、同時にインクルージョン&ダイバーシティ統括として、ともに働く人のバックグラウンドや考え方の違いを受け入れ、年齢、国籍、宗教、性別、性的指向などにとらわれず、活気あふれる誰もがリーダーシップを発揮できる組織づくりを目指している
コンサルティングファーム 3つの「戦略」シフト 【ビジネス編】 目まぐるしく変わるビジネス環境を背景に、クライアント企業の経営変革を担うコンサルティングファーム各社のビジネス領域も拡大しつつある。各社が手掛ける案件の変化と、クライアントニーズに対応するための戦略について経営ボードにインタビューした。コンサルティングファーム各社が挑む”自社変革”に注目してみたい。プロジェクトに特化した戦略実行マネジメントで顧客を成功に導く ――2005年の創業から現在までの間、顧客から寄せられる要望は、どのように変化しましたか? 2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災は、企業の危機意識を高めるとともに、ビジネス戦略の見直しを迫りました。これに呼応してプロジェクトマネジメントの重要性が再認識された印象があります。 ――なぜ経済事件や災害が、企業のプロジェクトマネジメントに対する意識を変えさせたのですか? 企業の危機意識が、販売戦略の見直しや海外市場への進出といった具体的な動きとなる時、そこにプロジェクトが生まれるからです。しかし日本は慢性的なプロジェクトマネジャー不足にあえいでいる国。その上、企業は以前にも増して品質、費用、納期を厳しく見るようになりました。 潤沢な予算と時間を費やして人材を育てる余裕や、コンサルティング会社を丸抱えできない企業にとって、自社だけで組織改革や事業再編、クロスボーダーM&Aなど、複雑で困難が伴うプロジェクトを成功させることは、ますますハードルが高くなってしまったのです。 ――そうした状況に対して、どのように対処されていますか? プロジェクトマネジメントの実行支援をすることで、顧客の期待に応えています。とはいえ、今は製造業者が金融業やサービス業に進出したり、老舗企業が先端テクノロジーによって、サービスを刷新したりすることが珍しくありません。もはや業界を横断する幅広い知見を持たない人材には、プロジェクトマネジャーは務まらない時代になってしまいました。 我々は、必要に応じて専門家を集め、動かし、顧客と共に成果を出すプロフェッショナルです。豊富な「知識」を、実用的な「知恵」に変えられる人材を育てることによって、数々の困難を乗り越えています。 ――改めてマネジメントソリューションズの強みを聞かせてください。 これまで、コンサルティング業界は3つの段階を経て成長してきました。企業の経営指南役として生まれた戦略コンサルティングをファーストウェーブとすると、セカンドウェーブは1990年代以降に発展したITコンサルティング、さらに2010年代以降は、戦略実行型のマネジメントコンサルティングが盛んです。 我々の強みは、このサードウェーブの中でも、とりわけプロジェクトマネジメントに特化したサービスを提供している点にあると言えるでしょう。 もちろん類似サービスを提供するコンサルティングファームは他にもあります。しかし現実には、システム導入案件やアウトソーシングサービスのオプションとして提供されているケースがほとんど。一方当社は、純粋にプロジェクトマネジメントで収益を上げている数少ないコンサルティングファームです。「メイン」サービスと「オプション」サービスとを比べたとき、どちらが質の高い真のプロフェッショナルサービスを提供できるかは明らかだと思います。 ――コンサルティング業界に携わる醍醐味はどこにあると思われますか? 一番の醍醐味は、この業界が成長産業だということでしょう。ある調査によるとアメリカの市場規模はおよそ8兆円なのに対し、日本はいまだ4000億円程度。対GDP比で見ても国内のコンサルティング市場にはまだまだ成長の余地が残されているのは明白です。 事実、当社も年に140%のペースで成長しており、年内には社員を200名、遠からず1000名体制にしようと採用を進めています。また近々、アメリカと台湾に加えて中国本土でもビジネスを展開することになるため、グローバルな環境下で仕事ができるというのも醍醐味の一つになると思います。 ――これからコンサルタントを目指す若者たちにアドバイスをお願いします。 私たちは、売上にして数千億から数兆円規模の企業に対し、毎年数多くの大型プロジェクトを支援していますが、平均残業時間は月20時間程度に過ぎません。それを可能にしているのは、効率や生産性を重視した働き方を徹底しているから。コンサルタントは弁護士や会計士と同様、時間当たりの提供価値に敏感であるべきプロフェッショナルです。常に自己成長を意識して学び続けなければ競争に負けてしまう厳しい職業でもあります。 もし、コンサルティングファームに就職すれば成長が手に入るという安易な考えをお持ちなら、今すぐに捨て去るべきです。成長は自分の手でつかむもの。それを肝に銘じ行動に移せる人だけが、この世界で活躍できると私は考えています。PROFILE たかはし・しんや/1972年生まれ。上智大学経済学部で組織論、日本的経営を研究し、卒業後はアンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。プログラミングから業務設計まで幅広い工程を経験した後、2001年にキャップジェミニのマネジャーに転じ、経営管理および業績管理コンサルティングに携わる。SONY Global Solutionsでは、当時最年少でプロジェクトマネジャーに就任。インドにおけるオフショア開発を手掛けるなど、グローバルシステム開発プロジェクトのPMOリーダーとして研さんを積む。05年、マネジメントソリューションズ創業
コンサルティングファーム 3つの「戦略」シフト 【ビジネス編】 目まぐるしく変わるビジネス環境を背景に、クライアント企業の経営変革を担うコンサルティングファーム各社のビジネス領域も拡大しつつある。各社が手掛ける案件の変化と、クライアントニーズに対応するための戦略について経営ボードにインタビューした。コンサルティングファーム各社が挑む”自社変革”に注目してみたい。コンサルティングに加えて事業投資を開始。新しい価値共創モデルを実現 ――10年前と現在では、企業からの相談内容にどのような変化がありますか? コンサルタントの視点、知識、経験を生かして企業内に刺激を与え、変革を起こしたい、という経営者の考え方は大きく変わりません。 さらに期待が高まっているのが、変革の実現スピード、すなわち「実行力」でしょう。時代を先読みして企業の将来像を描き、その実現に必要な人財、スキル、技術を社内外に拡がるネットワークの中から見出してチームアップする。多様な考え方、価値観を持つチームをゴールに向けて動かし、成果を生み出す。こうした強力なリーダーシップによる実行力が求められていると感じています。 ――顧客の期待に、どのような体制で応えているのでしょうか? 2013年の株式上場を機に、コンサルティングに加え事業投資を始めました。顧客企業やパートナー企業とジョイントベンチャーやジョイントビジネスを立ち上げ、人財と資金を投じて事業運営にも参画するなど、新しい価値創造モデルの実現に取り組んでいます。またM&Aアドバイザリー事業の子会社設立、ベンチャーキャピタルとの資本提携など、事業領域の拡大も進めています。 コンサルティング事業では、数年前よりシステム開発そのものから、プロジェクトマネジメントおよびデジタル技術のビジネスへの適用へと、スキルの主軸を大きく切り替えています。体制としては、ビジネス戦略とITを融合する「ストラテジー&システム」、高度なプロジェクトマネジメントサービスを提供する「P2(Program&Project)」、ビジネスのデジタル化を推進する「デジタルフォース」、企業のイノベーションを支援する「ヒューリスティック」の4チーム。コンサルタントのスキルを重視した体制で、組織全体の能力向上を実現しています。 ――コンサルティングビジネスに取り組む上で大切にされていることは? 組織も個人もオープンであることです。テクノロジーの進化をはじめビジネス環境の変化が激しさを増し、お客さまの課題が複雑化する今、全てのリソースを自社で抱え込むことは合理的ではありません。これからは「競争」ではなく、社外とコラボレーションして価値を生み出す「共創」により、企業や社会の課題を解決していく時代です。 幅広いネットワーク力、その中から良質な技術やプレイヤーを見つけ出す目利き力、多様な要素を組み合わせて指揮し、価値を実現するアグリゲーション力を、更に磨いていきたいと考えています。 ――コンサルタントにとっての醍醐味とはなんでしょう? やはりお客さまから感謝の言葉を頂くことが、我々にとって一番の喜びです。私自身は、過去に携わったプロジェクトが「世の中を変えるきっかけになった」と、語り継がれていると知った時でしょうか。 コンサルタントは裏方の仕事ですから表舞台で褒め称えられることはありません。しかし、成し遂げたことがお客さまや社会のためになったという自信、共に汗を流した仲間が増えていく喜びは、何ものにも代え難い財産です。 ――コンサルタントとして活躍できる人の特性、能力をお教え下さい。 コンサルタントにとって、思考能力の高さ、アイデアを生み出す創造性に溢れていることは重要です。そして欠かせないのは、「この人と一緒に仕事がしたい」と感じてもらえるコミュニケーション力でしょう。 ファシリテーションやプレゼンテーションといったコンサルティングスキルは、コンサルタントになってから習得し磨いていく能力ですから、学生時代は多くのことに興味を持ち、深く考え、人との交流を通じ、多様性を認め共創する力を養うことが大切です。 ――キャリアという点で、同業他社との明確な違いはどこにあるとお考えでしょうか? コンサルティングと投資先企業での実業、どちらの経験も積むことが可能な点です。コンサルタントにとって事業運営の経験は、経営者の視点、立場、思考回路を理解する何よりの近道ですから、若手社員には特に経験して欲しいと思っています。もちろん、自ら起業するという道を選ぶことも可能になります。社内起業も積極的に支援していきますし、シグマクシスを卒業しての起業も応援しています。 “実行力”で新しい価値を生み出す人財を輩出し、また、彼らと互いの強みを活用しながら共に成長する。それが私たちの目指す、次なる「シグマクシス」です。PROFILE とみむら・りゅういち/1959年東京生まれ。83年カリフォルニア大学ロサンゼルス校を卒業後、日本アイ・ビー・エムに入社。リクルートを経て、94年、プライスウォーターハウスコンサルタントの常務取締役に就任。以後、IBMビジネスコンサルティングサービス常務取締役、日本テレコム取締役副社長、RHJインターナショナル・ジャパン代表取締役など、コンサルティングと実業の世界で要職を歴任。2008年、シグマクシスの創業に参画し、取締役コーポレートスタッフ部門担当パートナーを経て現職。プラン・ドゥ・シー社外取締役、新生銀行社外取締役兼任
コンサルティングファーム 3つの「戦略」シフト 【ビジネス編】 目まぐるしく変わるビジネス環境を背景に、クライアント企業の経営変革を担うコンサルティングファーム各社のビジネス領域も拡大しつつある。各社が手掛ける案件の変化と、クライアントニーズに対応するための戦略について経営ボードにインタビューした。コンサルティングファーム各社が挑む”自社変革”に注目してみたい。攻めと守り両側面に強いコンサルティングによって、海外での競争力を高める ――KPMGはグローバルアカウンティングファームのBIG4として知られる存在ですが、日本企業の海外進出が増える中、どのような領域に注力していますか。 日本の企業は、生産・販売を中心に海外に進出し、製品力・サービス力で世界に伍してきましたが、グローバルのビジネスで勝ち抜くためのマネジメントにおいては、欧米企業の後塵を拝してきました。例えば、海外子会社から情報をタイムリーに吸い上げ、それをマネジメントに活かす管理体制や優秀な人材の確保、グループ間の連携、ITインフラの整備など改善が必要です。今後、日本企業が世界で戦う競争力を持つためには、グローバルでのガバナンスを徹底することが不可欠。そこにコンサルティングファームの介在価値があるのです。 KPMGは監査法人系のファームのため、不正のない健全な企業文化を育むリスクコンサルティングに強いイメージがありましたが、2014年、KPMGジャパンとして、マネジメントコンサルティングにも注力する戦略へと、大きく舵を切りました。これにより、海外展開する企業の競争力強化を支援し、ビジネスを支える革新的なテクノロジーの研究・活用も強化しています。 企業が社会的信用や市場からの信頼を獲得し、かつ、全体のパフォーマンスを向上し健全に成長していくために、リスクコンサルティングとマネジメントコンサルティングの両輪で支援する体制を構築したのです。私たちは会社の成長に貢献するコンサルティングで、お客様から信頼されるNo.1ファームを目指します。 ――組織や体制において、具体的に強化している点を教えてください。 私たちが目指すのは、最先端テクノロジーを活用し、ビジネスモデルやビジネスオペレーションを変革していくドライバーになることです。「デジタルとトランスフォーメーション」をキーワードに、企業がグローバルで戦えるよう支援していく。そのために、多様なサービスラインを連携させる体制を整備しました。 例えばリスクコンサルティングでは、内部統制やサイバーセキュリティーなどのリスクマネジメントを担うラインを。マネジメントコンサルティングでは最先端テクノロジーの活用を主とするライン、ビジネスの変革を担うラインなどを用意。その上で、デジタル活用、人材マネジメント、リスク管理など、全てのサービスライン間でコラボレーションする仕組みを取り、各種業界の知見を持つコンサルタントと連携することで、全方位から企業成長と信頼性向上を促進可能な体制を作ったのです。 各々が専門分野に注力し、互いの知見や知識を活用し合い、所属する部門を越えてお客様の課題解決に向かう。グループ各社とのコラボレーションもドライブし、KPMGジャパンとして一枚岩となります。横断的な連携で、総合的な価値を提供する文化こそが、私たちの強みとなるのです。 ――人材育成や働き方においては、どのような変革が行われていますか。 入社1~2年目は新人育成の組織に所属し、横断的な発想やつながりを育むために各部署へのローテーションを実施しています。各部門の役割を知ると共に、多くの人とコミュニケーションを取ることで、部門内の垣根を越えコラボレーションしながら働くための基盤を作ることができます。ローテーション先には、NASA出身の技術者や博士号を取得した優秀な人材がAIやブロックチェーン、ロボティクスなど最先端分野の研究を行う部署もあり、コンサルティングにおけるテクノロジー活用の自由な発想力も身に付くはずです。 また、各分野のスペシャリストや同期、別のサービスラインの先輩とコネクションをつくれるように、サークル活動や制度を用意して社員同士の接点を増やしています。これらの環境も、人を巻き込んで仕事を進めるコンサルタントの素地を伸長させるでしょう。 私たちの目指すコンサルティングは「格好いい絵を描いて終わり」ではありません。コンサルティングは、お客様の課題に対し、各部門のスペシャリストが共に考え、提案から実行まで一緒に汗をかいて成功に向かうもの。各自が当事者意識を持ち、互いのアイデアをリスペクトし、コラボレーションによる変革を実現することが求められます。入社初年度から各部門との連携を意識した研修を推進する理由もそこにあります。 「日本を代表する企業の成長を支え、自身も成長していく」。そんなやりがいを意気に感じ、柔軟な発想で他のコンサルタントと連携して課題に向かえる人材に期待しています。PROFILE みやはら・まさひろ/1991年、早稲田大学政治経済学部卒、同年旧 朝日新和会計社(現 有限責任 あずさ監査法人)入所。95年、ビジネスコンサルティング部門に出向。米国・ロサンゼルス事務所、ニューヨーク事務所への駐在を経た後、2010年、IFRS(現 アカウンティング・アドバイザリー・サービス(AAS))事業部長、11年、日本・アジア太平洋地域代表に就任。アジア上場アドバイザリーグループ責任者を歴任した後、14年、あずさ監査法人アドバイザリー企画部長に就任。17年7月よりKPMGコンサルティングにて現職